1️⃣🌟【2024年03月03日 (日)】
芦屋仏教会館【日曜仏教講座】
午前10時より
講師:常務理事 瓜生津隆文先生
✴️『善導大師のお言葉に聞く』

🔷演題は善導大師の無常偈で、解説を頂きました。
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🌍️【演題】
往生礼賛〖無常偈〗
【15】もろもろの衆等、聴け。
日没の無常の偈を説かん。
人間、怱々として衆務を営み、
年命の日夜に去ることを覚えず。
灯の風中にありて、滅すること期し難きが如し。
忙々たる六道に定まる趣(いえ)なし。
未だ解脱して苦海を出づることを得ず。いかんが安然として驚懼(きょうく)せざらん。
各々(おのおの)聞け。強健有力の時に、自策自励して常住を求めよ。

✨怱々➡️早々、草々と同じで急いでいる。
✨衆務➡️諸々の務め、雑務
✨忙々たる➡️大したこともせずに忙しい、忙しいとせわしく動いている。
✨強健有力➡️若い、元気な健康な時に
✨自策自励➡️策とは竹で鞭打つ。鞭打って励みなさい。

🟩【意味】
人間は、あわただしく日常生活のさまざまな勤めをあくせくと営み、あっという間に月日が過ぎ去ってしまうことを何とも思っていない。
ローソクの火が、風の中にあっていつ消えるとも分からないように、次々と六道の世界を輪廻(生まれては死にを繰り返す)して、落ち着くところが無い。
いまだに苦しみの世界を出て、悟りの世界に到ることが出来ない。どうして、日々をぼんやりと過ごし、驚き恐れずにいることが出来ようか?
おのおのよく聞け。健康でいられる時、自らつとめ励んで、一日も早く涅槃の悟りを求めよ。

🌎️🌟🌍️【講義の走り書き】
🔷常任理事になってから、20年になります。20年というのは大雑把にいって、集団のメンバーの中心が変わっていく年月です。
🔶親鸞聖人が、関東に赴かれて、で20年、ご布教されて、そして常陸を出られたのが60歳。そのあと鎌倉近辺に三年ほど、いらっしゃったことが分かっております。

🔷63歳の時に京都に戻ってこられた。大体、20年ぐらいです。
著書は殆んど80歳を越えられてから、沢山お書きになられました。
🔶親鸞聖人が帰られて、20年ぐらい経つと、関東でもお弟子さんの、孫弟子が増えていく。色々な問題、異議が起きてきます。

🔷凡夫も救う本願だから、少々嘘をついてもいいんだ、という造悪無碍、造悪無慚というのが増えてくる。仏法に対する敬いの気持ちが無くなってくる、薄れていく。
🔶為政者から、親鸞の念仏集団は、けしからん集まりだ!念仏一つでいいと言って、他の宗旨や神様を蔑ろにしたりするものが出てきた。

🔷親鸞聖人はそういうことは言われていないのに。念仏一つは自ら選ぶのですよ、と言われているのに。そこで裁判所まで起きて、念仏集団を取り締まらなければならないということになった。
🔶そこで、80歳過ぎにお弟子達が、親鸞聖人に沢山のお手紙を書くようになった。そして、書物をお書きになった。

🔷それは後世の我々のために、仏教を残しておかなければならないという使命感で、おそらくお書きになった。88歳まで。
🔶今日は善導大師について、ここでは、色々と聞かれていると思います。

🔷私、常任理事はご講師をお招きをする立場なので話をしないのですが、お招きする講師はご高齢なので、ピンチヒッターとして、今まで二度ほど、話をしました。
🔶今まで10回ぐらい、話をしましたでしょうか?一つ話したことは、一心専念弥陀名号、これを読まれて、法然上人は救われられた。

🔷法然上人の教義的な枠組みは、三部経一論ですが、偏依善導一師で、法然上人の教えは、とくに善導大師の教義を引き継いでおられる。
🔶浄土真宗も、親鸞聖人は法然上人のお弟子ですから、受け継いでおられます。

🔷善導大師の教えとして、今、お勤めをしました『回向句』があります。
🔶あらゆる宗派の教えとして、ついているのが廻向句です。今、お勤めをしました、このお勤めを廻向させて頂き、諸々の人たちと一緒に幸せになりましょう。

