バスを降り、参道へ入る前に法隆寺iセンターに立ち寄りました。
斑鳩大工による五重塔建立の映像と歌がお目当てだったのですが、昨年訪れた時 は「調整中」で見られず…今度こそ見られるかな、とあまり期待せずに行ってみたら、やはり未だに「調整中」。もう復活する気ないんだろうか(笑)。
せっかく来たので、1階の展示も軽く見てみました。
ボランティアガイドの勧誘を避けるべく、「話しかけるなオーラ」を放ちながら注目してみたのは、いつものように法隆寺の模型でなく「斑鳩寺創建当時の瓦のレプリカ」。
軒平瓦の「彫り残し」と「ピン跡」はないかと探しましたが、レプリカにそんなもんあるわけがない(爆)。
参道に出ると、早速修学旅行の小学生やら高校生らに出くわしました。
時期的にしょうがない…もう慣れました(笑)。
途中、小学生の列に紛れ込んでしまい、引率の先生状態になりながら(笑)、南大門に到着~。
西院伽藍はごった返していたので、峰の薬師が祀られている西円堂から先に。
修学旅行生もここまでは絶対に来ないし、一般の参拝客もあまり立ち寄らないため、静かでいいっす。
その上、眺めも良い。逆光なのが難点だけど、大和盆地が見渡せる♪
すぐ東側には、鐘楼があります。時報の鐘なので、参拝者は撞けません
去年は偶然正午の鐘を聞けました。
西円堂付近から見る五重塔と金堂。
続いて西院伽藍。
北方にある大講堂は、現在修復工事中。確か、屋根の葺替えだったかな。
五重塔露盤には葵の御紋が彫られています。
去年来た時は「見えない」とか言ってた私…こんなにわかりやすいのにどこを見てたん!(笑)
中門の瓦。
浄瑠璃寺本堂のと比較すると、蓮子の数が多くて鋸歯文が入ってる…割と新しそう。
今回楽しみにしていた一つが、平成の毘沙門天と吉祥天。初めて見たときのインパクトがすごくて、今年も展示されると知った時は一人フッとほくそ笑みましたよ( ̄▽+ ̄*)
大宝蔵殿で開催中の「法隆寺秘宝展」で見られます。
今季の秘宝展のテーマは「僧房と子院と寺僧たち」。あまり興味なかったけど、行ってみたら結構よかった。
現在の三経院と聖霊殿、およびその北に繋がる東西室が寺僧の住まいでしたが、時代が下ると学僧たちは子院を建ててそこに住まいを移し、僧房は太子信仰の道場となりました。
現在でも、聖霊殿は聖徳太子をご本尊とし、お会式も行われます。
北側には東室が続いています。
かつては、東院伽藍の北に「北室」もあったようです。
展示品は、二種類の資財帳から始まり、東室の柱や礎石、鋺や匙・皿などの仏具、各時代の供養具、子院に安置されていた仏像、寺僧の肖像画、文書類でした。
奈良時代の唐櫃はしっかりとした作りで、重厚感がありました。
正倉院の宝物も、唐櫃で保存されていたおかげで、湿気や温度変化から守られていましたが、ここには何が入っていたんだろう?
また、経蔵の観勒僧正像や、三経院の仏像たちもこちらに移っていました。
観勒像は、見た目は賓頭盧さんですが、近世ぐらいから百済僧観勒像だという伝説が生まれたようです。
飛鳥~室町時代のものは興味深く見ていたのですが、近世以降の仏像・仏具や文書はさら~っと流し見(笑)。南倉に入って肖像画を見終えると、いよいよ目的の毘沙門天・吉祥天ご夫妻のいる中央の特別展示室。背後の文書類を凝視するふりして心の準備をし(笑)、いざご対面。
「平成新造の宝物」として、玉虫厨子模造とともに立っていました。
色褪せた仏像を見慣れた目には、どれもこれも色彩がチカチカと眩しすぎる…初めて見た時程のインパクトはさすがにありませんでしたが、伝来当初の仏教や仏像がエキゾチックな文化としてもてはやされたのが分かるような気がしますね~。
同じ吉祥天像でも、先ほどの浄瑠璃寺のとは雰囲気が異なりますね。私は断然、浄瑠璃寺の吉祥天女像の方が好みです。上品で女性らしくて。こちらの吉祥天さんは、貫禄あり過ぎるもん(笑)。
最後の常設展示の片隅に中世~戦国時代の文書があったのですが、これが意外と興味を引かれました。春日大社や興福寺と同様に、法隆寺でも太子像を奉じて訴訟を起こすということが行われていたそうです。へ~知らんかったわ。確かこの文書は、その際にどこかに合力を求める内容でした(興味を持ったくせに覚えてないのか)。
この秘宝展だけで、結構時間かかりました。大宝蔵院と同じくらい費やしてるんじゃないだろうか(たぶん私だけ。見ている間、後から来た人に悉く抜かされた^^;)。
満足したところで外に出て、今まであまりじっくり見たことのなかった建物にも注目してみました。
綱封蔵。宝物庫で、二つの建物を結合させた双倉ともいわれます。正倉と同じです。国宝
その北東部、大宝蔵院の南には細殿と食堂が南北に並んでいます。
手前の細殿は重要文化財、奥の食堂は国宝です。食堂は、もとは寺の政所だったようです。
東大門を抜けて、東院伽藍へ。
東大門の東から北へ延びる道。斑鳩神社へと続きます。
そういえば、毎年無意識に正倉院展と法隆寺をセットで訪問していましたが、夢殿の救世観音ご開帳に合わせてだったということをここへ来て思い出しました(笑)。
ついでに、鎌倉時代以前の夢殿が現在の姿とは違っていたという昨年知った事実も思い出しました。
*西院・東院伽藍レポは昨年の記事とかぶるので省略いたします*
今回は中宮寺へは行かずに、西門までダ~っと戻って藤ノ木古墳を目指しました。
西門を通ったのは初めて。ついでに藤ノ木古墳も初めて。
今年の春に整備されたばかりとあって、実にわかりやすい(笑)。
ガラス扉越しに石室を見学。センサーで明かりが点灯し、じ~っと覗いていたら一定時間たった後、容赦なく消灯(x_x;) 11月初めに特別公開があるようですね。来年3月には「斑鳩文化財センター」もオープンとのこと。
しかし、樹木に覆われていないだけ、こんな爽やかな古墳見たことないわ。
…確かに、ベンチに座って語りたくなる雰囲気ですな!
今度橿考研博物館に行ったら、副葬品の展示にも要注目だ~。
またまた法隆寺に戻り、境内を通り抜けて法輪寺、法起寺への道をてろてろと散策しました。
長閑な田園風景は、何度来ても癒されますなぁ~。
それでも、入江泰吉の写した昭和20年代とかの斑鳩は更に鄙びてるし、あの頃に比べたら宅地化が進んでしまっているようですね。入江写真の昔の斑鳩、好きですわー。
(それで思い出したが来年1月からの奈良市写真美術館の大和路巡礼シリーズは「飛鳥」だ♪)
法起寺付近のコスモスはとっくに寂しい感じに…
枝豆(黒豆かな)が収穫の時期を迎え、直売所でもたくさん売ってました。
バス停近くの農園直売所で、柿とさつまいもを購入し、この日の終バス(早っ!)で郡山駅に向かいました。
ところで。
どうなのかな、これ …。
主題歌は堂本剛の「昴」(谷村楽曲のカバー)だって。
~10/28のお出かけ 終わり~