昨日に続き、ムキーッドクロを解雇するお話です。シリーズ最終回は、解雇が決定されてから実行されるまでの約4カ月間についてです。少し長めですが、お付き合いくださいませ。

ムキーッ シリーズ 第1話→☆☆☆
ムキーッ シリーズ 第2話→★★★
ムキーッ シリーズ 第3話→☆☆☆
ムキーッ シリーズ 第4話→★★★
ムキーッ シリーズ 第5話→☆☆☆
第6話は下のリブログから!

トランプ大統領が昔やっていたTV番組の、“You are Fired! (お前はクビだ)” って決め台詞。上司にそんな風に怒鳴られて解雇となる社員は、今時のアメリカには存在しません。犯罪や違約などに関する懲戒解雇でもない限り、解雇には数ヶ月程の期間が必要です。

アパレル業界は特殊なのかもしれませんが、デザイナーは特許申請中の新素材や新規事業計画など、いわゆる企業秘密にも携わる事があります。ムキーッの会社では、就業時に秘密漏洩に関する規則に同意を求められます。その中には、退職後6カ月間は同業他社へ再就職しないと同意する事も含まれています。これが実はデザイナーにとっては、毒にも薬にもなり得る『縛り』でもあります。

実力派デザイナーならその分退職金を多く貰ったり、ライバル会社に移籍する前に1シーズン単発の仕事を入れるなどして、幾らでも調整出来ます。でも ドクロの場合は、一年未満で解雇されて更に6カ月の再就職規制、下手に動けば不当解雇で訴えられてしまいます。ドクロ入社6カ月の時点で、ムキーッの部署では数ヶ月後に情報解禁を控えた極秘プロジェクトが進行中だった為、全てが一段落するまで部署内の空気が異様に重かったと記憶しています。

7/10/17 ドクロ入社

10/16/17 ドクロ入社後3カ月 ムキーッ 見切りで本採用決定

12月頃 ムキーッは部署内でのドクロに関する情報集め

1/15/18 ドクロ入社後6カ月 ムキーッ 解雇内定
             ドクロ サーバー移動と仕事量調整
             ドクロムキーッ 会議・最後のチャンス宣言
***所謂 Warning & Hearing 、解雇するとは言わず、向こうの言い分も聞き、お互いに改善出来る様に善後策を提案しました。この警告ミーティングを機に、頑張って挽回する人と諦めて投げ出す人に分かれますが… 

2/1/18 ドクロ シェアサーバーアクセス制限開始
           ドクロ 仕事メール受信停止、チャット廃止
***ITのJ君にお願いして 1/15以降は、ドクロのサーバー閲覧記録が私に毎日届く様になっていましたが、個人のGoogleDriveにデザインを持ち出した様でした。想定内でしたが、秘密漏洩防止の為に、サーバーにアクセス制限を掛けました。アメリカでは職場のコンピューターは100%完全に会社の所有物です。ウェブページ、銀行口座、私信メール、チャットなど、本人がパスワードを使って開いたセキュアページでも、IT部署は丸々と閲覧出来るし、それを社員の直属上司に報告する事はプライバシーの侵害とはなりません。

4/25/18 ドクロ解雇告知、10分後退社、アクセス制限
4/26/18 ムキーッオッドアイ猫 会議・あんたが責任とれや宣言
5/15/18 ドクロ 最終給与支払い、正式に解雇

4/26のムキーッオッドアイ猫 会議に関しては、そのうちシリーズ化にしてご紹介してみようかなと思います。ドクロが解雇された翌日の朝、出社と同時にオッドアイ猫とサシで会議をした時の会話。

ムキーッ 「今は卒業シーズンだから求人しないけど、夏過ぎたら、もう1人雇うつもりなの。」
オッドアイ猫「私も解雇されるのですか?」
ムキーッ「まさか、そんな訳ないでしょ。でも今度はちゃんと新人教育やってね。次は無いからね。」
オッドアイ猫「えぇ、そんな…」
ムキーッ「じゃ、もういい!あんたが自分でレズメ見て、自分で面接して雇えば良いでしょ。そのくらい責任持って教育して!」

さてさて、ムキーッの無茶振りをオッドアイ猫はどう切り返すのか? 現在進行中のお話は、又の機会に!

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