◾️スティック・メンで演奏できなかったトニー・レビン



2024年3月22日

By Ryan Reed(Ultimate Classic Rock)


元キング・クリムゾンの男たちは、3月8日から13日まで出航したクルーズ・トゥ・ザ・エッジ2024でブレイクすることができなかった。

それでも彼らは、ビュッフェでアイドルを見るだけで満足するような、オタクで熱狂的なファンでごった返す客船で、プログレの温かい輝きを広めることを止めなかった。


マイアミからコズメルへ向かうノルウェージャン・クルーズ船で最も上品な会場であるスターダスト・シアターでは、エイドリアン・ブリューが信頼できるトリオを率いて、クラシックなフィンガーブレーカーやムードを変えるソロカットを披露した。

しかし数日後のプール・ステージでは、ブリューの技術的な問題は深刻だった。

「フレーム・バイ・フレーム」と「ヤング・ライオンズ」での相変わらずの爆笑テイクの間、バンドは新しい電池とコンプレッサー・ペダルの交換を含む解決策に奔走した。


ブリューの元クリムゾンのバンドメイト、トニー・レヴィン(自身のトリオ、スティック・メンでも参加)は、彼の信頼する低音マシン、チャップマン・スティックを携えて、万雷の拍手の中、夜風の中を歩いていった。

しかし、ディシプリンのアンセム「Elephant Talk」では技術的な問題が長引いたようで、少なくとも観客の前方では彼の特徴であるファンキーなリフがまったく聞こえなかった。少なくとも観客の前方では、彼の特徴であるファンキーなリフがまったく聞こえなかったのだ。

「I Fix Stuff, and I Know Things」と刺繍されたTシャツを着ていた定年退職後の男を見つけることができればよかったのだが。彼の出番だ。


ここにも悲しい皮肉がある。

スティック・メンのセットで、レヴィンは楽器を保管場所に間違えて送ってしまったため、完全に欠席を余儀なくされたのだ。

キーボーディストのアダム・ホルツマンが見事に代役を務め、ジャズ寄りのユニークな即興演奏を披露した。

しかし繰り返しになるが、この巨人たちがステージ上で一緒になって、プログレの定番を打ち出そうとベストを尽くしているのを見るだけでも、その場にいる全員に何か意味がある。

トニー・レビン抜きのスティック・メン


しかし、クルーズ・トゥ・ザ・エッジは、日常的にたくさんの曲を生み出しているとはいえ、厳密にノスタルジア・マシーンというわけではない。

その典型がスティーヴ・ハケットだ。

共同ヘッドライナーを務めた『Stardust』のセットで、元ジェネシスのギタリストは引き続き同バンドの叙事詩(23分に及ぶ「Supper's Ready」のヴァージョンでは、バルコニーにいた一人の男がむち打ち症になりそうになったほどだ)を操ったが、ソロの新曲もいくつか演奏し、古い曲でさえも木管楽器奏者のロブ・タウンシェンド(TFKのアルバムに参加)のおかげもあって巧みなアレンジのおかげで新鮮に塗り替えられていた。


そのラインナップは、年齢やスタイルの面で、年々多様性を増している。

70年代にイエスの前座を務めたこともあるグリフォンの中世フォーク・プログレ・スタイルを味わえば、次はヘイケン(4月に来日予定)のモダン・プログレ・メタルの威厳や、ビッグ・ビッグ・トレインのオープンアームでシンフォニック・スケールの美しさに酔いしれることができる。

BBTの劇場公演は、このベテラン・バンド初のアメリカ・ツアーの一環で、ヴァイオリンを中心とした「Folklore」から「Victorian Brickwork」の涙を流すような壮大さまで、このクルーズの明らかなハイライトのひとつだった。


21世紀にプログレを愛すると、しばしばのけ者にされたような気分になる。

だからこそ、『クルーズ・トゥ・ザ・エッジ』は今でもある種の奇妙な聖域のように感じられる。

2024年、技術的な不具合からラウンジ・バーのコレクターの悪口まで、どんな迷惑行為もミニムーグの心地よいひずみを弱めることはできないだろう。


出典:

https://ultimateclassicrock.com/cruise-to-the-edge-2024-review/


TAのエンジニア、リッチ・マウサーらとニール・モース



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