1ヶ月越しの記事化。
記憶の曖昧な箇所あり。(あかん)
12月8日
舞台『pet -壊れた水槽-』
13時回観劇。
三宅乱丈「ペット リマスター・エディション」(2009年より全5巻)を原作とする。
「ペット」(2003年より全5巻)の加筆修正による完全版である。
12月5日~9日、全7公演を、東京・草月ホールにて上演。
総合監修
なるせゆうせい
演出・脚本
伊勢直弘
出演
ヒロキ - 植田圭輔
司 - 桑野晃輔
悟 - 谷佳樹
林 - 萩野崇
桂木 - 君沢ユウキ
ロン - 伊勢大貴
ジン - あまりかなり
アンサンブル - 佐藤輝、田中崇士
あらすじ
人の脳内に潜り込み、記憶を操る能力を持つ者達がいた。
彼らのその力は、事件の揉み消しや暗殺など、裏の世界で利用されてきた。
人の精神を壊すほどのその力は、同時に彼ら自身の心を蝕んだ。
彼らはお互いを鎖で縛り付け合うように、脆く危うい心を守った。
彼らは恐れと蔑みから pet と呼ばれた。
(「TVアニメ・舞台「pet」公式サイト(INTRODUCTION の項)」より)
「会社」と呼ばれる中国マフィア組織に属するヒロキは、人の記憶に侵入する特異能力「イメージ」を使い、記憶を改変する。
しかし、記憶の整合性が取れなくなった時(=記憶の改竄に失敗した時)、記憶を操作された者は廃人と化し、「潰れた」状態となる。
都合のいいように改竄を行ない、社会を裏から操ろうとする「会社」に強い不満を抱きながらも、ヒロキは無垢なまま育った。
相棒であり、記憶を分け与えてくれた「ヤマ親」・司に守られながら。
だが、自分と同じ「ペット」である悟と深く関わるうち、司が抱える多くの隠し事の存在に気づいてしまい……。
感想
・ストーリー
舞台脚本内で、用語を説明する台詞はない。
「会社」「ヤマ親」「ペット」……。
誰が親で、誰のペットなのか。
公式ツイッター上で相関図や解説ツイートに関するモーメントを掲載しており、原作未読の観覧者はそれを参考することになる。
だが、そのぶん、作品としてのテンポが崩されることはない。
・役者
萩野崇(『超光戦士シャンゼリオン』涼村暁/シャンゼリオン役・『仮面ライダー龍騎』浅倉威/仮面ライダー王蛇役)
君沢ユウキ(『仮面ライダーW』園咲霧彦/ナスカ・ドーパント役)
伊勢大貴(『烈車戦隊トッキュウジャー』OP・『手裏剣戦隊ニンニンジャー』ED担当)
植田圭輔(『仮面ライダーウィザード』石井悟史/リザードマン役)
と、特撮経験者が半数を占める。
・劇場の空気感
東京にしては小ぶりの劇場。
だが、舞台演出を目にして納得。
映像効果を多用し、また、アンサンブル含め所狭しと舞台上を移動した立体感のある転換は珍しいように思った。
キャラクターの持つ「イメージ」という特殊な能力のため、さまざまな映像をセットにラッピングする。
あの劇場(草月ホール)だからこその良さ、だと思いますね。
2019年7月に、後編「pet -虹のある場所-」上演となる。
謎に包まれた「会社」の思惑、渦巻く感情、なにより、司の隠し事に気づいたヒロキは、いったいどんな行動に出るのか。
本作(前編・壊れた水槽)が気になり過ぎるところでの幕引きとなっているので、後編もぜひ。