🟨①パッタカンマ経【適業経】在家にピッタリの説法【四つの目標の教え〖所有・認められる・健康と長寿・死後の幸せの楽〗期待をかなえる四つの法〖信・戒・施・智慧〗】【令和6年05月10日】
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🟥https://youtu.be/4BdCXezfsv8?si=-ud54IFzyfI4DSFB

🌉🌠1️⃣パッタカンマ経【期待を叶える四つの方法】
✡️パッタカンマ経は在家の方にピッタリの内容の説法です。

🔷「在家信者のための四つの目標の教え」とは、増支(ぞうし)部の四集【783経】第七品【27品の中で】にある『パッタカンマ経』に書かれた内容です。
🟨「誰でも喜んで期待するが、達し難い四つの目標」についての説法です。
🔶増支部とは、数関連集の経典集で数千あります。数物を1から11まで集めたものです。

🟨「パッタカンマ」とは「目的に達する・目的を完了する」という意味です。【漢訳では適業経とも言う】

🟪この経典は、お釈迦様が、在家信者のリーダーとして有名な給孤独(ぎっこどく)長者になさった説法です。

⬜『在家信者が常に明るく、充実感を覚えて生活が出来るように』ブッダは、必要な教えを適切に説法なさいました。

🌟四つの目標の内容の一番目は、
1️⃣「所有の楽(財産があること)」です。
🟧「正当な方法で得た財産がありますように」という希望です。
道徳や法に違反して、また乱暴な方法で得た財産では人生は楽しめないのです。
🟫正当な方法で得たものであるならば、その財産は無駄になくならない、他人に取られないのです。

🟥では、正当な財産とは何か?
それは、怠けず、精進・努力して得た財産です。腕を振るって、自分自身の能力や技術を駆使して得た財のことです。
🟨汗を流して得た報酬のことです。それが罪を犯さずに、正当な方法で得た財産なのです。

2️⃣二番目は、
🟦「認められる(名誉)楽があること」です。

🟪「正当な方法で財産を得てから、私と私の家族・親戚、師匠に名誉がありますように」という希望です。
🟩社会に求められること、人気があること、尊敬されることも在家が期待するものです。
🟨自分の家族や親族、指導者に不名誉のことがあったら、困るのです。

3️⃣三番目は、
⬜「健康で長生きが出来る楽があること」です。

🟧「正当な方法で財産を得てから、私と家族・親戚、師匠たちが社会の敬意を得たところで、私が健康で長寿でありますように」という希望です。
🟫たとえ大富豪であっても、病弱で短命なら、人生は楽しくありませんからね。

4️⃣四番目は、
🟥「死後に幸せな世界に生まれる楽があること」です。

🟦「正当な方法で財産を得てから、・・・・・長寿を得た私が、死後、幸福な世界に生まれますように」という希望です。
🟨「死後は幸せな世界に生まれられる」という保証さえあれば、老後の人生さえも楽しく生きることが出来ます。

🔷以上、お釈迦様の時代に、在家が夢見た希望・願望です。
🔶自分に正直な気持ちになれば、現代人にとっても、この希望・願望は何も変わらないのではないかと思われます。

🔷それは、殆ど「かなわない夢」だからです。経典の中でも「しかしこの希望がかなうことは稀有(けう)である」と述べられています。
🔶人々にとって、これこそが幸福と言われる「楽しい大いに好むもの」ですが、この四つの希望は実現するのが、とても難しい稀有なことです。

🟪しかし、絶望することはありません。お釈迦様が給孤独(ぎっこどく)長者に「期待をかなえる四つの法(ダルマ)」を説いて残して下さったからです。

⏹️給孤独(ぎっこどく)長者は、四回、破産をして、四回とも、V字回復を果たしました。

🌠期待をかなえる四つの方法🌠
✡️四つの財産を具足する✡️

【①】納得.確信すること。
🟩第一は「信という財産(saddha sampada)」を持つことです。

🔷仏教の信とは、他宗教のように存在するかどうか分からない神を盲目的に信じることではありません。
🔶信とは、現実と向き合うことの出来る心です。理性を持って、自分の歩む道に自信を持つことなのです。

🔷堂々とした、安定した精神状態に至ることです。日本語に翻訳するなら「納得・確信」という言葉が相応しいと思います。
🟨いつでも欲や怒りで動揺している人
🟨色々なカルト宗教にハマリこむ人
🟨詐欺紛いの「スピリチュアル商法」に引っ掛かるような心の弱い人には、仏教の「納得・確信」に至るのは無理な話なのです。