🟨願以此功徳(願わくば、この功徳を以て)
🟨平等施一切(平等に、一切に施し)
🟨同発菩提心(同じく、菩提心を発して)
🟨往生安楽国(安楽国に、往生せん)

🔷これは『帰三宝偈』の最後に出てくる言葉です。
🔶それから、浄土真宗の方であれば、葬儀の時に読まれるのが、観経疏の最初の『帰三宝偈』です。

🔷本来、浄土真宗の葬儀は、式でないのです。葬儀。儀は儀礼の儀ですから。
🔶どうしてかというと、昔、枕経というのがあって、臨終勤行といいます。そしてお骨が戻ると還骨勤行をする。

🔷納棺勤行もあれば、通夜の勤行もある。そして火葬場でヒヤ勤行もある。これら全てを含めて葬儀という。
🔶浄土真宗では、告別式とは言わないでください。葬儀とは、まさに葬る儀なのです。聴聞するのです。

🔷葬儀の時に読むのは、聴聞するためです。正信偈ならば、親鸞聖人からお聞かせ頂くのです。
🔶阿弥陀経ならば、お釈迦様からお聞きする。お勤めの声はお釈迦様の説法なのです。それを聞くのです。

🔷出棺勤行で、最初に唱えるお勤めが『帰三宝偈』です。三宝に帰依する。

🟨道俗時衆等、各(おのおの)無上の心を発(おこ)せども【発せ】
生死(しょうじ)甚だ厭(いと)い難く、仏法また欣(ねが)い難し。
共に金剛の志を発して、横に四流(しる)を超断せよ。

◆時衆➡️ その時に集まった皆様。
 
🟩僧俗すべての人々よ。
おのおの無上の信心をおこせ(おこせども)。
生死まよいは、甚だ厭い難く、
仏法は、また欣(ねが)い難い。
それ故に、共々に他力金剛の信心をおこして、ただちに生死の流れを超えて断ち切り、弥陀の浄土に往生を願って、如来を信じ合掌礼拝せよ。
❇️【インターネットより】

🔷無上の心とは、菩提心を起こせ、ということです。法を求める心です。
🔶親鸞聖人は「おこせども」と読まれました。

🔷生死甚だ厭い難く、この世のこと、どうでもいい!と思いたいけど、どうしても、この世のことに執着をしてしまう。
🔶仏法また欣い難し。聞いてはいるけど、本当に仏法を求めているのとは違う。

🔷お寺に来ている人は、みんな聞いているけど、願っているかというと難しい。
🔶悟りを願っている、ということです。本当に悟りを願っているか!です。

🔷親鸞聖人がおっしゃっているのは、人間の深いところを言われている。
🔶ここは、おこせ、おこせども、両方の読みがありますけど、両方で読んだらいいです。

🔷親鸞聖人の教えでは、両方で読むべきなのです。親鸞聖人がこう読まれたから、浄土真宗ではこうや!ではない。
🔶元々、漢文の読みがあって、原則として、あった上で、もう一つ、深いところの読み替えを親鸞聖人はなされた。

🔷親鸞聖人は、通常の読みとは、違うところが沢山ある。
🔶私は中国の専門家の人に聞きました。そしたら、漢文というのは、多義性があると言われました。多くの意味を含んでいる。

🔷中国人は中国の発音で順番に読んでいく。
🟨「至心に廻向せしめたまえり」
🔶主語が私達から、阿弥陀様の廻向に変わってしまっているけど、親鸞聖人は大胆な読み方をされているけど、中国の人は、いや、読めますよ!といわれる。

🟨共に金剛の志を発して、横に四流(しる)を超断せよ。

🔷金剛の志をおこしましょう。
信心のことです。金剛心といってもいいでしょう。
🔶これは何を言っているのか、と言いますと、最初に菩提心をおこして、ここで本当の菩提心を起こす。菩薩の心ですよ。

🔷菩薩としての心を起こすのです。菩提心が始めでもあり、目的でもあります。
🔶親鸞聖人は、菩提心をおこすのは、難しいんでないですか、自分は頑張ってみたけど、おこせなかった。

🔷そこで金剛の志、他力の菩提心、自力の菩提心から、他力の菩提心をいただく。これを勧められている。
🔶善導大師の御言葉が、浄土真宗のお勤めに入っております。

もう一つあります。
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     【終了】