🌎️🌉1️⃣【4月27日(土)13時30分より16時30分まで】名古屋東別院会館〖愚深会〗にて、鶴田義光先生より『大無量寿経に学ぶ』を聴聞させて頂きました。
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🟥【配布資料】🟥〖表面〗
❇️『大無量寿経』に学ぶ・講義メモ 【32】 (愚深会 令和六・1月)

※『大経』正宗分は、善導の『観経疏』序文義の言葉
🟨「願願、皆、増上の勝因を発せり。
因に依って、勝行を起こせり。
行に依って、勝果を感ず。
果に依って、勝報を感成せり。
報に依って、極楽を感成せり。
楽に依って、悲化を顕通す。
悲化に依って、智慧の門を顕開せり」に依って、七段に分科される。

🔷正宗分、初めのp.9
🟨「仏、阿難に告げたまわく「乃往過去」より、p26「世間に超出して深く寂滅を楽う」までは「勝因段」と呼ばれ、如来浄士の因である四十八願が説かれている。

🟨次のp26「阿難、時に彼の比丘」より、p27「無央数劫に功を積み徳を累ねて」までを「勝行段」と呼び、法蔵菩薩の兆載永劫の修行について説かれる。

◎「勝行段」(『聖典』p26~p27)

「阿難、時に彼の比丘、その仏の所、諸天・魔・梵・龍神八部、大衆の中にして、この弘誓を発し、この願を建て已りて、一向に志を専らにして、妙土を荘厳す。
修するところの仏国、恢廓広大にして、超勝独妙なり。建立常然にして、 衰なく変なし。
不可思議の兆載永劫において、菩薩の無量の徳行を積植して、欲覚・瞋覚・害覚を生ぜず。欲想・瞑想・ 害想を起こさず、色・声・香・味・触・法に着せず。忍力成就して衆苦を計らず。
少欲知足にして、染・恚・痴なし。三昧常寂にして、智慧無碍なり。虚偽・諂曲の心あることなし。和顔愛語にして、意を先にして承問す。勇猛精進の法を求めて、もって群生を恵利しき。
三宝を恭敬し、師長に奉事す。
大荘厳にして、志願倦むことなし。専ら清白をもって、衆行を具足し、諸々の衆生をして功徳を成就せしむ。
空・無相・無願の法に住して、作なく起なし。
法は化の如しと観ず。麁言の自害と害彼と彼此、俱に害するを遠離して、善語の自利・利人と人我兼利するを修習しき。
国を棄て、王を損(す)てて、財色を絶ち去(さ)け、自ら六波羅蜜を行じ、人を教えて行ぜしむ。無央数劫に功を積み、徳を累ねて 」

【語句の解説と領解】
⭕「諸天・魔・梵・龍神八部」➡️ 魔王・梵天も天の一部で、天・龍・夜叉・阿修羅等の仏法の守護神である八種の鬼神。

⭕「妙土を荘厳す」➡️ 四十八願全体が浄土建立の願であり、その願心を浄土として荘厳する (形どる)ための修行をいう。

⭕「恢廓広大にして、超勝独妙なり」➡️「恢廓広大」は限りなく広く大きいさまで「無量光明土」であることを表す。

⭕「建立常然にして、衰なく変なし」➡️ 永遠常住なる「寿命無量の世界」であることを表す。

⭕「 不可思議の兆載永劫において、菩薩の無量の徳行を積植して」➡️ 法蔵菩薩の兆載永劫の修行をいう。
「五劫思惟」は名号選択の為の時間であり、「兆載永劫の修行」は一切衆生に名号を聞かしめ(信心獲得せしめ)、即得往生せしめんが為である。

✨親書聖人は『教行信証』「信巻」至心釈 p225 で
🟨「一切の群生海、無始よりこのかた乃至、今日今時に至るまで、穢悪汚染にして、清浄の心なし。
虚仮諂偽にして真実の心なし。
ここをもって如来、一切苦悩の衆生海を悲憫して、不可思議兆載永劫において、菩薩の行を行じたまいし時、・・・」と言われ、
🟨また『入出二門偈』p.461 に 「不可思議兆載劫に、漸次に五種の門を成就したまえり」と記されて、法蔵菩薩の兆載永劫の修行は、嚝劫以来、常に沈み、常に流転して出離の縁あること無き衆生を救わんがために行じられ、その修行の内容を『浄土論』に説かれる「五念門の行(三業二利の行)」として戴かれている。

✨また、古来の解釈では、兆載永劫の修行を「六波羅蜜の行 (布施・持戒・忍辱・精進・禅定・智慧)」に当てて解釈されている。

⭕「欲覚・瞋覚・害覚を生ぜず。欲想・瞋想・害想を起こさず」➡️「覚」は、心に思いめぐらし、尋ね求める心で、欲覚・瞋覚・害覚は、それぞれ貪欲・瞋恚・害【瞋恚から派生する随煩悩で、悪口などで相手を傷つけ悩ます心】の煩悩のこと。
「想」は、常に意識に伴って生じる遍行の心所であり、外界の対象を知覚表象するはたらきで、欲覚・瞋覚・害覚を生ぜしめる原因となる心。

⭕「色・声・香・味・触・法」➡️ 六識(眼・耳・鼻・舌・身・意識)の、それぞれ対象となる六境のことで、
欲想・瞋想・害想が、欲覚・瞋覚・ 害覚が起こる因であるのに対して、縁(所縁)となるもので、それらに執着しないことにより、三覚が生ずることを防ぐ。

⭕「忍力成就して衆苦を計らず」➡️ 寒熱病苦などの様々な身体的な苦をもたらす環境をも安んじて受け入れ、耐え忍ぶこと。

⭕「染・恚・痴」➡️「染」は貪欲で、貪欲・瞋恚・愚痴の三毒の煩悩のこと。

⭕ 「意を先にして承問す」➡️ 相手の意思を先んじて知り、よく受け入れて教え導くこと。

⭕ 「大荘厳」➡️「大荘厳」は、「三宝を恭敬し、師長を奉事する」ことによって得られた福徳と智慧との二つの荘厳で、
🟩福徳は、六波羅蜜の内、布施・持戒・忍辱・精進・禅定の五波羅蜜をいい、
🟩智慧は、第六の智慧波羅蜜をいい、あらゆる行が、福智の二荘厳に摂まる。
➡️「行巻』p182「(述文賛)また云わく、福・智の二厳成就したまえるが故に」の文を参照。

⭕ 「空・無相・無願の法」➡️ 解説をうる三種の方法で、三解脱門という。

①空解脱門 ➡️(一切の存在は空であり、実体はないと観ずる)。
②無相解脱門 ➡️(一切が空であるから、差別の相もないと観ずる)。
③無願解脱門 ➡️(願求すべき体相は、何ものもないと観ずる)。

⭕「作なく起なし」➡️ 果として造作すべきものはなく、因として起こすべきものはないの意で、修行に於いて、一切の計いがないこと。

⭕「法は化の如しと観ず」➡️ 諸々の現象(諸法)は、仮に相(すがた)をとって現れた存在にすぎない、と観ること。

⭕「麁言(そごん)」➡️ 麁悪な言葉の意で、十悪の中の口業であると妄語・綺語・悪口・両舌をいう。
     【終了】