EL&Pの『恐怖の頭脳改革』は、1973年11月19日にリリースされました。
このアルバムも今年満50歳です。
英語版ウィキペディアには12月7日リリースになっていますが、多分間違いか、米国盤の発売日でしょう。12月7日は奇しくもグレッグ・レイクの命日でもあります。
■ EL&P最後の砦
2023年11月19日
By Nick Deriso(Ultimate Classic Rock)
『恐怖の頭脳改革』は、エマーソン、レイク&パーマーの最後の傑作アルバムであり、グループが3つの別々の存在に分裂し始める前の、共同作業の最後の瞬間だった。
確かに、少し大げさに思えるかもしれない。
しかし、それこそが絶頂期のEL&Pなのだ。
「本当にトップはなかった」カール・パーマーは、アルバムのリイシューに収録されたライナーノーツでそう認めている。
「俺たちはストレートなロックバンドじゃない。俺たちは軍事力をひけらかすバンドなんだ」
エマーソン・レイク&パーマーのロックとクラシックの組み合わせと同じくらい派手なセッティングで、『恐怖の頭脳改革』のレコーディングは時代を反映している。
EL&Pの前作『トリロジー』(1972年)はスタジオで制作されたもので、トリオはコンサートでこのアルバムを再現するのは不可能だと感じていた。
エマーソン・レイク&パーマーは、24トラック・レコーディングから脱却し、よりストレートなものへと移行したかったのだ。
まあ、そんなところだろう。EL&Pは映画館を丸ごと購入し、椅子をすべて取り外して練習室として改装した。
グレッグ・レイクは再発盤のライナーノーツで語った。
「『恐怖の頭脳改革』は、集合的なインスピレーションからアルバムを作り上げることを象徴していたと思う。それが、リハーサルのためにこの映画館を購入した動機だった。既成概念にとらわれず、よりライヴ感のあるものを作ろうとしたんだ」
『恐怖の頭脳改革』は技術的に画期的だった。
レコーディングが始まると、EL&Pはとにかくいじらないわけにはいかなかった。
近未来的な3部構成で30分近い「Karn Evil 9」でよく知られる『恐怖の頭脳改革』は、技術的な驚異として1973年11月19日に到着した。
冒頭の「Jerusalem」では、史上初のポリフォニック・シンセサイザーであるムーグ・アポロのプロトタイプがレコーディング・デビューを果たし、20世紀のクラシック音楽のピアノ協奏曲「Toccata」では、電子ドラムを使った初期の試みがなされている。
エマーソン・レイク&パーマーは最終的にこのアルバムをツアーで演奏することになる、
最初のディスクリート四重奏PAシステムと呼ばれるものを含め、36トンもの機材を携えて。
キース・エマーソンのキーボードを浮かせ、彼を乗せたままキーボードを360度回転させる巨大な機材は言うまでもない。
こうしてプログレ・バンドは基本に立ち返った。しかし、それは長くは続かなかった。
パンクとニュー・ウェイヴが目前に迫っていた1977年、トリオの次の作品『ワークス』は、実質的にエマーソン・レイク&パーマーの他のメンバーが参加した3枚のソロ・レコードだった。終わりはすでに見えていた。
出典:
https://ultimateclassicrock.com/elp-brain-salad-surgery/
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