みんな元気ですか
昨日の続きだよ
僕たちはスカルが見せてくれている未来の地球を見ている。
スカルの光はだんだん強くなってきていた。
見えている景色の中の太陽の光が強いわけじゃない。
それは精霊に分かる光。
人間や、植物や、動物そして鉱物が発する命の光。
それに地球上の景色はどこかそれ以前と比べると違っていた。
僕たちはすぐにその理由が分かった。
ビジョンは景色を上から見下ろすアングルになっている。
そうなんだ・・・
上から見るとビルや家屋がほとんど見えないんだ。
僕たちは家が地下に潜ってしまったのかと最初は思った
でも違った。
普通の家にも屋上や屋根に緑がいっぱいだった。
上から見るとまるで森の中に都市が隠れている様に見える。
家自体が植物の助けを借りて最大のエコロジーの効率を
上げられるようになっていたんだ。
この都市自体が金星の都市と建造物をヒントに造られていた。
最初にスターチルドレンが設計したんだ。
この頃は才能があれば子供のアイディアでも検討され
内容がよければすぐに実行に移されていた。
だってそれは単純な子供のアイディアではない。
他の星の友人たちの助言に基づいたものだって
みんなが知っていたから。
大人とか子供とかの区別も社会に貢献すると言う意味では
才能があれば同じ扱いだった。
海と陸と森と都市の景観が素晴らしい調和を見せていた。
都市自体が一つの意図をもったアートだった。
現代のものとは全く意味が違う。
僕は未来の自動車を探した。
地上を走っている車はほとんど見られない。
しかし時々丸い半球のような形をしている車を見かけた。
それが時々空中を飛ぶような感じで走っている。
だから道路自体が昔と違っている。
道路は森にすむ動物たちの事にも最大の配慮がされている。
森と森を分断するような高速道路は見当たらない。
この頃は人間の都合だけの都市設計は姿を消していた。
車もそんなにスピードは出ていないし、
すごく優しい走り方をしてる。
多分最大の安全と環境に配慮しているんだと思う。
遠くに行くときは別の交通機関を利用しているみたい。
それがどのようなものなのか見えている
範囲では分からなかった。
ここで僕たちはいったんお休みをとることにした。
何しろ地球の時間で言ったら何百年のビジョンを
一挙に駆け抜けるような感じだった。
それでも精霊の大容量情報電送方式のビジョンだから
実際の時間はそれほど経ってはいない。
多分地上時間の2時間くらいだろうと思う。
ここでみんなが考えていたことをジュヌビエーブが提案した。
「私たちのエネルギー統合は正しい方向に
向かっていることがほぼ分かったわ。」
僕とラヒーリオが二人で大きくうなずいた。
だってそのためにこれを見る必要があったんだから。
「これをほかの仲間の精霊たちとも分かち合うことは
とても大事なことだと思うの。」
「私たちがそうだったように、ここにいないみんなも
そのことを心配をしていると思わ。」
もちろん僕もラヒーリオもほかの仲間とこの
壮大なビジョンを分かち合うことには大賛成だった。
三人がマチュピチュの精霊ケチュアの顔を見た。
彼にも異存はなかった。
でも・・・どこでこれを見るの?
どうやってこのスカルを運ぶの?
このスカルは外に出しても大丈夫なの?
それは3人の同じ心配であり疑問だった。
しかし精霊ケチュアはこともなげに言った。
近くに水晶の鉱脈がある場所ならそのエネルギーを借りて
このビジョンを見ることが出来ます。
しかも精霊だけでなく人間にも見えるように
設定することも出来ます。
それに私ならこのスカルを運ぶ事はわけもありません。
さすがクリスタルスカルを守る精霊ケチュア、
「なるほど・・・」と僕たち。
それがこの部屋の壁が水晶で張り巡らされている理由だった
と言うことに気付いた。
クリスタルスカルにはたくさんの水晶の
エネルギーが必要だったんだ。
ジュンが一つの提案をした。
「日本の広島はどうかしら・・・」
「いちきしまのひめのみことはこのエネルギー統合の
きっかけを作ってくれた人よ。」
「イッピーが最初にみんなを集めてエネルギーを
統合することを決意したのも彼女のおかげなのよ。」
「彼女のいる安芸の宮島は広島。
そして広島には巨大な水晶の鉱脈があるの。
それに彼女は私の大切な友達。
みんなそこに来てもらいましょう。」
ボクはなんだかすごく嬉しくなった。
またあのちょっとだけ強気だけどすごく綺麗な
いちきしまのひめに久しぶりに会える。
でもボクには一つ心配があった・・・
「マウイのクプナはどうするの。
彼女は人間だからすぐにはこられないよ。」
ラヒーリオはこう言った。
「大丈夫。僕が彼女の幽体を連れて来るから。
その方が彼女も身軽なんだよ。
彼女は十分幽体離脱の経験も積んでるし。」
そうか、その手があったのか。
僕たちはすぐに世界中に飛んだ。
みんなをヒロシマに集めるために。
だがみんなが期せずしてヒロシマを選んだ
大きな理由がほかにもあった。
僕たちはそれをこの時は知らなかったんだ。
続きはまたね・・・
(いちきしまのひめに会うのはひさしぶりーイッピーうれぴー・・・わくわく)