1️⃣🟨🟪【2024年1月16日 (火)14時00分より16時00分まで】
✴️真宗門徒講座⑧|大谷派名古屋別院対面所
🔯テーマ:真宗の歴史に学ぼう
-教団のあゆみ 私たちのあゆみ-
🟩講題:戦時下の真宗教団
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🔶戦時下の真宗教団の間違った姿勢を正直に見つめて、反省するところは素晴らしいと思いました。
🔷資料を読むだけでは、あまり感銘はしないかも知れませんが、一番前で聞かせて頂き、学ぶところが多くありました。
🔶直に教えて頂くことは有り難く思いました。
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🪐【配布資料】
🌟【2023年度 真宗門徒講座 「真宗の歴史に学ぼうー教団のあゆみ 私たちのあゆみー」 (第8回) 
🟨2024.1.16
🟩第8回 戦時下の教団
一 兵戈無用を願われながらも 一
         担当:花園盛二

🔶戦時下において、戦争を肯定し戦争に協力してきた歴史を私たちの教団は抱えています。それは当時の日本や世界の状況、その時代を生きる人々の思想など様々な要因が絡み合ったものだったのでしょう。私たちはその歴史を結果として聞き、学ぶことができます。

🔷戦火により、数多くのいのちが奪われ、肯定した戦争によって数限りのない悲しみや苦しみが生まれたことを、また私たち一人ひとりが受け止めなければならないと思います。

🔶そして過去に起こった「かつて」の話として終わらせるのではなく、「今」を生きる私たちに「平和」とは何かと呼びかけられ、私たち一人ひとりがその歴史と、どう向き合い、生きていくのかを問い訪ねられているのではないでしょうか。

🟧🟫不戦決議(1995年)
🔷私たちは過去において、大日本帝国の名の下に、世界の人々、とりわけアジア諸国の人たちに、言語に絶する惨禍をもたらし、佛法の名を借りて、将来ある青年たちを死地に赴かしめ、言いしれぬ苦難を強いたことを深く懺悔するものであります。

🔶この懺悔の思念を旨として、私たちは、人間のいのちを軽んじ、他を抹殺して愧じることのない、すべての戦闘行為を否定し、さらに賜った信心の智慧をもって、宗門が犯した罪責を検証し、これらの惨事を未然に防止する努力を惜しまないことを決意して、ここに 「不戦の誓い」を表明するもので あります。

🔷さらに私たちは、かつて安穏なる世を願い、四海同朋への慈しみを説いたために、非国民とされ、宗門からさえ見捨てられた人々に対し、心からなる許しを乞うとともに、今日世界各地において不戦平和への願いに促されて、その実現に身を捧げておられるあらゆる心ある人々に、深甚の敬意を表する ものであります。

🔶私たちは、民族・言語・文化・宗教の相違を越えて、戦争を許さない、豊かで平和な国際社会の建設にむけて、すべての人々と歩みをともにすること を誓うものであります。
🟪/真宗大谷派東本願寺 HP より
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🟨【2023年度 真宗門徒講座】 「真宗の歴史に学ぼう一教団のあゆみ 私たちのあゆみー」 (第8回)    
          2024.1.16

🟩1867 新政府側より「門主心得方」を問われる
🟩1868 明治政府の成立
🌟第21世厳如、美濃・尾張・北陸へ
🟩1869 北海道政策
🌟「開拓出願書」を提出し、北海道開拓事業が始まる
🟩1873
🌟小栗栖香頂「支那国弘教係」に任命され、海外開教への展開
🟩1874 台湾出兵
🟩1875 江華島事件
🟩1876 
🌟小栗栖香頂『真宗教旨』を著し、海外開教に使用される
🟩1894 日清戦争
🌟戦争への心構えとして、法主より 「御直命」がくだされる
🟩1904 日露戦争
🟩1906 海外開教条規が制定される
🟩1931 満州事変
🟩1937 日中戦争
🌟「同朋箴規」を掲げる
🟩1941 アジア太平洋戦争
🟩1945 終戦
🌟同年11月の報恩講での 「教示」にて「平和」に向けて表明
🟩1995「不戦決議」の表明


🌟🟥🟧兵戈無用🟪🟦🌟

🟨佛所遊履(ぶっしょ)、 國邑丘聚(こくおうくじゅ) 、靡不蒙化(みふむけ) 、天下和順(てんげわじゅん) 、日月清明(にちがつしょうみょう) 、風雨以時(ふういじ)、災厲不起(さいれいふき)、國豐民安(こくぶみんあん) 、兵戈無用(ひょうがむよう)
【仏説無量寿経巻下/(『真宗聖典』78頁)】

🟩み佛のみ教えが行き亘っている処では、国々は豊かに栄え 人々は安らかに生き、軍隊も軍備も必要とすることがない
【/第34回平和展 真宗大谷派の海外浸出 「満州開教」(前編) 63頁】
     【終了】
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🪐【配布資料】
🟨2024年1月16日 新野和暢
🌟【大谷派の戦争協力】
はじめに
【大谷派と戦争協力を考える視点】

①仏教と社会との関係性について。
②仏教家の社会的実践とは何か?

