アメリカの時計 リー・ボーム 2幕 | てんてんてん

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矢崎広さんが大好きです。
Twitter @shuri_nn

2幕が始まる前に役者さん達が出て来て椅子に座ります。矢崎さんは中央寄りの椅子に座りお父さん役の中村さんと何かお話されてました



2幕はローズが大切にしていたピアノを持って行かれるシーンから始まります



リー達の大学の卒業のシーン

リー君大学に行ったのね。友達と卒業後の仕事についてとか、大学生は歯の治療がタダでできるとか、そういう話をはしゃぎながらしています。この時代学生はいろいろと優遇されていたようです。夢を語りはしゃいでいるけど皆不安は抱えてて…



リーがポォーポォーと言いながら汽笛を鳴らすマイムをして次の場面に変わります

リーは卒業後は船で働いています。この場面戯曲では上半身裸と書いてありましたが実際には白いタンクトップでした。残念w。鍛えた身体にタンクトップ姿がいかにも船で働いている人らしくてかっこよかったです♡



お母さんに宛てた手紙を読むリー 

今起きている事、今考えている事を手紙に書いているリー。この頃は革命に手を貸したいと思っているリー。その手紙を読みジャーナリストになりたい息子の行く末を心配するローズ



イザベルとジョーのシーンでは矢崎さんが後ろでスイカを用意している所が見られます。矢崎さんはずっと舞台上にいるのでこんなレアな姿が見れます


アイザックの店でのシーン

一切れ15セントするスイカを食べてるリー

これは稽古場動画ですが、これくらいの大きさのスイカ(もう少し大きかったかな)を皮までしゃぶるように食べます。不勉強で今だとどれくらいの価値なのかはわかりませんが、リーの食べ方を見るとかなり高いんだと思います

このシーンで話題になったスイカの種まで食べるリー。ファンイベやよるステでスイカの種の質問がありました。矢崎さんは煩わしい食べ物が面倒くさく元々スイカは種ごと食べていたそうで、長塚さんから種を食べられるかなと言われても大丈夫だったそうです。お腹が痛くなる事もなかったそうですw

スイカの汁がついた手や腕を水道で洗い流すリー。舞台上にある水道は飾りではなくちゃんと水が流れていました



お父さんと救済事務所に行くシーン

仕事を斡旋してもらうためには生活保護を受けないといけないので父子で口裏を合わせ救済事務所に行きます。お父さんは以前の価値観が抜けずにいるのでリーはこれまでも何度も説明をしているようです


2人が待っている間に主義主張をする人がいろいろいます。途中体の具合が悪くなる人も…



リー達の順番が来て、役人にいろいろ聞かれて話しているうちにリーは何も信じていないと激昂するお父さん

周りの人皆びっくりしてるけど、こんなに声を荒げるお父さんを見た事無かったのかリーが1番びっくりしてるかも。その甲斐あり無事生活保護を受けられます



エディとのシーン

エディはスーパーマンのセリフを書く仕事をしている女の子

リーは自分のアパートメントを持っている女の子なら誰でも美人に見えました(おいおい、かなりひどいぞ)と言ってるのでどうやら女の子のアパートに転がり込んでいる様子


リーは寂しいと言ってエディに迫りますが相手にしてもらえません。エディ何故?あの顔であの目で切なく寂しい言われて心が動かないなんてどゆこと??


エディは理想と主義があってリーにもそれを求めます。が、リーは現実を見ていて2人の意見はすれ違います。自分の主義を語るエディを見て綺麗だと言うリー。エディうらやま…だけど聞いてる?リーよ


キスされてエディはちょっとその気になるもののそんな人だと思わなかった、あなたは何も信じていないと拒絶します

なんでぇーー???そのポジション変わってえーー!

主義がなくても何もしなくてもリーが家にいるだけでいいじゃぁーーん!

いやいや、このシーンはそういう事ではないのはわかっています。が、ついつい…



お母さんへの手紙のシーン

自分の近況報告をするリー。そしてお母さんの言う通り過去を振り返っても仕方ないと言うリー。もう革命とか思想については書いていません

ジャケットのポケットに10ドル札を入れてくれたのはお母さんだよね、状況は良くなっているのか本当の事を教えてくれというリー。お母さんと息子どちらも大変な状況にありながらも相手を思いやっていて切ない



大人になったリーはスポーツライターの夢を叶えていて、取材に来ていたボクシングの試合会場で声をかけられます。それは警備をしていた従兄弟のシドニー。シドニーとの会話で両親が他界している事、学生時代の友人達が他界している事、リー達が住んでいた家の事などがわかります。話からシドニーはそのまま地元にいるけどリーはどこか別の所に住んでいてその当時の人達とは付き合いが無いようです



リーがお母さんへの想いを語るシーン

母の激しさはアメリカによく似ていた……母の事を考えるといつも思い知らされるのはあの溢れんばかりの生きる力!

このシーン、リーのお母さんに対する愛の大きさに胸が締め付けられます

お母さんに宛てた手紙のシーンもこのシーンもリーの胸に浮かんでいる思いや情景が見えてきてすごくすごく気持ちが伝わって来ます。涙涙です



ローズが歌い、女性達が歌い、それを男性達は笑顔でリーは軽く口ずさみながら見ている。リーの歌声は聞こえないので口を動かしている感じです


大恐慌の激動の時代に生きてきた人達の辛い思いがたくさんある話だし、ロバートソンの最後のセリフ「お続けください」が突き刺さるのですが、この歌のシーンによって救われるというか後味良く見終われました



カーテンコールは2回。2回目は最後に矢崎さんが下手にシルビアさんが上手に残りお辞儀をしてはけます。

ブラボー👏ブラボー👏ブラボー👏👏

ずっしりと良い作品を見た!演劇を見た!という満足感でいっぱいです



劇中何度も何も信じていないと言われるリー。矢崎さんがよるステで、当時思想や主義がたくさんあってアメリカの人達がそこに走っていく中、リーはお母さんを信じていた、家族を信じていた、母親はアメリカと似ていたつまりアメリカという国を信じていた、周りの人たちを信じるのではなく国や家族や漠然と言葉にできない物を信じていた、というのが今の矢崎さんの答えだとおっしゃっていました


リーはお母さんという自分の土台となる物を信じてたので何が起きても自分の考えで柔軟な生き方ができたのかな。価値観や信じる物から抜け出せなくてもがいている人達の中で真っ直ぐ立ちひたすらに前を向いてしなやかに強く生きるリーは光でした



見終わった後の余韻がすごくて、日が経ってもいろいろと考えてしまう作品に出会えてとても嬉しいです。見る時によって受け取り方が変わるんだろうなと思います。映像が残っていれば年月が経っても見れるのに。映像が残っていないのがとても残念です。


キャスト皆さんがとても素晴らしい中、真ん中に立つ矢崎さんを見る事ができたのもとても幸せです

矢崎さんのお芝居によって伝わる物の大きさをあらためて感じ、役者矢崎広が大好きだと今まで以上に思いました


またKAATの作品、長塚圭史さん演出の作品に出演して欲しいです

関係者の皆様、心に残る作品をありがとうございました