■前代未聞・空前絶後の8人イエス



ロックの殿堂入りは何故か8人イエスのメンバー


イエスのユニオン・ツアーからもう30年以上が経ちました。


90125イエス(YES WEST)とABWHが合体!と聞いてとても驚いたのはもちろん、アルバム『結晶』にめちゃくちゃ期待しました。

キャッチコピーは「完全無欠」。


しかしリリースされたアルバムは8人イエスの作品ではなくて、両バンドの曲にジョンとクリスが参加して、さらにスティーヴ・ハウのソロを加えた看板に偽りありの継ぎ接ぎ作品で、やや肩透かしでした。(しかも後にセッション・ミュージシャンの演奏に大量に差し替えられたことが判明)



完全無欠


それでもバンドは8人でのツアーを開始。

ツイン・ギター、ツイン・キーボード、ツイン・ドラムスという、いまだかつてないアンビリーバボーなバンド構成です。今度こそと不安まじりの期待が膨らみました。


たまたま出張先のロンドンで幸運にもライヴを観た同期の友人に貰ったお土産のツアー・パンフレットを眺めながら羨望の思いと妄想が募るばかり。


当時ライヴの様子を知るのは海賊盤くらいしか手段がなく、恥ずかしながら見つけたブートを片っ端から購入して熱心に聴きました。


当初はABWH組と90125組が交互に出演して、最後に全員で演奏をするのではないか?との憶測がありましたが、蓋を開けてみたら、ほとんどの曲で全員が演奏するという驚きの展開に。

「おお、ユアーズでトレヴァーもソロを弾いている!」

「ロンリー・ハートでリックがソロを弾いている!」

とサプライズの連続でした。



しかし誰が何をどう演奏しているのか、詳細は音だけではわかりません。

待望の映像を初めて見たのは、WOWOWで放送されたデンバー公演か、『イエスイヤーズ』ビデオ(10月リリース)に収録されたツアー初日のペンサコーラ公演か、今となっては記憶が定かではありませんが、回転ステージの模様を穴があくほど繰り返し観ました。


たまにハウが遠慮したりする場面がありましたが、ラビンはハウ時代の曲でも容赦なく弾きまくっていました(笑)

それにアルバム『結晶』からカットされたハウのギターがライヴではちゃんと聴けるのが、今となっては感慨深いです(苦笑)



その後92年に待望の来日公演が決定。

「除け者」にされかけた?ビル・ブルフォードの来日が危ぶまれ、もう少しで7人になりそうでしたが、無事8人で来日。


7人イエス


満を持して初日の代々木と最終日の武道館へ突撃しました。勿論回転ステージではありませんでしたが、仕方ありません。

多分ABWHと、この8人ツアーが、これまでで一番興奮したイエスの来日公演だったような気がします。

ライヴを観て何となく予感はありましたが、来日公演終了後、案の定8人イエスは分解・終了してしまいました。

ライヴを観た方は多分同じ思いだと思いますが、奇跡のようなツアーでしたね。


ユニオンツアー30周年記念のボックスセットが出ましたが、もうとっくに商業ブートレグは買わないし、聴かないので、はなから購入しませんでした。


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