1️⃣1. 仏教と社会との間
🟩※仏教と国家との間にある距離感
⭕政治に関わらない。
⭕仏教を国政に活かす。
⭕宗教団体の方針が個人の信仰を代表される。
↓社会に対する声明をどう考えるのか。
🟩2015.06.10 「非戦決議2015」 資料1
🟩2019.12.27 「海上自衛隊の中東派遣の閣議決定に対する宗派声明」を発表
🟩2021.01.29 「「感染症法」の改正案に関する宗派声明」を発表
✡️※療養を拒否した場合に罰則する規定へと変更。
🟩2021.07.12 「関西電力美浜原子力発電所の再稼働に関する声明」
🟩2021.12.21 「死刑執行の停止、死刑廃止を求める声明」を発表
🟩2022.03.01 「ロシア連邦のウクライナ侵攻に関する声明」を発表
🟩2022.03.03 全国水平社創立100周年によせて〔宗務総長コメント〕
🟩2022.06.08 【お知らせ】
✨「非戦決議2022 『兵戈無用』」を宗議会及び参議会において可決
🟩2022.06.24 「アメリカ合衆国テキサス州での小学校における銃乱射事件」に際して、ロサンゼルス別院輪番による声明文を発表
🟩2022.07.26 「死刑執行の停止、死刑廃止を求める声明」を発表
🟩2023.08.07 「首相・閣僚などによる靖国神社公式参拝中止要請のこと」✡️ ※真宗教団連合
🟩2024.01.09 「令和6年能登半島地震について(門首・宗務総長メッセージ)」
🟥
https://www.higashihonganji.or.jp/news/relief/07445785/
✡️※宗教団体が人権や平和、社会制度に意見するのはなぜなのか?
✡️※災害に対して、メッセージを発したり、災害救助活動したりするのはなぜか?

🟦Q. 国から殺人を指示されたらどうする?
 ※学生の回答【同朋大学】
⭕武器を構えるふりをして逃げる。(逃げるは恥だが時に誰かを救う手段になる)
⭕従うべきでない。国に逆らったら罰を与えられるが、殺したら罪悪感に苦しむ。
⭕人を殺めることは仏教の教えに背く行為であり、倫理的にも問題があるため反対すべき。
⭕国からの指示であっても殺人はしてはいけない事だから断るべきだと思う。仏教徒であるなら、なおさら命の大切さを分かっていると思うから、やらないと考えた。
⭕殺人を命令されるという状況は戦争だと思うので、戦争ならば否定して平和活動に専念すべき。
⭕従うべきでは無いが、従わない or 逆らうことになったら、どのようになるかわからない。然し、現代で、このような指示があったら逆らうことは簡単だと思う。
なんなら、国民の大半は従わないと思う。
⭕断固として反対するべきと言いたいが、戦争中に不殺を訴えた僧侶が排除された話などを聞くと、声高に主張できない。
⭕戦争ならば殺すしかない。自分や自分の大切なものを守らなければならないから。しかし、戦争に限る。
⭕断る。以前、戦時中の兵士として戦争に協力を求めた時、仏教徒、お坊さんがどうしたか気になりました。

🟪✴️仏教の不殺生との間に葛藤
☆社会に合わせる
☆教えに生きる

2、戦争に対する仏教家の姿勢
🌠【六つの分類】
🟨①社会と関係しない仏教
⭕社会との関係が切り離された仏教。

🟨②仏教平和主義
⭕不殺生戒など、仏教の平和思想を社会に還元。

🟨③護法聖戦論
⭕仏法を護るための戦い。(一向一揆)

🟨④ 「仏教」を用いて戦争を肯定する
⭕【一殺多生論】
➡️ 大乗仏教を体現する言葉であるという説の一つとして考える。
⭕【摂受折伏】
➡️ 慈しみの心に基づいて人を受入れることを摂受といい、
逆に、人をいったん議論などによって破り、自己の誤りを悟らせることを折伏という。

