【観劇】お気に召すまま

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シェイクスピア喜劇を、豪華な出演陣が演じる「お気に召すまま」♪

久しぶりの舞台(百鬼オペラ「羅生門」以来2年ぶりらしい)となる満島ひかり満島真之介との姉弟共演。

そして、初舞台「かもめ」から3年ぶり2度目の舞台となる坂口健太郎、去年から舞台出演が途切れることのない中嶋朋子・・・話題には事欠かない作品。

 

劇場は、東京芸術劇場プレイハウス。

やはり、観劇率が高いのである!

 

 

とても自然な流れで、公演パンフレットを販売する人が入って来たので、「こんな公演開始直前に・・・」と思ったら、坂口健太郎だった!

それに気づいた観客から、「え~っ!」という声が上がる。

そして、そのまま開演。

 

フレデリック公爵(山路和弘)は兄を追放してその地位を奪ったが、兄の娘ロザリンド(満島ひかり)は、自分の娘シーリア(中嶋朋子)と共に育てていた。

一方、オーランド(坂口健太郎)は、父の遺産を相続した兄オリバー(満島真之介)によって追い詰められた生活送っている。

そんな二人は公爵が主催するレスリング大会で出会い、互いに一目惚れする。

 

しかし、ロザリンドは公爵から突然の追放を言い渡される。

彼女と離れては生きていけないというシーリアと共に、男装して身分を隠してアーデンの森へと向かう。

そこは公爵によって地位を奪われた父(山路和弘・二役)が暮らす場所。

そして、オーランドもまた兄の元を離れ、アーデンの森へと向かう。

 

ふたたび出会った二人。

しかし、オーランドは男装したロザリンドには気がつかない。

ロザリンドはオーランドに恋の告白の稽古相手になると言い、毎日通って来るように仕向ける。

稽古なのに、好きなオーランドに告白されて喜ぶロザリンドが可愛い。

 

男と女、女と女、男と男・・・性別を超えて愛し合う。

シェイクスピアが活躍した当時のイギリスがどのような時代だったのかわからないが、性別を超えた恋愛劇を書いてしまうなんて、時代を先取りしている!

当時の人達は、どのように思ったのだろう?

 

シェイクスピアは、どうしても四大悲劇を観る機会が多く、それは有名な作品であることはもちろん、豪華な出演者が揃う舞台が多いことも一因。

しかし、今回は若手実力派の周りをベテラン俳優が固める布陣でシェイクスピア喜劇!

 

恋愛劇と言いながら、下ネタっぽいセリフや色っぽいシーンもあって、これは意訳されているのか、原作どおりなのかと思ったりもした。

後半に行くに従い人間関係はぐちゃぐちゃで、男装したロザリンドは女性であるフィービー(広岡由里子)に求愛されてしまうし、彼女と離れては生きていけないと言って付いて来たシーリアは、オーランドの兄・オリバーと恋に落ちる。

小林勝也が女装して温水洋一と愛を語り合う様子は美しくはないが、笑いはある(かな?)。

 

そして、ロザリンドが正体を明かし、最後は複数のカップルがめでたく結婚するというハッピーエンドで、満島ひかりが観客に語りかけ、「お気に召すまま」とタイトルを口にする。

同じシェイクスピアが原作で、やはり観客に語りかけて終わる「K.テンペスト2019」を思い出した。

 

冒頭に書いたように、役者が観客席や通路で演じる場面が多く、観客席も含めた劇場全体が舞台となる。

「観客席や通路」と書いたのは正にそのままの意味で、役者が観客席に座って舞台上とやり取りする場面もあれば、観客が座っている座席の間を通り抜けたり、通路から座席に寄り掛かったり、きっとファンの人はドキドキが止まらないはずだ。

 

そして、普段のプレイハウスとは異なり、中央部分が観客席に張り出した舞台。

その分、後方席や2階席の人にも近く感じられるかもしれない。

これだけの役者が揃っていると、やはり前方席が良いなぁ・・・とも思うのだが、前方席だと後ろで演じられた時は観づらいので、中央通路くらいの席が良いかもしれない。

役者が近くまで来てくれるので、後方席の人も楽しめる。

 

東京公演も、そろそろ折り返しだ。