◾️昨日のポッドキャストのインタビューです。



合計26分もある長いインタビューなので、ストルトが喋った内容を抜粋してまとめました。


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スウェーデンでは、今日(5月1日)は休日のようなものだ。すべてが閉まっているから私はいつものようにスタジオで仕事をしている。


【過去作品で際立っているもの】

それを言うのは本当に難しい。正直なところ、それは時間の経過とともに変わっていくものかもしれない。

17歳か18歳くらいのときに、初めてカイパとレコーディングするためにスタジオに入った。カイパのアルバムにそれほど誇りを感じていなかったんだ。自分にはもっといいものができると思っていたから。

でもカイパは、とてもメロディアスでプログレッシヴなシンフォニック・ロックで、当時持っていたキーボードをなるべくたくさん使って演奏した。キーボードにオーケストラを組み込める時代じゃなかったからね。当時はハモンド・オルガンがあって、エレクトリック・ピアノもあったかもしれない。運が良ければ、ストリングスや合唱団と一緒にメロトロンを使えた。

私にとって、とても重要な時期だった。とても若く、とても愚かで、とても無知だった。


【曲作り】

インスピレーションが湧いてくることはある。実際、今日も新曲を作っていて、アイデアがどんどん浮かんできた。それが頭の中で聞こえてくるから、すごく幸せな気分になるんだ。

現代はシンセサイザーやキーボードがあるから、とても簡単だしね。私の周りにもキーボードがたくさんある。ギターを手にすることはめったにない。

曲のデモが完成したら、もちろんギターを手に取り、ギターのラインを書く。でも、最近はほとんどピアノで作曲している。


歌詞に関しても、昔はちょっと苦労したかな。でも今は、ただ音楽を聴いて、その音楽に合わせて歌う。

そして出てきたものを後で直したり書き直したりする。

リハーサル・ルームで、一緒にジャムって、いいところを選び出すんだ。U2だってそうだし、イエスやジェネシスだってそうだ。でも、U2のようなバンドや、フランク・ザッパのようなやり方を持っているバンドは少なかったと思う。


【音楽に対するアプローチ】

わからないんだ。ただ何となく。つまり、感覚なんだ。「糸のような何か」なんだ。

つまり、自分の存在、人生、家族、すべてを経験して、今、私は70歳になろうとしている。1956年生まれなんだ。

だから、人と一緒に演奏したり、人に会ったり、ファンに会ったり、家族の中にいたり、友人と一緒にいることから学ぶんだ。私はいつも、ポジティブな面を持つように心がけている。ニュースを見れば、悲しいニュースばかり。でも、いいこともあるんだよ。

友人や家族、ファン、私の場合はファンに敬意をもって接すること。そして、バンドをやっている状況でも、バンドメンバーには敬意を持って接し、ポジティブで良いことに目を向けるようにする。だから、私にとってはとても自然なことなんだ。


【一番古い音楽の記憶】

ラジオかな。記憶では、レコードプレーヤーを買ったのは67年かそこらかな。でも、その前はレコードプレーヤーすらなかった。だからラジオがあった。

ラジオをつければ、実にさまざまな音楽が流れていた。同じチャンネルでクラシックも聴けるし、スパイク・ローンも聴けるし、フランク・シナトラも聴けるし、ビートルズも聴けるし、ロックも聴けるし、もちろんエルビス・プレスリーも聴ける。ラジオを聴いていると、メロディーが聞こえてくる。

フランク・シナトラのような人たちの曲も聴いたし、ナット・キング・コールのような大編成の曲も聴いた。ドビュッシーやワーグナーもたまに聴いたよ。ビートルズ以前のポピュラー音楽はビッグなものだった。

ラジオで「21世紀のスキッツォイド・マン」を聴いたのを覚えている。あれはちょっと怖かったよ。私と弟の部屋に小さなラジオがあって、午後の遅い時間だったんだけど、ラジオをつけたら何か流れていて、歪んだ声とギターの音のあの曲を聴いたんだ。

もちろん、ジミ・ヘンドリックスはその前だったし、ヴァニラ・ファッジとかもそうだったけど、キング・クリムゾンを聴いて目が覚めたよ。


【音楽のアイデア】

あまり考えていないことだけどね。ただ、自分のやっていることをやっていて、アイデアが浮かんできて、自分のコンピューターや、持っているすべてのハードディスクに入っているようなものなんだ。

数えたことはないけれど、おそらく20~25個のハードディスクがここにあって、たくさんのアイデアが詰まっている。もちろん、全部を使うわけじゃないけど、アイデアを思いついて、そのうちのいくつかは実現させるし、いくつかはバンドに提示する。昔は曲を書くときに、曲を作って、トランスアトランティックに提示して、バンドのメンバーがその中から何曲か選んでくれた。特定のプロジェクトのために腰を据えて作曲することはめったにない。ただ、作曲を楽しんでいるんだ。


【現在のバンドメンバーについて】

最近は、私とギターとヴォーカルのハッセ・フレベリで、彼はほとんどバンド結成当初からのメンバーだ。彼は1996年にバンドに入ったと思う。それから、私の弟でベースを弾いているマイケル・ストルトは、バンド結成当初から在籍していた。ジョナス・レインゴールドが何年もいたけど、マイケルが2、3年前にバンドに戻ってきて、今は彼がベースを弾いている。それからミルコ・デ・マイオというイタリア人ドラマーがいる。

