天使の学校 14 虹の橋を渡る前に | イッピーの独り言

イッピーの独り言

ボクの名前はイッピー。わんこのビション・フリーゼです。ボクが見たことや聞いたことを書きたいと思います。少し不思議なお話もたくさん出てくるかもしれないけど、みんなが気に入ってくれるといいな。

みんな元気ですかドキドキ

 

もう少しで秋のお彼岸・・・グッド!

 

お彼岸の日にはボクはこのお話を

 

くり返ししています。

 

あるワンちゃんのお話しです。

 

きのうはお彼岸の休日。

 

とてもお天気が良くて気持ちが良かった。

 

少し風があったけど。

 

その風の音を子守唄に聞きながら

 

ボクはお昼寝をしてた。

 

そして夢の中で

 

たくさんのペット達の声に誘われるようにして

 

ある公園の近くまでやってきました。

 

そこは大きな動物霊苑。

 

ボクはたくさんのペット達が

 

集まっているのを後ろから

 

そっと見ていました。

 

きのうはお彼岸。

 

お坊さんがあげるお経に守られて

 

その子たちはみんなちょうど

 

虹の橋を渡るところです。

 

ボクはその中のあるワンちゃんの事が

 

少し気になってずっと見ていました。

 

ほかの子と少し様子が違うんです。

 

ほかの子はみんな、ワンちゃんや

 

ネコちゃんやうさぎさんや小鳥さんも

 

そのほかのペット達も飼い主のお父さんや

 

お母さんがそこに来てくれていて

 

最後のお別れをしていました。

 

でもその子のところにだけは

 

まだ誰も来ていなかったのです。

 

だから・・・

 

入り口の方を何度も何度も振り返りながら

 

「まだかなぁ・・・まだかなぁ・・・」って

 

つぶやいていました。

 

おわかれの式がもうすぐ終わる頃になると

 

その子は一人でじっと涙をこらえて

 

いるのがボクには分かりました。

 

そしてボクには別の事も分かったんです。

 

その子のお父さんはお仕事で

 

いつも忙しかった。

 

お母さんも昼間はお仕事に

 

出かけていました。

 

生きている時にはあまりお

 

父さんとお母さんにかまって

 

もらえませんでした。

 

それは仕方がなかったんです。

 

でもそのおうちの小さい女の子

 

とはすごく仲良し。

 

その女の子はまだ小さいから大人の

 

人に連れてきてもらわないとこの

 

霊苑には来ることが出来なかったんです。

 

お家からそんなには遠くはなかったけど。

 

きょうもお父さんもお母さんもお仕事で忙しい。

 

そのワンちゃんはおうちのみんなが

 

大好きでした。

 

だからせめて一言・・・おうちの人に

 

言いたかったんです。

 

「僕を大事にしてくれて

 

いままで本当にありがとう。

 

僕はみんなが・・・こころから大好きでした。

 

僕はこれから虹の橋を渡るけど

 

みんなの事は忘れません。

 

いつでもみんなが仲良く暮らせるように

 

守ってあげるからね。

 

僕と一緒に過ごした楽しい思い出を

 

どうぞ胸にしまって時々は僕の事を

 

思い出してください。

 

そして・・・さようなら」・・・って。

 

お坊さんのお経はもう終わっていました。

 

ペットのためのお彼岸のお別れの式が

 

終わりに近づいてきました。

 

でもその子の家族はまだ誰も来ていない。

 

その子は涙をこらえて悲しそうに

 

もう一度後ろの入り口を見ました。

 

ボクは祈りました・・・「あの子の家族が

 

来るかもしれないからどうかもう少し

 

待ってあげてください。」

 

ほかのペット達はみんなうれしそうに

 

もうすでに虹の橋を渡り始めました。

 

そろそろその子の順番が来ます。

 

その子はじっと涙をこらえながら後ろを

 

振り返るのをやめて下を向いた、

 

その時でした・・・

 

息をはーはー言いながら小さい女の子が

 

後ろの入り口から入って来ました。

 

そこにいた人たちがみんな一斉に振り返ります。

 

その子は一生懸命にここまで走って来たんです。

 

お別れの式に間に合うように。

 

それを見たそのワンちゃんは肩を

 

震わせてそして涙笑いになりました。

 

ワンちゃんは涙でくもった瞳で

 

うれしそうにその女の子に笑いかけました。

 

その笑顔に胸の中の想いのすべてを込めて。

 

その女の子もにそれが分かりました。

 

だからそのワンちゃんに笑い返したんです・・・

 

涙顔で。

 

そしてそのワンちゃんは虹の橋を渡る

 

ほかのペット達の列の一番最後に

 

ついて行きました。

 

何度も何度も後ろを振り返りながら・・・

 

昨日あたりはこんな光景が

 

きっとたくさんありました。

 

 

イッピーの独り言

(みんなの声が届くといいな・・・グッド!