
韓国、非常戒厳令
何とまぁ、前時代的な。
戦争や大きなテロが発生したわけでもないのに。
3日午後10時23分ごろ、韓国の尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は
非常戒厳を宣布し、3日夜、ソウルの大統領室庁舎で緊急談話を
発表し、「(北朝鮮に追従する)従北勢力を撲滅し、自由憲政秩序を
守るため非常戒厳令を宣布する」と述べた。
これまで国会は今政府発足以来22件の政府官僚弾劾訴追を発議、
今、国会は犯罪者集団の巣窟であり、立法独裁を通じて国家の司法・
行政システムを麻痺させ、自由民主主義体制の転覆を目指していると。
同日、韓国軍戒厳司令官の朴安洙(パク・アンス)陸軍参謀総長は
「戒厳司令部布告令(第1号)」を通じて「国会、地方議会、政党の
活動と政治的結社、集会、デモなど一切の政治活動を禁じる」と
発表した。
非常戒厳とは、「大統領が戦時・事変またはこれに準ずる国家非常
事態時、敵と交戦事態にあるとか、社会秩序が極度に撹乱され、
行政及び司法の機能の遂行が顕著に混乱した場合に軍事上の
必要に基づくとか、公共の安寧秩序を維持するために宣布する」と
されている。
今回の宣布がそれに当たるかははなはだ疑わしい。
国会は4日未明に本会議を開き、非常戒厳の解除要求決議案を
可決した。
出席した議員190人が全員賛成した(3分の2で可決)。
大統領は4日、国会が求めた「戒厳解除案」を閣議決定し、戒厳軍も
撤収した(宣布から6時間後)。
非常戒厳を宣布し、政治活動一切を禁じているはずなのに、本会議
が開かれるというのもおかしな話だが、それほどに唐突な事案で、
軍組織の対応も徹底を欠いていたという事のようだ。
韓国では4月10日投開票の国定選挙において、野党が圧勝し、
大統領府と国会が大きく捻じれていた。
確定した選挙結果は、保守系与党「国民の力」(および比例議席
獲得増を目的に設立した衛星政党「国民の未来」)が108議席
(地域区90・比例18)を得たのに対し、最大野党の革新系
「共に民主党」(および少数野党「正義党」との比例代表用連合政党
「共に民主連合」)が計175議席(地域区161・比例代表14)を獲得。
改選前(「国民の力」114議席対「共に民主党」156議席に比して、
野党勢力が単独過半数(151議席)を占める状況がさらに進んだ。
与党は結局、党勢縮小の流れを阻止することができなかった。
結果として、法案は通らず、政府主要ポストに対する弾劾、来年度
予算案も暗礁に乗り上げる形になっていた。
これを一気に挽回しようとしたのが今回の事案と思えるが、民主的
手続きによらず、強硬手段に出、与党の一部からも反発を喰らう
結果となったのは韓国政治がまだマトモに機能しているとも言えそうだ。
さて、今後の影響がどう出るかが大いに気掛りだ。
今回の解除決議に現れたように、与党内でも大統領に対する少な
からぬ反発があるように見える。
となると、2回目の大統領弾劾が現実味を帯びてくる。
発議は出席過半数で可能だから、まず弾劾要求が上程されるんだろう。
決議は在席3分の2で、最大201人の賛成が必要になるが、現在
野党のみで175議席を有する訳で、まさかとは思うが、与党から26人
が造反すれば決議がなされる。
俄か仕立ての衛星政党の動きが注目される。
万一決議されると、韓国政治は大きな混乱に陥るのは確実。
やっとこさ、反日でない大統領が選ばれ、日韓関係が良い方向に
向かい、来年には国交正常化60年の節目を迎えるというのに、
たった2年半でまた元に逆戻りとなってしまいそうだ。
北がロシアと結んで、着々と軍事力を強化し、韓国を敵視している
今の時期に国内政治が混乱していて良いはずはない。
というか親北にとっては千載一遇のチャンスとなってしまう事だろう。
現大統領に、今できる事は少なそうだが、まずは国民に対して、
何故そういう行動に出たのか、現状の丁寧な説明しか無さそうだ。
と言ってもねぇ、支持率がたったの17%では国民が聞く耳を持つのか
心許ないにも程があるんだがねぇ。