ラレ・ラーソンは、AOMやカーマカニックといった他のバンドで一緒に演奏してきた古い友人で、素晴らしい。素敵な男で、とても才能がある。彼の昼間の仕事は、実はABBAの音楽を演奏することなんだ。ABBAは世界中で大人気だからね。彼は今アメリカでツアーをしていて、年に5、6回から7回はアメリカに行ってABBAの曲を演奏している。


【旧譜の再発とライヴ】

フラワーキングスの全カタログがリマスターされて、レコードとCDでリリースされた。だから自分にとっては、古いアルバムを振り返るようなものだった。長い間聴いていなかった曲を聴くことができた。

そして、これはライヴでやるべきだと思ったんだ。それにマイケルがバンドに戻ってきたことで、彼が在籍していた頃に演奏していた曲を演奏するのは自然なことだと思ったし、初期のフラワーキングスのサウンドを再現しようと思ったんだ。派手すぎたり、フュージョンに傾倒しすぎたり、あるいは洗練されすぎたり、プロフェッショナルになりすぎたりしたことで、私たちは何人かのファンを失った。全員を満足させることはできない。


イエスやジェネシス、初期のジェネシス・アルバムを振り返って、ピーター・ガブリエルの声や演奏方法を聴くと、音は良くないけど、そこには何かマジックがある。おそらくファンも私たちのバンドを同じように見ていると思うんだ。昔のアルバムにはマジックがあるし、最初のアルバムをリリースしてからもう25年も30年も経っている。だから、戻るのはとても自然なことだと感じたんだ。


正直なところ、好きなバンドというのは常に存在するものだが、イエスを好きでなくなったこともあったし、彼らがあまり好きでないアルバムを作り始めたこともあった。フランク・ザッパもそうだ。ジョニ・ミッチェルにも愛想を尽かしたこともある。ジョニ・ミッチェルは大好きだったけど、いくつかのアルバムは、まあまあかな、と感じたんだ。

でも、後で新しい耳で聴けば、いつでもつながることができる。フラワーキングスの音楽はすべて、誰もがもう一度体験したり、その時聴かなかったアルバムや好きでなかったアルバムともう一度つながることができる。

『レインメーカー』を聴き直してみたり、『アダム&イヴ』を聴き直してみたりして、何曲か気に入った曲が見つかるかもしれない。私たちは何枚もアルバムを出しているし、どんなバンドでも聴くことができる。


【今後の予定】

今週は曲を作っている。たぶん2、3日したら、しばらく中断して、ちょっと休憩して、曲作りに没頭する。

新しいライヴアルバムがリリースされるが、インサイドアウトを通してはできないことなんだ。だから時々、過去には自分のレーベルからライヴアルバムを出したこともある。

リリースされるもう1枚は、信じられないかもしれないけど、35年前にレコーディングを始めた女性オルガン奏者(注.メリット・ヘミングソン)との作品なんだ。

レコード会社を回ったけど、どこも欲しがらなかった。

ワールドミュージックのような雰囲気だ。ハーディ・ガーディのような変わった楽器もたくさんあって、ハーディ・ガーディを知ってる?中世の楽器、管楽器とかね。

時にはフォーク・ロック・ミュージック、時にはとてもアンビエントな音楽と幅広い。美しい録音だよ。半年前にリリースすることを決めたんだ。素晴らしいサウンドがここにある。だから自分のレーベルからリリースすることにしたんだ。それが今の私のオフィスワークのようなものだ。

それから、次のフラワーキングスのスタジオアルバムのために何曲かレコーディングすることを検討し始めるつもりだ。


【音楽フェスなど】

7月中旬にヨーロッパのいくつかの音楽フェスで演奏する予定だ。ローレライ・フェスティバルは、川沿いのクラシックなローレライのようなものだ。何度もそこで演奏しているし、U2から何から有名なアーティストもたくさん出演している。実はトランシルヴァニアでもフェスティバルをやるんだ。数年前にトランスアトランティックと一緒に演奏したんだけど、とても大きなフェスティバルだ。だから、1万5千人とか2万人の前で演奏できる。メタルやハードロックが中心だけど、プログレッシヴ・ロックのようなバンドも1組ある。

8月にはヨーロッパでフェスティバルをいくつかやる予定だ。さらにドイツでは、夏に野外フェスに出る。それは本当に素晴らしいことだよ。

それから、去年からフラワー・キングス・デイズも始めたんだ。バンドの演奏を聴いたり、バンドに会ったり、写真を撮ったり、グッズを買ったりできるんだけど、普段はバンドが演奏しない曲を特別に聴くこともできる。ジャムることもあるし、外部の人を呼んでバンドと一緒に演奏してもらうこともある。アコーディオンやシンガー、パーカッショニストを招いたフラワー・キングスの大きなバージョンみたいなね。ヨーロッパのいくつかの都市でもそうするつもりだけど、それは10月ごろだと思う。


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