◼️目玉はCD4です



Artist:Yes

Title:Fragile Super Deluxe Edition

Year:2024


『こわれもの』スーパー・デラックス・エディションを公開されたばかりの深夜、早速サブスクで聴きました。

(購入検討の参考にしてください)


【CD 1 / オリジナル・アルバム・リマスター】

【CD 2 / リミックス&インスト】

2024最新リミックス

2024インストミックス

2015年のPanegyric盤BDでもカラオケはありました。


まあ、このあたりは「おっさんホイホイ」ですから、そんなに期待はしていませんので、後回し。

スティーヴン・ウィルソンが以前アナログ・マルチ・マスターから新しいデジタル・マルチ・マスターを作ったので、いくらでもリミックス盤を制作できますからね。

それに前回「Definitive」と謳ったのにまた出すのはどうなのよ(苦笑)


Classic Album Review(YouTube)より



【CD 3 / レアリティーズ】

M1「Roundabout」M2「Long Distance Runaround」 のUSシングルは、Special Sampler CDや懸賞CDに収録されていましたが、通常盤CDでは多分初収録です。

(サブスクでも聴けるアナログの『Yessingles』には、「Roundabout」のシングル・ヴァージョン 3:29が収録されています)


M3 - 8とM13は2015年のPanegyric盤Definitive Editionで既発の音源です。


M11とM12はリマスターされていますが、2004年のライノ盤(Expanded & Remastered)に収録されています。


したがって、未発表曲は短縮編集された下記2曲だけになります。
M9「Long Distance Runaround」

(Steven Wilson Edit)3:29
M10「Heart Of The Sunrise」 

(Steven Wilson Edit)4:07

「レアリティーズ」と言う割には未発表曲がエディット違いだけとは、物足りませんね。


Classic Album Review(YouTube)より



【CD 4 / モア・レアリティーズ&ライヴ】

このディスクには未発表音源がてんこ盛りです。


M1「Five Per Cent For Nothing」 別バージョン 0:45

冒頭ビルのカウントが聞こえるので、スタジオ・ランスルー(一発録り)です。

リックのキーボードが入っていません。


M2「Heart Of The Sunrise」 別バージョン 10:40

発表されたバージョンと大きく異なるわけではありませんが、ハウのギターが全く違います。メロトロンのサウンドもくすんでいます。ジョンのヴォーカルやリックのピアノも別テイク。


M3「Long Distance Runaround / The Fish」

別バージョン6:03

一聴してわかるのはヴォーカルのバックに聴き慣れないシンセが入っていること。途中のギターやThe Fishのバックのベースリフも異なっています。エンディングも異なっていますが、終わり方を聴くとスタジオ・ランスルーのようです。


M4「The Dean」3:46

スタジオセッションのような録音ですが完全なる未発表曲です。

リックのピアノにジョンの「ソウルフル」なヴォーカル、スティーヴのジャジーなギター、ビルのドラムス。ちょっと面白いです。


M5「America」Instrumental Remix 10:31

インストだけの「カラオケ」です。自分は全く面白いとは思いませんが。


そして聴く前から興味津々だったのは、以下のライヴ音源3曲です。
Live at the Academy of Music, NYC (2/19/72)

ビル・ブルフォード入りの「こわれものツアー」北米2日目ニューヨーク・シティ公演から。

M6「Long Distance Runaround / The Fish」
M7「Perpetual Change」
M8.「Yours Is No Disgrace」

『イエスソングス』に一部しか収録されていないビルの演奏は貴重ですからね。


『イエスソングス』の元となった1972年のリール・テープ はノースウエスト航空の倉庫で発見されて、1998年にバンドに返還されました。1972年2月19日公演も含まれています。(テープリストはコチラ

このうち、アラン入りの「危機ツアー」の7公演はレストアされて2015年に『Progeny』としてリリースされましたが、ビル入り「こわれものツアー」の3公演は未発表のままです。


本作のM8は完全に未発表ですが(『The Word Is Live』に収録された「Yours」は1971年のロンドンでの収録でした)、M6とM7は収録日が明らかになっていない『イエスソングス』に収録されたバージョンと果たして同じなのか、違うのか?聴き比べてみました。

すると・・・完全に別テイクでした!

つまりこのライヴ3曲は完全に初登場音源であり、『イエスソングス』に収録されたビル入り2曲は、以前噂されていた1972年2月19日の収録ではなかったことが今回わかりました。


ただしライヴの音質はやや厳しく、『イエスソングス』ほど良くはありません。元音源は何でしょうね。リールをレストアしたわけではなさそうです。


M6は頭が欠けていますが、クリスの高音のベースソロはなかなかぶっ飛んでいます。

ビル入りの「Perpetual Change」(M7)はいつ聴いても良いですが、残念ながらお尻が切れています。

M8、この時期のスティーヴのソロはいつも激しくて良いのですが、この曲ではトニーのハモンドが恋しくなります。最後のアンサンブルに入る箇所ではスティーヴのギターがレコードのように左右にパンしてます。弄ったのかな?


この時期のライヴ(こわれものツアー)は単独公演ではないので、長いセットはやっていないと思われますが、「燃える朝焼け」や「ラウンドアバウト」は演奏しているはずです。

できれば『Progeny』のようにリール・テープをきちんとレストアして公演完全収録でリリースして欲しいものです。



結局新しいLPやBDのドルビー・アトモスを除けば今回の目玉はDISC 4ですね。

Panegyric盤を持っていてLPやBDが不要であればCD1枚のためにセットパッケージを買うことなります。


イエスのバックカタログを購入したアトランティックは、投資回収するために、スティーヴン・ウィルソンがデジタル・マルチ・マスターを作成した残りの『危機』『海洋地形学の物語』『リレイヤー』の3タイトルも販売不振でなければ「スーパー・デラックス・エディション」としてリリースすると勝手に予想しています。

このペースだと、次回は来年の2月頃でしょうか。


国内仕様は7月10日発売(封入特典あり)です。

https://wmg.jp/yes/discography/29535/


追記 :

YouTubeに全曲上がっています。

https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_lkZ-g8RCGEfYfuQD-LPmSF_g5u8RIFPnI&si=c8X6eojgkQ-ChvtM


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