1️⃣🌠🟫🌃【2024年6月11日 (火)】
❇️大推協公開講座|大谷派難波別院同朋会館
❇️【大推協公開講座】午後2時~4時(開場:午後1時30分)
❇️講題:「生死出ずべき道」としての浄土真宗
❇️講師:親鸞仏教センター主任研究員 加来 雄之 先生
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🔶初めて加来先生の御縁を頂きました。終了後、ご挨拶もさせて頂き、お礼を申し上げました。
🔷「生死出づべき道」を法然上人のお言葉から、教行信証を通して明らかに教えて頂き、身が震える感動を覚えました。
🔶この内容は、全ての浄土宗、浄土真宗の方に聞いて頂きたい、読んで頂きたい内容でした。
🔷時間がとれたら、紹介をさせて頂きたいと思います。
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🌎️【講義の走り書きメモ】🌎️
🔷仏教の根本問題の演題を頂きましたことは嬉しいことであります。
🔶恵信尼様の言葉、法然上人のお言葉、浄土真宗の救いをハッキリしたい。
🔷心の時代、心の救い、身の問題ではないか。生死とは、サンサーラ、生死、生まれ変わり、死に変わりと漢訳に翻訳して下さった。
🔶仏教の大事な言葉、最終的には私達はサンサーラ、生死から出る。解脱する。
🔷死んだら自分はどうなるのか?その問題を解決するのが仏教。
🔶お釈迦様にとって、生死出づべき道とは、どういうことか?
🔷二歳年下の木越総長から、能登からの要望があったと聞いた。能登の方々は聞法の場所が欲しい、という要望。
🔶この厳しい現実を受け止めていくには、親鸞聖人の教えを聞きたい。能登、浄土真宗の土徳のある場所です。
🔷変えることの出来ない現実を受け入れる。変えることの出来ることと出来ないこととの違いを見極める智慧を私に与えてください。
🔶聞法とは智慧、決して現実逃避ではなく、現実を受け止めていく智慧を頂く。
🔷親鸞聖人には、ないが、法然上人には、立教開宗のお言葉がある。
🔶親鸞聖人は立教開宗をどのように受け止められたのか?
🔷親鸞聖人が命懸けで書かれた教行信証には、生死出づべき道、本当に大事なことが書き残されている。
🔶若い研究者に聞く、君にとって、救いとは何か?と聞くことがあるがスパッと生死出づべき道とは中々言えない。
🔷迷ったら、一番最初にかえる。
原風景、原点にかえる。
🔶それは親鸞聖人と法然上人の出会いにある。
(この後は感銘した話がどんどん続いたので、メモはやめました。)
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✡️【配布資料】✡️
〖はじめに〗
【2024年6月11日】大阪教区・同朋の会・推進員連絡協議会「公開講座」

🌟「生死出ずべきみち」としての浄土真宗
加来雄之(親鸞仏教センター主任研究員)

⭕浄土真宗の門徒である私たちが「立教開宗」に学ぶとは、親鸞聖人が法然上人の「立教開宗」を「生死出ずべき道」として学ぶこと
🟥――それは「顕浄土真実教行証文類(教行信証)』 に学ぶこと――

🟩その学びの指針が『教行信証』の二序〈総序・別序〉
🔶その学びによる自らの現実を根源的に受けとめた一人の誕生が「後序」に示されている。
⭕私たちの超えるべき課題を生死(サンサーラ) と表現した。

1️⃣浄土真宗の原風景
🌠――師法然との出遇い――
🟨「後世」から「生死」~
⭕中世の人々の関心「現世安穩 後生善処」(法華経薬王品)と私たちの関心
🌠――三つの証言と妻・恵信尼が伝える出遇い
🌠――平等で根源的な集いとの出遇い
🌠――求めたものよりも出遇った ものが大きかった
🌠――「現世・後生」から「後世」へ、「後世」から「生死いずべきみち」へ

🟨「・・・・・・何よりも、殿の御往生、中々、はじめて申すにおよばず候う。山を出でて、六角堂 に百日こもらせ給いて、後世を祈らせ給いけるに、九十五日のあか月、聖徳太子の文をむすびて、示現にあずからせ給いて候いければ、やがてそのあか月、出でさせ給いて、後世の助からんずる縁にあいまいらせんと、たずねまいらせて、法然上人にあいまいらせて、又、六角堂に百日こもらせ給いて候いけるように、又、百か日、降るにも照るにも、いかなる大事にも、参りてありしに、ただ、後世の事は、善き人にも悪しきにも、同じように、生死出ずべきみちをば、ただ一筋に仰せられ候いし」
🟩(「恵信尼消息』第三通「聖典』(初版)616頁)

2️⃣法然聖人における「立教開宗」の根本問題としての「生死」
⭕法然上人と『選択本願集』
🌠——親鸞聖人の注目――『教行信証』と「尊号真像銘文』

①『選択本願念仏集」の問い
🟨謹んで安楽集の上を按ずるに謂わく「問うて云わく、一切衆生みな仏性あり。遠劫よりこのかた多仏に週ふべし。何によりてか、今にいたるまで、なお自ら生死に輪廻して火宅をいでざるや。
🟩(「選択本願念仏集」教相章・延べ書き・巻上(「浄典全三』783頁)