🌟🌎️河崎顕了(1871~1950)
✴️真宗京都中学校長、大谷派講師(1942年)
🟩「摂受といふのは、摂取容受という言葉の略語であり、相手の如何に依って、それを弾圧もしくは愛撫することである。只今の義疏の中に、重悪の者は勢力を以て折伏し、軽悪の者は道力を以て摂受すとあるのが、即ち此の両作用を説かれたものであります。」

🟩「慈悲というと、虫も殺さぬことのやうに思わるが、仏教で説くところの慈悲は、そうした偏狭な考えのものでなく、それには非常に多面的の作用を有し、時には相手を殺すのが却て大慈悲であると説き、その時はいつもこの折伏と摂受の説明を為し来っておったのであります。」
『仏教経典の戦争観』河崎顕了著、昭和17年 真宗大谷派教化研究院、6頁。

🟨⑤真俗二諦論(社会容認、護国仏教)
⭕真諦(仏法)と俗諦(世間法)と二つが相資(たす)ける。(聖典 360頁)
⭕1886(明治19)年8月制定
🟩「真宗大谷派宗制寺法」第十九条

🟨「皇上ヲ奉戴シ、政令ヲ遵守シ、世道二背カス、人倫ヲ素サス、以テ自己ノ本業ヲ励ミ以テ、國家ヲ利益ス、之ヲ俗諦門ト云フ。スナハチ真諦ヲ以テ、俗諦ヲ資ケ、俗諦ヲ以テ真諦ヲ資ケニ諦相依現当二世ヲ相益ス是ヲニ、諦 資ノ法門トス」と定められていた。

⭕それが形として現れているものに天皇尊牌(天牌)がある。

【朝家の御ため】
🟩金子大榮
🟨「この護国教ということは実を申しますと、日本の仏教はどの仏教でも皆、国を護るものである、といふ風に信じておらない宗旨はないのであります。親鸞聖人の念仏往生の教でも、念仏を称へれば、此の世の利益きわもないので ある。念仏を称へれば、その国は安穏なのであるからして、朝家の御為、国民の為、念仏を申されるのが結構なことである、かういふ風に、念仏が国を護る教であると思ってお説きになったのであります。」『佛』金子大榮著、東光書林刊、173頁。

🟨⑥真俗一諦論
⭕真諦と俗諦を一つのものと捉える。真諦は俗諦に何ら影響を与えず、俗諦に無条件に付き従う根拠としてのみ残る真諦。

✡️※「皇道真宗」(『真宗』昭和18年5月号)

🔶自ら名乗った。国に協力して当たり前なのだ!

3. 十五年戦争期の大谷派と同朋箴規(しんき)
🟨1931(昭和6)年9月18日 「満州事変」
🟨1932(昭和7)年3月1日 「満州国」を建国。
🟨1933(昭和8)年2月24日 国際連盟総会で、中国の統治権を承認し、日本軍の撤退を求める報告案に対して、賛成42、反対1、棄権1。反対票を投じた松岡洋右ほか日本代表団は議場から退場。日本は、3月27日に国際連盟脱退を通告した。
🟨1937(昭和12)年4月14日 「同朋箴規」を発表 
1️⃣1. 己を捨て無碍の大道に帰す。
2️⃣2. 人生を正しく見て禍福に惑わず。
3️⃣3. 報恩の至誠を以て国家に尽す。 
🟥7月7日 日中戦争 盧溝橋事件(中国北京郊外の盧溝橋)
🟨1941(昭和16)年12月8日 英米に宣戦布告

🌟【同朋箴規】
【資料2】
『同朋箴規の使命』河崎顕了著、1937(昭和12)年7月20日
🌏️【ポイント】
1️⃣1) 御同朋の実践を促し、一派布教の根帯とすると明示したもの。(5頁)
🙆「教学刷新」の明示(6頁)

2️⃣2) 私共国民は、挙国一致して此の国難を打開し、陛下の御宸襟を安んじ奉らなければならぬのである。
 「朝家の御為、、、、、」との宗祖聖人の遺訓を奉ずる我が宗門人は、奮起しなければならぬ。(8頁)