🔶とはいえ「信」という財産を持つことは、決して難しいハードルではありません。
🔷インチキや嘘を信じるのではなく、信じるに足る本物を信じれば良いのです。
🔶そうすれば、心がスーっと安定します。ですから、在家の仏法者には、
🟨「お釈迦様が完全な悟りを得た正自覚者である」と徹底的に信じることを推薦しています。
🔷お釈迦様の教えに、自分の理解能力では分からないことがあっても、とにかくブッダを信頼して
🟨「真理である」と認めるのです。
🔶それで「信という財産」が自分のものになります。

【②】道徳を守ること。
🟩第二は「戒という財産(sila sampada)」を持つことです。

🔶戒とは、自分の心を守る財産です。現代日本語に訳すと「道徳」です。
🔷人として守るべき基本的な道徳が、希望をかなえるための財産だと言われているのです。

🔶本当の道徳とは、学校のおざなりの授業で、我慢して聞かされる役に立たない話ではありません。
🔷道徳を守る人が「因果の道理によって幸福になる切符を貰えるのだよ」という話です。

🔶仏弟子は『不殺生・不偸盗・不邪淫・不妄語・不飲酒』という五つの道徳を守ります。
🔷五戒を守る人は、自分の心を守ることの出来る人でもありますから、自信を持って仕事をすることが出来ます。

1️⃣不殺生 ➡️ 生命を害さない人、他人を責めない人の元には、人々が安心して集まってきます。

2️⃣不偸盗 ➡️ 他人の物を奪わない、与えられている物以外は盗らない人は、信頼されますので商売なども問題なく、うまくいきます。容易に資金を集めることも出来るようになります。

3️⃣不邪淫 ➡️ 邪な行為をしない人は性別を問わず、部下にも上司にも信頼されます。性にだらしない人は、たとえ仕事が出来ても、社会的な立場を失うものです。

4️⃣不妄語 ➡️ 嘘をつかない人は他人からも騙されません。
正直な人の前では、悪人も悪いことをする気が起きなくなるのです。足を引っ張る人、騙す人などがなくなるのです。

5️⃣不飲酒 ➡️ 酒を飲まない人は、無駄な浪費がなくなって生活が安定します。
酒は脳細胞を破壊して、人間の理性を失わせる毒薬だとお釈迦様は教えられます。
🔷理性とは輪廻の海で溺れ苦しむ生命に唯一、与えられた「浮き輪」のようなものです。
🔶酒に依存することは、その唯一の浮き輪を自分から破って捨てるような愚かな行為なのです。

【③】分かち合うこと。
🟧第三は、
「与えるという財産(caga sampada)」を持つことです。

🟦汗を流して労働して得た財産に対して、仏弟子は物惜しみ、ケチな気持ちを起こさず、分かち合う精神で生活を送るのです。
🟨困っている人がいれば、躊躇なく与えてあげることです。
🟥仏教では、物惜しみ、ケチは「心の錆(さび)」として危険視されます。
🟫心が錆び付いていたら、すぐに錆を落として、ピカピカに磨かなければいけません。

🔷また生命が最も嫌うのは、
「あなたのものをくれという言葉だ」という『ジャータカ物語』の教訓があります。
🔶自分から奪おうとするのではなく、与えようという相手にこそ、生命は心を開くのです。

🔷「常に与えたい」という気持ちを持って、人に手を差し伸べる習慣をつける。
🔶そして与えることを好んで、人から気楽に頼られるような、分かち合いを喜ぶような明るい性格を育てることです。
🔷そういう人が幸福になることは、決まり切った話です。

🌠「施しは富貴長寿の元と知れ」
🌠「施せる境遇こそがわが宝」
🌠「施しは生きる力の元と知れ」

【④】智慧を持つこと。
🟩第四は「智慧という財産(panna sampada)を持つことです。

🔷仏教は智慧の教えだから、智慧は最も大切な財産です。
🔶一切の幸福の元になる原因は『智慧である』とブッダは、強調されます。

🔷このように「期待を叶える四つの法」を提示してから、
🔶お釈迦様は、在家生活を送る一般の人が陥っている精神的な病(五蓋)について、分析されます。
五蓋(ごがい)については、次の講義で解説します。
     【終了】