一極集中のリスク | 悠釣亭のつぶやき

一極集中のリスク

東京圏に人が集まり、他県が皆ほとんど人口減の中、独り勝ちの
様相であるが、では一極集中の何がリスクなのかを考えてみた。
首都機能のマヒ→国政のマヒという明確な関係があると思われる
んだが、首都機能がマヒするような事態とはいったい何なんだろう。


いくつかのリスクが考えられる。
①地震災害(含む、津波)
②火山噴火
③他国からの攻撃
④暴動などの騒乱
などの天災人災のリスクがまず浮かぶ。
起こる確率は①から順に高く、被害は③は規模によるが、ま、
当面は、地震災害が一番のリスクといえようか。

地震による被害は単に揺れによるものだけではない。
まだまだ木造家屋が多い首都圏では、倒壊もそこそこ発生する
だろうけど、その後の火災などの方が大きな被害をもたらしそうだ。

湾岸エリアのゼロメートル地域は、加えて、津波や高潮による
被害も想定される。
また、首都高や鉄道(高架橋、駅ビル)の損害も多々発生するん
だろう。
一般道も道路沿いの家屋の倒壊が多発すれば、通行に甚大な
障害となり、緊急車両も通行不能になりかねない。


一番問題になるのは、その後の状況なのかも知れない。
電気の遮断はほぼ確実に起こるだろう。
送電網の地下埋設を進めていると言えども、まだまだ僅少であり、
多くの送電が途絶える。

そして、それは高層ビルの脆弱性を思い知らせる結果となろう。
エレベーターは止まったまま、水道も短時間で止まるし、都市ガス
の復旧も時間が掛かろう。
高層ビルは地震には強いと言われているが、長周期振動で破壊
する可能性は必ずある。
その前に、周辺へのガラスや壁材の落下が大きな被害をもたらす
んだろう。


交通インフラの破壊がその後の救援活動に大いに支障を与える。
直接の被害が無かった東日本大震災においてさえ、数百万人の
帰宅難民が出たが、首都直下型地震だとあの比ではなかろう。
勤務時間帯でなければ、少しは緩和されるんだろうけど。

大きな施設では避難民の受け入れや数日間の備蓄があるよう
だが、救援物資の不足は酷いものになると思われる。
何しろ居住民人口の何倍もの通勤者が帰宅難民となって、救援の
対象にならざるを得ないから。
鉄道、道路網の損害にもよるが、救援物資はすぐには届かない
から、たちまち、食糧・飲料水が枯渇してしまうだろう。


以上の如き、災害リスクは必ずあるし、規模によっては救援も
ままならない状況も有り得よう。
東京地域は周りからのアクセスは良いが、道路は寸断され、
鉄道も暫くは不通だし、港湾も破損が大きかろうから。

被災規模の大きさに比べて、救援や復興能力があまりにも脆弱
に過ぎるから、機能が回復するまでの時間も小規模都市災害とは
比べ物にならないほど長期化するんだろう。
機能の集中は何かあった時の損害の大きさと比例するんだな。


首都機能がマヒするような事態ではないが、大都市ならではの
様々な問題は今後とも酷くなってゆく可能性が高い。
でも、これらは行政が機能してれば解消できる問題なんだがねぇ。

東京エリアは便利さと裏腹で、とにかく生活コストが高い。
結果として、貧富の格差が拡大し続ける。
子ども食堂なんぞがあるようでは近代都市とは言えないんだが、
改善どころか酷くなっている。


外国人が増えるのは国の施策によるもの。
結果として、オーバーツーリズムや外国人による犯罪の問題は
拡大する一方。

雑多な外人と日本人が集積することで、地域コミュニティーは
崩壊して行くから、ちょっとしたきっかけで大きな騒擾が発生
するリスクもある。
川口市の暴動はその門口を示すものかもしれない。


華やかに見える東京地域だが、それはほんの一角に過ぎない
ように思う。
小規模住宅が密集する地域や、海抜ゼロメートル地域が広い
エリアに存在するし、首都高、鉄道網、地下鉄などの交通密集、
一部幹線を除く細く複雑な道路、電気に頼る生活インフラなど、
非情に脆弱な基盤の上に成り立っている部分が大半なのだ。
それらは、明日にでも起こるかも知れない災害に対して、どこまで
機能するのかは、起こってみるまで分からないというのが実情。