From A Page ストーリー PT2
by Oliver Wakeman (ブックレットより)


二、三ヶ月がすぐに過ぎて僕は2008年の
In The Presentツアーのリハーサルのためにカナダのハミルトンに向かった。
それは5人のメンバーが集う最初の機会で、
ベノア・デビッドに初めて会った。
最初の公演はハミルトンで次はトロントだった。
その後残りの公演のために米国入りした。
ツアーは12月に終了したが、翌年もツアーに同行した。
2009年後半の欧州ツアーの間、僕らはいくつかの公演をライブ・レコーディングした。
それが結局「In The Present : Live from Lyon」のアルバムになった。
このツアー中にクリスと僕は新作の可能性についてたくさん話をした。
クリスが「誰がプロデュースできる?」と聞いたので「トレバー・ホーンはどう?」と答えた。
クリスは「メイビー・・・」と言った。


スティーブは新作製作には賛成だったけど、録音する前にもう少し長くライブ・ユニットとして活動することを望んでいた。
それで僕ら(注:クリスとオリバーのことと思われる)こっそりスタジオに入り、よい曲を完成させることができた。

2010年の初頭、僕は別のツアーから新しい自宅へ戻って一、二ヶ月の休暇を取り、いくつかの曲を書いた。
そうしたらイエスのツアー・マネージャーであるポール・シルベイラから電話が来た。
メキシコに行って翌週サカテカスの公演に出られるかと聞かれた。
メキシコ公演の後バンドはアリゾナ州フェニックスで集合し、新作の製作を開始するための施設を借りた。
スティーブと僕は多くのアイデアを準備してきていたし、クリスは曲のアイデアの断片をいくつか送ってくれていた。
これはロジカルな次への一歩だった。

僕らが使えるスタジオがあり、また借りた施設には広いラウンジがあって、そこでデモのアイデアを録音することができた。
この期間に例えばスティーブの「Don't Take No for an Answer」や「Hour Of Need」、クリスの「The Man You Always Wanted Me To Be」などの作品に取り組んだ。
またコラボトラック「Into The Storm」のパーツも製作した。
これらの曲はすべてアルバム
「Fly From Here」になった。
この期間に僕らは、バンドが検討するために僕が提案した「To the Moment」、
「Words on a Page」についても作業した。
「To The Moment」は極めて良い形になったし、「Words on a Page」は元々ベノアが歌うギターとピアノのデュエットとして作られたものだ。

2週間の曲作りのセッションの後でアランとベノアが各々LAとカナダの家へ帰っていった。
クリスは二、三日居残って、その後スティーブと僕も英国へ帰宅するつもりだった。
しかしアイスランドの火山噴火(注.2010年4月の氷河噴火)のために噴煙の影響で英国便が止まってしまった。
スティーブと僕は早起きして空港へ向かったが、結局フライトは欠航になってしまった。
遅くまで空港に留まって翌日のフライトを確認しようとしたけど、結局翌朝も欠航の繰り返しとなった。
5日後スティーブはエイジアのツアーに合流するためにフランスへと飛び立った。
取り残された僕は何とか帰宅する方法を探そうとした。

数日後に僕はやっとJFK(ニューヨーク)行きの二カ国乗り換え便をキャッチすることができた。
ニューヨークへ行けばそこで12時間待てば英国便に乗れる。
結局この便に乗ることができて無事に帰宅することができた。
しかし疲労困憊だった・・・。