ダウン症の息子・うつ病の妻・優柔不断な僕 -3ページ目

出産後、3人で写真を撮ってもらった後、


一人の若い無表情の女の先生が近づいてきた。


「小児科担当の○○です。


お子さん少し心音が弱いのと、


少し気になる点があるので検査のために


赤ちゃんと一緒に退室させていただきますね。」




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二人とも唖然。



僕「どこが気になる点なんですか?」



自分でも少し気づいていたが、心配で聞いた。



小児科先生「少しお顔が……。では失礼します」




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お顔が…?何…?


それだけ言って、小児科先生はさっさと退室していった。



僕も奥さんも茫然。


でも


「何があったんだろ?あたしの産み方が悪かったのかな?大丈夫だよね??」


と心配で泣きそうになっている奥さんに、


「大丈夫、大丈夫だよ、それよりおなかすいてないの?」


と話題をはぐらかすので精一杯だった。



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顔…。


たぶん僕のわずかな知識から言えば…。


病室に戻ってから、僕は不安が抑えきれず、


奥さんに思っていることを伝えた。


「先生、顔が気になるって最後言ったよね。


顔が気になるってたぶん……


僕が知ってる限りでは……


ダウン症じゃないかな。」


言ったとたん、


「まさか!だって検診のとき、何も異常なし、


胎児もすごく元気っていわれてたんだよ!


ダメだよそんな不吉なこといっちゃダメだって!


考えすぎだよ!」


そういって、少し泣きそうな、でも必死で笑顔を作っていう奥さんが


見ててかわいそうでつらくて僕まで泣きそうで


それ以上は何も話さなかった。




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出産から4時間後、看護婦さんが来た。


小児科の先生から伝えたいことがあるとのこと。



ほんとうに怖かった。


怖い怖いと思いながら、連れて行かれた場所は


「NICU」という場所。


入口には厳重な消毒設備と、マスク、エプロンが置いている。


入りたくない。



奥さんはまだ出産して4時間しかたってないんだよ?


後頭部が陣痛の痛みに耐えられずにベットにこすりつけたため、


いつも綺麗にしている奥さんの後頭部の髪の毛はくしゃくしゃ。


汗まみれ、茫然とした表情。震えている手。


もうやめてくれよ。せめてもうちょっと待ってよ。



つわりも、会社からのひどい対応も、陣痛も


その他僕が気づかない点でいろいろ頑張ってきてくれた奥さんなんだよ?


僕には一生わかることができないけど、


死ぬほどの痛い思いをして、耐えたその4時間後に、


もしかして、もしかしてまた嫌な思いさせるの??


せめて、もう少し待ってよ、


もう少しだけ頑張った奥さんほめてあげる時間作ってよ。



そんな考えはむなしく、


業務的にさっさとNICUの奥の個室へ


奥さんと僕は案内された。



そこには、


先程「お顔が…」といって去って行った


小児科先生と、


横たわっている赤ちゃん。




その小児科先生はとても無表情に


なんの躊躇もなく僕たちにいった。







「ダウン症の疑いがあります。

抱いた感覚から、間違いはないと思いますが、

検査はされますか?」






僕たちは何も答えることができなかった。