②題号 [と撰号] と標宗と総結三選の文と三心章の文
🌠――『尊号真像銘文』の引用

🟨比叡山延暦寺宝幢院黑谷源空聖人の真像
🟨「選択本願念仏集」に云わく、「南無阿弥陀仏往生之業念仏為本」文 また日わく、
🟨「夫速欲離生死 二種勝法中 且閣聖道門選入浄土門。欲入浄土門正雑 二行中且拋諸雑行選応帰正行。欲修於正行 正助二業中猶傍於助業 選応専正定。正定之業者 即是称仏名。称名必得生依仏本願故」文
🟨また曰わく、
🟨「当知生死之家以疑為所止涅槃之城以信為能入」文
🟩(「尊号真像銘文」「聖典」(初版)526-527頁)

⭕法然上人の「生死出ずべき道」との出遇いの意味
🌠――空過――地獄におちても後悔せず

🟨曠劫多生のあいだにも
🟨出離の強縁しらざりき
🟨本師源空いまさずは
🟨このたびむなしくすぎなまし
🟩(「高僧和讚」源空聖人、『聖典』(初版)498頁)

3️⃣親鸞聖人の「生死出ずべき道」――「教行信証」の二つの序と「標語」

(1)親鸞聖人は法然上人の「立教開宗」を「真宗の教行証を敬信」として受けとめた。

🟨顕浄土真実教行証(文類) 選択本願念仏(集)⇒「真宗の教行証を敬信して」 ⇒ 顕浄土真実信(文類)

🟨南無阿弥陀仏往生之業/念仏為本) 顕真実教一/…化身土六 ⇒至心信楽之願(正定聚之機)

🟨「大無量寿経(真実之教/浄土真宗)

(2) 「生死いずべき道」と三序の指標の例

①「生死いずべき道」の指標としての「教行証文類序(総序)」

🟨生死出ずべき――竊かに以みれば、難思の弘誓は難度海を度す大船(生死の果を出る)

🟨無碍の光明は無明闇を破す恵日なり(生死の因を出る)

🟨みち(如来)―――苦悩の群萠を救済し、逆謗闡提を恵まんと欲す

🟨みち (衆生) ――悪を転じ徳となす正智、疑を除き徳を獲しむる真理

🟨迷惑――穢を捨て浄を欣い、行に迷い信に惑い

②「生死いずべきみち」の指標としての「信文類序(別序)」

🟨「しかるに末代の道俗・近世の宗師、自性唯心に沈みて浄土の真証を貶す、定散の自心に迷いて金剛の真信に昏し」 (『教行信証」「信巻」「聖典』(初版)210頁)

③「生死いずべき道」の結語としての「後序」

🟨「竊かに以みれば、聖道の諸教は行証久しく廃れ、浄土の真宗は証道今盛りなり」
🟩(『教行信証』「化身土巻」「聖典』(初版)398頁)

(3) 出離生死の道――往遠二回向

🔷「生死を出る道➡️往相の回向(回施) ➡️「真実の教行信証有り」

🔷生死に出る道➡️還相の回向 (回入)の➡️「利他教化地の益」

🌟安田理深 ⇒ 二種生死 ⇒ 分断(ぶんだん) 生死と変易 (へんやく) 生死

4️⃣「歎異抄」の課題――「よきひとのおおせをかぶりて信ずる」

🟨「弥陀の誓願不思議にたすけられまいらせて、往生をばとぐるなりと信じて念仏もうさんとおもいたつこころのおこるとき、すなわち摂取不捨の利益にあずけしめたまうなり。」(第1 章、『聖典」626頁)

🟨「まず弥陀の大悲大願の不思議にたすけられまいらせて、生死をいずべしと信じて、念仏 のもうきるるも、如来の御はからいなりとおもえば、すこしもみずからのはからいまじわら ざるがゆえに、本願に相応して、実報土に往生するなり。」(第11章『聖典」630-631頁)

【おわりに】

「我、世において速やかに正覚を成らしめて、もろもろの生死・勤苦の本を抜かしめん」(『大無量寿経』「聖典」13頁)
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🌟インターネットより
🌃プロフィール🌃
加来 雄之 KAKU Takeshi
(主任研究員)専門領域
❇️親鸞教学の研究/曇鸞浄土教思想の研究/近代真宗教学の研究
【略歴】
❇️1955年・京都府生まれ。
❇️大谷大学文学部仏教学科卒業。
❇️大谷大学大学院博士後期課程(真宗学)満期退学。
❇️元大谷大学文学部真宗学科教授。
❇️大谷大学名誉教授。
❇️現在、親鸞仏教センター主任研究員。

【所属学会】
日本佛教学会、日本印度学仏教学会、真宗連合学会、国際真宗学会、真宗教学学会 ほか

【著書】
🌠『ブッダと親鸞-教えに生きる』
🌠『2012年安居次講 『大無量寿経』の讃歌と問答』
🌠『平成二十一年度安居「課外」講義録 仏弟子論としての歎異抄―親鸞聖人の教えを相続するということ―』などが人気。
     【終了】