
ウクライナ情勢は?(34)__停戦ディール?
現在、世界平和にとって、最大の問題はウクライナ戦争だろう。
だから、ウクライナ和平に関する話し合いが始まっていることは
大変評価できる。
トラジイが在任中に取り組むべき最大の課題であると思う。
この問題の困難な所は、何があっても横車を押し通そうとする
プー公に対して、国際法がどこまで通用するのかということ
なんだろう。
力による現状変更、主権の蹂躙、一般市民への攻撃、国境の
侵犯など、これを許せば、将来にわたって世界平和が脅かされる
ことが約束されてしまう。
今回の米国の仲介による和平交渉において、裏でどんな
交渉が行われているのかは伺い知れないが、報道を見る限り
では、相当にプー公側に寄った和平案が話し合われている
ように見える。
交渉に当たって、プー公が示した和平案なるものを見てみよう。
1.ウクライナ東部ドンバス地方(ドネツク州・ルハンシク州)から、
ウクライナ軍が完全撤退する。それと引き換えに、ロシア軍は
南部ヘルソン州とザポリージャ州で前線を凍結する。
また北東部スムイ州とハルキウ州で、ロシア軍が占領して
いる小規模な地域を返還する用意がある。
2.クリミア半島に関するロシアの主権の承認。
3.ウクライナのNATO(=北大西洋条約機構)への非加盟。
ただし、別の形で安全保障の仕組みを持つことは可能。
4.経済制裁の一部解除。
5.ウクライナ全土または一部で、ロシア語の公用語化。
6.ウクライナにおいてロシア正教会が自由に活動する権利。
この案には明示はされていないが、ドンバスはロシアのもの、
南部は殆んどをロシアが占拠してるので、ロシアのもの。
結局は東南部の4州はロシアのものと言っている。
即ち、クリミアを含む黒海沿岸の殆んど(ウクライナ国土の
約20%)をウクライナから強奪したいと言ってるんだな。

何とも身勝手な言い分だが、トラジイはこれを是とし、3.の
安全保障に関しては米国がコミットする形で、ウクライナと調整
する予定だという。
んで、米、欧、ウによる三者会談が持たれた。
何が決まったのかは定かじゃないが、欧州もウクライナも
この調停案に反対の意を示したようには見えない。
どころか、米国の少しばかりの接近を諸手を挙げて歓迎。
領土を取られても、米国が将来的な安全保障を約すのなら
良しとするのか?
そして、ロシアの真の目的は4.なんだろうが、これを受け
入れるのか?
米露首脳会談では和平後の経済協力が話し合われたというが。
5.以降はウクライナの文化を蹂躙するということで、ロシアが
ウクライナを主権国家だと考えてない事の現われだ。
僅かに、取って付けたような、「一部」の文言があるが。
今後は、領土問題について、米、ウ、露の三者会議で議論する
という。
ゼレンスキー大統領は領土を放棄する事は無いというが、
それは米国の合意と強力な支援なしには実現不可能。
米国はそこまでやる気はまったく無いようだ。
一時的に米欧がウクライナ支援を少し強化したかに見えたが、
結局あれはロシアを交渉に引きずり出すためだけのものだった
ようだな。
ロシアが自前では継戦能力に陰りが出始めているという弱点を
突く気もまったく無いようだ。
関税を課すだけでは中国もインドも米国離れを加速するだけだし。
交渉の行方と領土問題がどうなるかは予断を許さないが、
トラジイはウクライナにすべてを負担させ、妥協することで、
和平に持ち込むことだけを考えてる。
強いものには妥協、弱い者には居丈高にという、トラジイの
ディールのやり方そのものだ。
歴史的に、妥協がどんな結果を生んだかなんぞ意にも介さない。
とにかく、今、停戦が成ればよいという考え。
今回の交渉はロシアの完全勝利ということになりそうだ。
ホントなら、失速しそうなロシア経済に最後の引導を渡すべき
時なのに、蘇りに手を貸す結果になってしまう。
武力による侵攻に褒章を与える結果になってしまう。
そして、トラジイが退いた後はプー公のやり放題になるだろう。
高い可能性で、クリミアと他の4州はロシアのもの。
その後は、数年かけて戦備を整え、経済を修復し、今度は
一気にウクライナ全体を我が物にするというのがプー公の
戦略でないはずがない。
そこには、暴力で領土をもぎ取るという、帝国主義の復活と
限りない軍備の拡大が世界を待っている。
それでも、今の流血さえ止められれば、ノーベル平和賞に
値するとでも言うのか。
このままでは大きな禍根を残す結果となるだろう。
ウクライナ情勢