みんな元気ですか
続きだよん・・・
夢にも種類があるようで、
中には怖いことが起きることも。
自分で夢を制御できるように
徐々に訓練することが大切。
本当は夢には中途半端な気持ちで
触るもんじゃないよ
って風さんは言ってこんな
お話をしてくれた。
都会に暮らすある男がいた。
その男には奥さんがいたけど
子供はいなかった。
毎日勤めに行って普通に帰ってくる。
何の変わった特徴もない中年の男性。
昼間だけは。
最近その男は少しやつれ気味。
毎日ほんの少しずつだけど
痩せて行くのが奥さんにはわかる。
奥さんが心配して聞いてみるけど
会社でいやな事があったとか
言う事じゃないみたい。
お医者さんに行っても原因が分からない。
だけどその男には自分しか
知らない秘密があった。
正確にはその男とあと数人・・・
をのぞいて。
その男はいつからか
はっきり覚えていないけど
毎晩夢の中でもう一つの
世界に出かけていたんだ。
その夢はとてもリアル。
と言うより本当に実体を持っていた。
その世界でも彼は家族を持っていた。
奥さんはとてもきれいな人。
現実の奥さんよりもはるかに
きれい・・・きれいすぎる。
子供は二人。
これも思春期の可愛い女の子。
父親をとても慕ってくれている。
学校でこんな事があったとか、
あんな事があったとか
いつも男をパパと呼んで相談しに来る。
だから男は二人の子供を
とても可愛がっていた。
もちろんそのきれいな奥さんの事も。
しかし朝になると男はその家族を
離れて現実の世界に毎日戻ってくる。
その夢の世界は非常にリアル。
しかし何かが微妙に違っている。
例えば・・・
公衆電話の電話機にお金を
入れたら余った分のお釣りが出て来る。
自分の住んでいる家は分かるのに
その街の名前が分からない。
道を歩くほかの人に話しかけても
誰も返事をしない。
その男は自分がよくない事を
しているとなんとなく分かっている。
でも夢の中での生活はあまりにも
快適でやめられない。
その男の体力は限界に近づいていた。
そして自分の体が持たない事を
悟るとある霊能者に相談したんだ。
するとその霊能者は男の話を
詳しく聞くと、ものすごい形相で
即座にその世界に行くのを
やめるように言った。
なぜならその世界は魑魅魍魎
(ちみもうりょう)の世界。
確かにその世界は存在する。
だけど普通の人間にはきわめて
危険な世界。
それを聞いた男はそれでも
その世界にもう一度戻りたいと思った。
妻と子供にせめて別れを
告げようと思ったんだ。
その世界はこの世と非常に似ている。
しかしすべてが違う。
例えばその世界では子供は
親から生まれていない、
と霊能者は言った。
それを聞いて男には
思い当たる節があった。
男は子供達の誕生日を
知らなかったんだ。
男は自分がどれだけ危険な世界に
踏み込んでいたかを悟った。
でも逆らうことはできなかった。
もう一度その世界に行った男は
二度と戻ってこなかった。
続きはまたね・・・
(そんなに美人だったのかぁ~・・・
にひひって、おい)