悠釣亭のつぶやき -2879ページ目

武士道

最近、ウェッジ文庫、青木照夫著「いま、なぜ武士道なのか」を読んだ。

新渡戸稲造の「武士道」や三島由紀夫の「葉隠れ入門」は読んでいたので、

格別目新しいことは無かったけれど、思想は再確認できた。


確かに、今の日本の倫理や風紀の乱れは気になるところであるが、

そもそも、武士道は上に立つものの気構えを説いた物である。

昔の武士は為政者として庶民(下々の者)とは一線を画した存在であった。

彼らには、当然の事ながら「ノブレス、オブリージュ」を実践する責務があった。

そして、庶民は武士階級の近寄りがたさに畏敬したものであったろう。


今の世の中、「一億総中流社会」にあっては、もはや、武士道の精神は

存在し得ないのではないか?

しかし、いわゆるリーダー層、即ち、それなりの組織の長や教育に携わる人達や

上級公務員や政治家にはこの精神を高く持ってもらいたいと思う。


欧米にもKnighthoodやGentlemanhoodがあるように、世の中の規律を保つ

ためには、上に立つものの行動規範は絶対不可欠のものであろう。

下の者達はごく自然に上の者の行動を見ていて、自分の行動規範を作り

上げてゆくものであろう。

そういう見方からすると、本来この精神を持っているべき者達(経営者、公務員、

教師等)の悪事は許しがたい。


上を目指す人たちには、冒頭の3冊は、是非読んで欲しい本の一つである。

尤も、実践してナンボのものであることは言うに及ばずであるが。