過去にHBOで3シーズンにわたって放映されたthe Newsroomという番組について、面白いことがInstagramに掲載されていました。
女子学生が「なぜアメリカが世界で最も偉大な国だと言えるのか」と質問し、それに教授たちが答えるという場面でした。多様性、様々な機会が与えられること、自由など教授たちの口からはよく聞く言葉が発せられていたのですが、突然、Jeff Daniels扮するニュース番組のアンカーがアメリカは世界で最も偉大な国などではないと猛烈な早口で語り始めるのです。
彼が指摘するのは私たちもよく知っている事実です。自由ということを言うなら、アメリカ以外にもたくさんの自由な国があること、そして識字率の低さ、数学や科学の能力の低さ、寿命の短さ、幼児の死亡率の高さ、家計の低さなどは、偉大な国とは程遠いことなどです。アメリカが世界一であるのは、国防費、エンジェルの存在を信じている大人の数、牢屋に入っている人の数などだと言うのです。
トランプ政権の政策を見ていると、上記の現状をよくするどころか悪化させるとしか思えません。
もちろんアメリカにはイノベーションを促進する優れた頭脳を持った人たちも多いことは確かですが、国民全体を見渡してみると厳しい現実が見えてくるわけです。だからトランプのような人間を大統領に選んでしまうのだ、と私は言いたいくらいです。
これと対照的なのは、シチリア出身の若いイタリア人男性の言葉でした。これもInstagramで見たのですが、彼は気候も良く食べ物も美味しい天国のようなシチリアを去ってアメリカに移住したのですが、その理由を次のように説明しています。それは何か新しいことをやろうとしてもあまりにも伝統の縛りや多くの規制が強すぎて何もできない、イノベーションなど不可能なくらいの保守性だと言うのです。
確かにイタリアをはじめヨーロッパを見渡すと、アメリカが多くのイノベーションを牽引しているのに対してかなりの遅れをとっていることがよく指摘されます。でもそれは本当に良くないことなのか、最近疑問に感じています。
規制も少なく自由に新しいことができるのは確かに素晴らしいことですが、その結果Elon Muskに代表される大金持ちが出現し、それが悪さをする、政治を左右して自分たちの利益をますます増大させていくことがいいことなのか。アメリカには素晴らしいところがたくさんあり、アメリカに留学した学生の多くが日本では得られない自由な環境に喜びを感じるのは事実です。私もかつてそんな風に感じました。
でも最近のアメリカは本当におかしくなってしまっているので、ニュースを見るのも嫌だし、トランプの顔など見たくないからテレビをますます見なくなっています。
そのかわりにローマを始めイタリアの様々な街の風景や建築、美術、音楽に心を奪われています。今年の私のカレンダーは、毎月イタリアの各地の写真が掲載され、しかも一日一枚の写真で毎日変わる風景を楽しめるものなのです。イタリア語も毎日勉強していて楽しくて仕方ありません。
アメリカは超大国の民主国家として長所もありますが、独裁者プーチンと手を組むようになってはおしまいです。アメリカ以外にも優れた文化を持つ国はたくさんあるわけですから、もっとそういうものに目を向けた方がいいかなと思っています。イタリア語を学び初めてそんなことを強く感じています。

