◾️レコードの達人 



入梅したのにお天気が良かった土曜日、レコードを高級オーディオ&大音量で聴く「レコードの達人」のイヴェントに再び参加しました。

ピンク・フロイド『狂気』の最新盤とマト1を比較試聴すると言うので聴きに出かけました。

今回はCDは登場せず、全部レコードの回です。

前回一緒に参加した友人は、新日本フィルのコンサートに行く予定があるので単独参戦。終わったら昼間から飲めるお店に一人でも行く気満々🤣




【狂気】

実際の順番は無視して、まずはお目当ての『狂気』の試聴について。

「タイム」の冒頭の時計の音を聴き比べるという非常にマニアックな比較試聴でした(笑)


一回戦は今年4月に出た最新のクリア・ヴァイナル2LP(片面がUVプリントされた33rpm)が二つ。

一つは市販盤で、もう一つは見本盤。

ブラインド試聴では何故か見本盤が圧勝!音が違うのが不思議と言えば不思議です。


二回戦は勝利した上記見本盤と昨年(2023年)リリースされた50周年記念盤1LP。

そして二回戦の勝者が決勝でUK盤マト1(ブルー・トライアングル)とブラインド対決。


結果は、「マト1」の優勝でした。

そして決勝進出したのはクリア・ヴァイナル見本盤の方でした。

昨年出たばかりの50周年記念盤とちょっとだけ後に出たクリア・ヴァイナルと差が出るのもオカルトですねぇ。

LP目当てに高いボックス・セットを購入したファンは気の毒かも。

出来立ての若いマスターテープからカットされたブルー・トライアングルは流石の音の広がりですが、高齢化したマスターから作成された最新のクリア・ヴァイナルも敗れたとはいえ、かなり良い音でした。ピンク・フロイドのアナログファンは買う価値ありではないでしょうか。

勝者が決定後、改めて優勝した「マト1」の「タイム」を完奏して堪能しました。



なお今回は対戦がなかったマト1と50周年記念盤2023との斎藤さんによる比較試聴記事がコチラにあります。


『狂気』の比較試聴にはオマケがあって、斉藤さんによると「マネー」では50周年記念盤2023とクリア・ヴァイナルに「タイム」以上の大差があったので、ぜひ皆さんに聴いていただきたいと急遽追加対戦。

今度は「キャッシュ・レジスターの音」でブラインド比較試聴です(笑)

斎藤さんの言葉どおりクリア・ヴァイナルが圧勝しました。



【ディープ・パープル】

『マシン・ヘッド』(1972)より「スモーク・オン・ザ・ウォーター」

マト1と50周年記念のスーパー・デラックス・エディションのリマスター盤が対戦し、リマスター盤が僅差で辛勝しました。

同時期のツェッペリンのアルバムや『ザ・イエス・アルバム』(1971)に比較すると、自分はこのアルバムの録音があまりよくないのではないか、という印象を持ちました。サーセン。




【リトル・フィート】

「Willin’」(1971)のUSマト1、日本盤、リマスター盤が登場。

リトル・フィートの演奏は矢野顕子さんのデビュー・アルバムくらいでしか聴いたことがありません。

ザッパ・バンドに居たローウェル・ジョージがこの曲をフランク・ザッパに聴かせたところ、「君はもう一人で自分のバンドをやっていいよ」と言われたそうです。

岩田さんによると78年に初来日した時に、野球の好きなリトル・フィートは矢野顕子さんのチームと野球の試合をしたとか。

そして「アメリカで一番演奏が上手いバンド」だと思う、と言われていました。(二番目がザ・バンドでドゥービーとイーグルスが続くのだと)

ブラインド対決の勝者は、オリジナルの数年後にリリースされた日本盤でした。日本盤は2000枚しか売れてないのでマト1を買える可能性が高いそうです。


「Day At The Dog Races」という曲(インスト)も完奏で聴かせて頂きました。フュージョンのようなカッコいい曲でした。こんな曲もあるんだ。



【一番音の良いレコード】

スティーリー・ダンの「Aja」を色々と聴いたのですが、UHQR LP(45rpm2LP)を聴いてぶっ飛びました。

今まで聴いた中で最高に音が良いレコードでした。まぁ録音やマスターも当然良いのでしょうが。

例のAnalogue Productionsが出しているようです。

調べたら発売価格が3万円級の高価なレコードですが、好きな方には法外な古いマト1を買うより良い買い物でしょうね。でも自分はスティーリー・ダンは聴きません。サーセン×2。


装丁もかなり立派。ハードボックスに入っています。



新津章夫・マイルス

比較試聴じゃないコーナーも。

岩田さんが制作に関わった日本のギタリスト新津章夫さんの再発された不思議な作品「From Eternityなんたら」(サンタナの例のアートワークを当時800万円のギャラで描いた横尾忠則さんが、アルバム・ジャケットをタダ同然で描いてくれたとか)を聴いて、最後はマイルス・デイヴィスの『Jack Johnson』(1971年のスタジオ作品)より「Right Off」を演奏。

ジョン・マクラフリンのギターが大活躍する曲ですが、尺がなんと27分弱!プログレかい!(笑)



次回は8月17日(土)だそうです。

アナログ、CDのほかにネットワーク配信(ハイレゾ?)も聴けるかもしれないとのことでした。





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