悠釣亭のつぶやき -615ページ目

安倍氏1周忌

安倍元首相が狙撃されて亡くなってから、8日で1年となった。
「安倍晋三 回顧録」がバカ売れするなど、死して後もその人気は
失われていない。
保守の重鎮と言う位置づけの人が他に見当たらないという事も
あるんだろうか。

存命中も、功罪相半ばする氏であったが、保守政治の大きな流れ
を作ったのは事実だろう。
評判や批判は巷に溢れているが、ワシなりに振り返ってみる。


安倍氏が保守政治家と考える人は多いし、本人もそう振舞っていた
ように思う。
「日本を取り戻す」、「戦後レジームからの脱却」などのキャッチ
コピーを駆使して保守層を取り込み、選挙に強い体制を作り上げて
いった。

米国との密着の結果は安保法制に見る通り、米国の戦争に加担
する可能性を拡大した。
今や、(米国に押し付けられた)憲法9条によって、かろうじて距離
が保てるという際どいところにある。


一方で、氏はとてもアリストだったと思う。
例えば、北方4島問題。
ロシア大統領との何度もの会談を経て、4島一括返還の困難さを
悟った後は、とにかく和平交渉、そして2島返還、その後も継続
と言う路線を選択したように思う。
4島一括では結果が出ないと腹をくくった訳だ。

ワシが氏を評価する所は世界に中国の脅威を知らしめた事かな。
包囲網構築まではやり過ぎだとしても、開かれたインド太平洋と
言う考え方は正しいし、世界の共感を得たわけだ。
結果としてのQuad等の形成は中国の覇権行動に一定の歯止め
となっているのは明らか。

一方で、1帯1路には拒否反応ではなく参加できる分野には参加
しても良いとの柔軟な姿勢で対応した。
政治と経済は別という事を示したかったんだろうか。

靖国参拝問題でも柔軟な姿勢を見せる。
在任中は1度だけの参拝だったと思うが、これは中国気兼ねでは
なくて、対米忖度だったんだろう。
保守層の反発に対してもブレなかったのは彼なりの行動規範。


仲間を作って力を結集するという事は悪い事ではないけど、
それが政治的に同じような考えの集団であるうちは許容範囲。
だけど、民間の利害や自己保全にまで及べば、害悪となるのは
当然のこと。
森友、加計問題や文書改ざん、検察人事等々、眉を顰める問題
が彼の周りに渦巻いたのは単なる偶然ではない。


経済政策は拙かったと思う。
アベノミクスなんてな大仰な名付けなぞ要らぬから、やるべき事を
シッカリやるべきだった。
金融緩和や僅かな財政出動はあったものの、肝心要の成長戦略
には見るべきものは無かった。

弱者に対する配慮には大きく欠けるものがあった。
財務省に騙されたなんていう事自体がナンセンスで、他の事なら
突き進むのに、なぜやろうとしなかったのか。
世論を味方に付ければもっと出来たはずと思えば、やる気が無か
ったという事になるな。

税の強化、福祉の削減、雇用の流動化等々、格差の拡大を促す
様々な施策は大企業の側に立っているとしか言いようがない。
中でも最悪だったのが、消費税増税。
日本経済の成長を完全に止めたと言っても差し支えなかろう。


世間では、在任期間が最長の大宰相という評判のようだが、
ワシは功罪相半ばすると思うから、どこが?と思うだけ。
これ以上の政治家が出ないというならば、最早、日本は終わ
ってるという事ですなと思う。


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