🟨②唯識三十頌【18頌】六因四縁の乱れ髪とは?〖能作因・俱有因・同類因・相応因・遍行因・異熟因〗【俱舎論】五果とは等流果・異熟果・士用果・増上果・離繋果【令和6年05月18日】
🟦YouTube で見る
🟥https://youtu.be/syisfmHlf98?si=uRqLFJ7zk0HXJI2M

🌃🪐〖2️⃣レジメ資料〗
❇️『唯識三十頌【第十八頌】』
⏹️「十因・四縁・五果」を説明をする前に、先ずは「六因」について解説をする。

🌃古来「六因・四縁の乱れ髪」といわれる。
🟨『阿毘達磨(あびだるま)倶舎(くしゃ)論』より

🌠因果関係の法則について🌠

多様に複雑な因果関係をなしている諸法を、因である点から六因、四縁に、果である点から、五果に分類する〖分別根本第二〗。

✡️【六因説】
🔷この六因説は、経典に明確な文言を用いて、説示されている説ではない。
🔶恐らくは、説一切有部のアビダルマにおいて、構築された説である。

🔷六因説の初出については『発智論』[大正蔵26巻920c]であると指摘されている。

1️⃣⭕能作因(のうさいん・梵: kāraṇahetu)⇒ ある存在(法・ダルマという)が生起する時、少なくとも、その妨げをしないという点で、他のすべての存在が、その存在に対して、原因としての働きを持つこと。

🔶芽に対する種のような結びつきの強い原因は、もちろん能作因であるが、月が存在することに対して、スッポンは何の妨げも為さないことから、月にとって、スッポンは、能作因である。
❇️【四縁でいうと、増上縁と理解する】

2️⃣⭕倶有因(くういん、梵: sahabhūhetu)⇒ 因・果が同時に生じ、相互に因となり、果となるという、同様な関係を持つ時の因のこと。

🔷たとえば、二枚のトランプをお互いより、かからせて立たせた時に、お互いが、お互いの倶有因であり、士用果である。

3️⃣⭕同類因(どうるいいん、梵: sabhāgahetu)⇒ 現在の瞬間と同類の現象が、後に果として生じる時の原因のこと。

🔶因が善ならば、果も善、悪ならば悪、無記ならば無記と、その性質を共にしなくてはならない

🔷例えば、忍耐をしている、ある瞬間は、忍耐をしている次の瞬間の同類因となる。

4️⃣⭕相応因(そうおういん、梵: saṃprayuktahetu) ⇒ 倶有因の一種で、心と心作用との間の関係についてのみ用いる。

5️⃣⭕遍行因(へんぎょういん、梵: sarvatragahetu)⇒ 同類因の特別な場合で、11種の遍行および、それと相伴う諸法のこと。

🔶好ましくない感情や態度が、後の瞬間の好ましくない感情や態度を作り出す時の原因にあたるもの。

6️⃣⭕異熟因(いじゅくいん、梵: vipākahetu)⇒  諸々の善・悪業のこと。
🔷相互に時を隔てた、異時点間の因果関係から、楽・苦などの果をもたらす。

🔶この果(異熟果)は、善でも悪でもない(「無記」である)ことから、異熟と呼ばれる。
【因是善悪、果是無記】

🌟🟨『阿毘達磨倶舎論(あびだつまくしゃろん)』とは?
🟩ヴァスバンドゥ(世親)を作者として、4世紀から、5世紀頃に、インドで成立したとされる、部派仏教の教義体系を整理・発展させた論書である。
🟨サンスクリット原典の題名は『アビダルマ・コーシャ・バーシャ』
🟩漢訳本は、玄奘訳『阿毘達磨倶舍論』(略称『倶舎論』)30巻が有名である。
     【終了】