時代の流れにのるべくして、今年初めに「スマートフォン」に切り替えました。
ショップに行き、機種を選び、
金額のこと、携帯電話との違いなどを聞いたら、サイン。
「美しい」店員の女性が、それから
延々とうつむいて、スマホを動かし、設定作業。
その間ほぼ1時間近く。私はその間に
「この手続きが終わったら○○さんに電話して・・・。
あの件とあの件をあそこにメールして・・・それから・・・。」と
作業が終わってからの連絡事項を整理していました。
すぐにできるものと思いこんでおりました。
「お待たせしました。これでスマートフォンはご使用になれます。ありがとうございました。」と最高の笑顔で、女性スタッフから真新しい機械を渡されました。
これで・・・これで・・・私もスマホユーザー!
うきうきわくわく。
しかし、それから・・・
私の長い、長い機械との苦闘の日々は始まりました。
まず、電話すらできない。
メールを打つにも、文字盤の出し方もわからない。
打ち間違えたら、その文字を消せない。
ショップでちゃんと聞いたはずなのに、ネットへのアクセスもままならず・・・
初日こそ、優しく使い方を教えてくれた息子も
同じことを3回聞いた後は、私が近づくと「すっ」と自分の部屋に逃げ込む。
私は購入した携帯ショップに、できないことをメモして毎日のように立ち寄る「めんどくさいおばちゃんのお客」になりました。
そうこうするうちに
私のお気に入りの店員さんができました。
若い男性スタッフ。というのはもちろんのことなのですが、
ちょっと要領が悪くて、接客にも慣れていないみたいで、説明がしどろもどろなんだけど、
私は彼のブースに行くのが楽しみで
スマホが思うように使えないイライラが、彼に教えてもらっているうちに
薄れていくのです。
何でなんだろう。といつも思っていました。
接客のセミナー講師をしているので
結構、接客対応には「厳しい」ほうだと思うのだけど(怖っ!!)
彼のどう考えても平均点より少し下かな。と思う接客が心地良いんです。
目もあんまり合わせないし・・
声も小さいし・・
聞いたことを何度も確認して、説明し始めるし・・・
そうだ!
「一生懸命」なんだ!
と気づきました。
何度も若い人たちにとって「当たり前」のことを聞きに行く私に
一生懸命に対応してくれるのです。
「また?」
「そんなこと、聞きにくることが不思議でならない。」
「この間も、同じこと聞きましたよ。」
彼の対応は、私が心のどこかに抱えている、申し訳なさを思い出させないのです。
ひとつ聞くと、それに関して「私がわからない」ことを一生懸命に教えてくれます。
途中で、「え?こういう場合は?」と聞くと
「はい。あの・・これは・・あっ。はい。わかりました。こういう風にすると
できるようになります。」と私が使えるように教えてくれるのです。
すっかり私は彼のファンになって
スマホもどんどん使えるようになりました。
彼の一生懸命さが、しどろもどろの説明であってもなんでも
私には心地よかったのです。
そうこうするうちに、私も使えるようになり
携帯ショップ通いは終わりました。
そして昨日。
購入して5ヶ月しか経っていないのに、スマホの調子が悪くなり
本当に久しぶりにショップに行きました。
すぐに彼を探すと
5ヶ月ぶりの彼は、あいかわらず、しどろもどろに接客中でした。
でも少し違ったのは
私に気が付いて「あっ!」と言ってニコッと笑ってくれたこと。
ということはこの5ヶ月で少しは余裕が出てきたのかもしれません。
私の対応をしてくれたのは
「美しい」女性店員さん。
完璧な笑顔で、故障箇所を的確に指摘し、機種交換の手続きを
スムーズにこなしてくださいました。
・・・でも・・・物足りない。
やっぱり、私は、使い方を一生懸命に教えてくれた
お気に入りの男性店員さんの接客が好きだなぁと思って比べていました。
目に見えるのは
笑顔だったり、態度。
耳にするのは
わかりやすい言葉、正確な敬語。
でも、お客様はそこに「人柄」を感じ、
「熱意」を感じ、「一生懸命さ」を感じる。
見えない、聞こえない、接客をする側の「心」は
自然に伝わってくるのだと思います。
忙しそうだった彼は、私が座るブースの近くを通り過ぎるとき
うつむき加減だけど、もう一度ニコッとしてくれました。
もしかしたら、彼にも私の「がんばれ~~」という「心」が伝わっていたのかもしれません。





