🟥✡️『教行信証』からひもとく浄土真宗の教え 【藤澤 信照(著)】を読み終えました。
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🔷梯實圓和上の名講義録「真宗要論」良かったです!まさに真宗教学のダイジェスト版でありました。
🔶まるでお元気な時の梯先生から、直に聴聞させて頂いているような感じがしました。
🔷全て音読して録音もしましたので、何度も聴いてみようと思います。
🔶三願転入をどのように梯和上は領解されているのか、関心がありましたので、心に響いた箇所を少し引用させて頂きます。
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🟩「三願転入」の文は、親鸞聖人が「三願真仮」という思想を確立した上で『教行信証』後序に、
「雑行を棄てて、本願に帰す」と述懐された、ご自身の二十九歳の回心の状況を、真仮三願に配当して述べられたものである、とおっしゃったのです。
🟨したがって「三願転入」とは、親鸞聖人が「今、真実である第十八願の法門に帰し得たのは、第十九願・第二十願という方便の誓願のおかげであった」と、阿弥陀仏のお育てに感謝されたお言葉であると見なければならない、というのが梯和上のお考えでした。

🟩親鸞聖人が、自らの回心に至る過程を、第十九願(諸行往生)・第二十願(自力念仏往生)という自力の法門を捨てて、第十八願(他力念仏往生)に帰したという
🟨「三願転入」の形であらわされるためには「三願真仮」という思想の確立が必要だったのです。

🟩この三願には、それぞれに独自の往生の因果が誓われていることから、この三つの願を「生因三願」と呼び習わしています。親鸞聖人は、これらの三願のうち、
🟨第十八願を「真実の願」、
🟨第十九願・第二十願を「方便の願」とされました。
🟨つまり、第十九願・第二十願は、自力の行信にとらわれている未熟な機を、
🟨真実なる第十八願の行信に帰せしめていくための教育的手段を説かれた願である、とご覧になったのです。

🟩親鸞聖人は、この「胎化得失」の一段に、
🟨罪福(善因楽果、悪因苦果という道理)を信じ、善根を修して往生を願うという「自力心」をもって、善悪平等の救いを説く
🟨「不思議の仏智」を疑う者は「胎生」の失がある、という教説を、第十九願・第二十願に配当されました。
🟩そして明らかに 「不思議の仏智」を信ずる「他力の行者」は、
🟨「化生」の得があると説かれている教説を、第十八願に配当されたのです。

🟩こうして、第十九願や第二十願は、自力のはからいによって、
🟨仏智不思議の誓願である第十八願を素直に受け入れることができない未熟の機を、
🟨第十八願に帰せしめていくための方便の願である、とご覧になったのです。

⏹️第三節【三願転入】

🟩このような三願観によって、親鸞聖人は、自らの回心の状況を、
🟨「化身土文類」真門釈の結びに、 次のように述べておられます。

🔲〈第十九願から第二十願へ〉
🟨ここをもつて愚禿釈の鸞、
🟨論主の解義を仰ぎ、宗師の勧化によりて、
🟨久しく万行諸善の仮門を出でて、
🟨永く双樹林下の往生を離る。
🟨善本徳本の真門に回入して、
ひとへに難思往生の心を発しき。

🟩〈第二十願から第十八願へ〉
🟨しかるに今、ことに方便の真門を出でて、選択の願海に転入せり。
🟨速やかに難思往生の心を離れて、難思議往生を遂げんと欲す。
🟨果遂の誓(第二十願)、まことに由あるかな。

🟩こうして親鸞聖人は
🟨「第十九願」は聖道門の行者を行ずる諸行は、そのままに浄土門に帰せしめるための願であり、
🟨「第二十願」は第十九願の行者に諸行を捨てさせて念仏せしめ、
🟨更には自力心を捨てしめて、
🟨「第十八願」に帰せしめる願であることを明らかにしていかれたのです。

🟩結びに「果遂の誓、まことに由あるかな」と言われているように、
🟨親鸞聖人は二十九歳の時、雑行を棄てて本願に帰し得たのは、
🟨全く阿弥陀仏のお導きによるものであったと、お育てに感謝しておられるのです。
🟩それは『教行信証』総序の文に
🟨「たまたま行信を獲ば、遠く宿縁を慶べ」 (『註釈版聖典』一三三頁)と言われたお言葉にも通ずるものでした。
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🌃インターネットより🌃

門外不出のテキスト、待望の書籍化!
梯實圓和上(浄土真宗本願寺派勧学)の名講義録「真宗要論」をもとに、著者が間違いなく咀嚼・推敲を重ねた真宗教学のダイジェスト版。これを読めば、浄土真宗の教えがわかる。

【目次】
はじめに
第一章 「浄土真宗」という宗名があらわす意義
第二章 親鸞聖人の宗教観
第三章 親鸞聖人の仏教観(二双四重判)
第四章 三願真仮と三願転入
第五章 六三法門
第六章 現生正定聚
第七章 親鸞聖人の仏身仏土説
第八章 四法の大意
第九章 真実教
第十章 真実行
第十一章 真実信
第十二章 真実証と還相回向
第十三章 浄土真宗の倫理性
おわりに
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🌟プロフィール🌟
藤澤 信照(フジサワ シンショウ)
🌠1958年、鹿児島県川内市(現・薩摩川内市)生まれ。
🌠1981年、鹿児島大学理学部卒業。その後、行信仏教学院ならびに行信教校を卒業し、滋賀県東近江市の浄土真宗本願寺派浄光寺に入寺。
🌠龍谷大学大学院文学研究科修士課程および博士課程修了。
🌠現在、浄光寺住職、行信教校講師。
🌠主な著書に、浄光寺御法話集🟩『親によばれて』(響流書房)
🟩『仏教讃歌「本願力のめぐみゆえ」解説と味わい』(浄光寺)、🟩『大きな字で読みやすい浄土真宗やわらか法話2』(共著、本願寺出版社)ほか、『行信学報』などに多くの研究論文を発表。
     【終了】