3️⃣3) 第1は、真諦の大義が明示(8頁)。
🟨「教法を聞信して大道を歩む教旨を体得すれば、涅槃の岸に進入することができる」

4️⃣4)第2は、今日の世相に対して最も剴切なる教示。(10・11頁) 
✡️※戦死含む。

5️⃣5)第3は、「念仏の大法に就ては、其解説は懇切を極めてみるが、報恩の大行に関しては、それが足りない」がために、説明するまでもなく明白なことを記した。

6️⃣6) 「互いに相戒め、相慎みて、真俗二諦の本義を顕揚しなければならぬ。」(15頁)

4.、真宗を説いた僧侶

🌟✨1)仏教非戦論

✡️【植木徹誠】(1895~1978)
⭕真宗大谷派僧侶、全国水平社と行動を共にし、被差別部落の解放運動に尽力。
⭕「宗教家が戦争を弁護するのは矛盾している。宗教家が戦争を弁護するとは恐れ入った。元来、宗教家は戦争に反対するものである」

✡️【竹中彰元】(1867~1945)
⭕岐阜県明泉住職を歴任、大谷派布教使
⭕「此の度の事変に就て、他人は如何に考へるか知らぬが、自分は侵略の様に考へる、徒らに彼我の生命を奪ひ、莫大な予算を費ひ、人馬の命を奪うことは大乗的立場から見ても宜しくない、戦争は最大な罪悪だ、保定や天津を取って、どれだけの利益があるかもう此処らで戦争は止めたがよからう」

5、まとめと非戦論のゆくえ
 以上

🔯✴️🟨非戦決議2015

🔷私たちは過去において、大日本帝国の名の下に、世界の人々、とりわけアジア諸国の人たちに、言語に絶する 惨禍をもたらし、佛法の名を借りて、将来ある青年たちを死地に赴かしめ、言いしれぬ苦難を強いたことを、深く懺悔するものであります。

🔶この懺悔の思念を旨として、私たちは、人間のいのちを軽んじ、他を抹殺して愧じることのない、すべての戦闘行為を否定し、さらに賜った信心の智慧をもって、宗門が犯した罪責を検証し、これらの惨事を未然に防止する努力を惜しまないことを決意して、ここに「不戦の誓い」を表明するものであります。

🔷さらに私たちは、かつて安穏なる世を願い、四海同朋への慈しみを説いたために、非国民とされ、宗門からさえ見捨てられた人々に対し、心からなる許しを乞うとともに、今日世界各地において不戦平和への願いに促されて、その実現に身を捧げておられる、あらゆる心ある人々に、深甚の敬意を表するものであります。

🔶私たちは、民族・言語・文化・宗教の相違を越えて、戦争を許さない、豊かで平和な国際社会の建設にむけて、すべての人々と歩みをともにすることを誓うものであります。
    『不戦決議』(1995年)

🔷戦後50年を経た1995年6月、真宗大谷派は、人類の願いを「不戦の誓い」として表現しました。
🔶私たちは、この決議の重みを再確認し、あらためて平和の意味を問いたいと思います。

🔷決議より20年、戦争の悲惨さと愚かさに対する人々の感覚は風化してきています。その風化は、現在も、基地問題で苦しむ沖縄の人たちの心に向き合おうとせず、戦争に向かう状況を生み出そうとしています。

🔶私たち人間の生きざまを憐れんで「国に地獄・餓鬼・畜生あらば、正覚を取らじ」と誓い、法蔵菩薩は、浄土を建立されました。
🔷永い人類の歴史は、人が人を殺し、傷つけ合う悲しみの連続でありました。如来の願心は、自我愛を正当化して「賜ったいのち」を奪い合うことを悲しみ、私たちに「共に生きよ」と呼びかけておられます。

🔶この呼びかけに応じ「殺してはならぬ、殺さしめてはならぬ」という仏陀の言葉を如来の悲願と受け取り、あらためてここに「非戦の誓い」を表明いたします。
🔷そして、世界の人々と積極的な対話を通じて「真の平和」を希求してまいります。
上記決議いたします。
🟨2015年6月9日
🟩真宗大谷派 宗議会議員一同
🟨2015年6月10日
🟩真宗大谷派 参議会議員一同

🌟新野和暢【プロフィール】
大検取得、同朋大学文学部卒業。同朋大学大学院文学研究科博士前期課程中退。法政大学大学院政治学研究科修士課程修了。東京大学大学院総合文化研究科超域文化科学専攻(表象文化論コース)。博士課程修了。学術博士、政治学修士。『中外日報』編集部記者、仏教伝道協会職員などを経て、名古屋大谷高校宗教科講師。真宗大谷派教学研究所嘱託研究員、同朋大学仏教文化研究所客員研究員、名古屋教区教化センター研究員など
     【終了】