シロとクロの境界線。 | ゆかりのブログ。

ゆかりのブログ。

舞台の感想や日々のこと。
備忘録。

 
 
 
観てきました。
 
 
 
 
RISU PRODUCEの代表作である「ぼくはだれ」では取調室での被疑者と刑事達の11日間の攻防を描き、「ゼロ番区」では拘置所での死刑囚と刑務官の確執に迫り、そして本作は裁判員制度をテーマに刑事施設を扱った前二作のスピンオフ作品として二年振りの新作公演。
「ゼロ番区」の初演から20年。ついに社会派作品の三部作が完結。
 
「真実はどこにあるのか、あなたには判りますか?」
 
 
【STORY】
ある夏の日、無作為に選ばれた6人の一般市民が「裁判員」として刑事裁判(裁判員裁判)に参加する事となった。
その対象事件は都内で起きた資産家一家強盗放火殺人事件で、事件当時、マスコミに大きく取り上げられていた。
警察署での取調べでは罪を認めていたが、初公判では一転して無罪を主張する亀矢被告。
検察側から死刑を求刑されるかもしれない重大事件を担当する事になった裁判員達は「疑わしきは被告人の利益に」という刑事裁判の原則の基、人を裁く責任の重さを感じながら、果たしてどのような評決を下すのだろうか・・・
 
 
 
 
 
 
 
 
※以下、内容触れます。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
『ゼロ番区』『ぼくはだれ』の完結編。
 
今配信もやってるけど、『ゼロ番区』は来月ナナプロ観に行くし、『ぼくはだれ』はDVDを観ようかなと思ってた。
 
でも『ぼくはだれ』は、とにかく亀矢さんがかわいそうで見てられないのよねぐすん
(と言いつつDVDは持ってる件)
 
ということで(?)、結局予習しないでうろ覚えのまま観に行ってしまったアセアセ
 
 
 
 
今配信してる回の『ぼくはだれ』もとても良いし(いしだ壱成さんがとにかく良い)、この二本もとても良い。
 
奥田警部補、浜谷さんとテイさんが動と静という感じでどちらもすごいんだけど、私はとにかくテイさん奥田警部補の冷静さが怖いのよアセアセ
 
今回、当日パンフで奥田さんの名前がなかったから、『あれ?証人で出廷しないの?』って思ってたら、そうだった、奥田さんも起訴されちゃったんだよね。
(例え出廷してたとしても平然と嘘つきそうだけど)
 
でもその後、亡くなっちゃってたのね…
(そこまで『ぼくはだれ』で言ってたっけ??)
 
※『ぼくはだれ』『ゼロ番区』を観ていなくても、今回の舞台の話はちゃんと分かるので大丈夫です。
 
 
 
 
 
 
 
 
今回は亀矢さんの裁判員裁判が舞台。
 
Twitterでセットの写真公開されたと時にすごいなぁって思ったけど、実際見てもやっぱりすごい。
 
客席が傍聴席になってるのね。
 
 
 
 
 
冒頭は『ぼくはだれ』の内容を少し。
 
そうなの、亀矢さんは冤罪なのよぐすん
 
ここでかかる曲、『ぼくはだれ』のラストの場面でかかる曲だよね。
 
この曲がとても良いし、ぼくはだれを思い出すしでちょっとうるうる。
 
 
 
 
 
市田書記官、井関裁判官、竹中裁判官で話すところ。
 
市田さんおもしろい(笑)。
 
それに対する井関さんと竹中さんの反応もおもしろかった。
 
選ばれた6人の裁判員。
 
岡安さん見に行くのが久しぶりで嬉しくて、岡安さん演じる中村さんを結構ずっと見ちゃった。
 
裁判長、裁判官に説明受けて綱島さんが質問した時、隣で教えてあげようと口を開きかけたのとか、そのあと裁判長が答えたのを聞いて『そうそう』って頷いてたのとかよかった。
 
それと「人の生死にかかわるんですか?今から辞退することってできないんですか」って言った河西さんに対して中村さんが説明してあげた時、中村さんと河西さんの間に座ってた綱島さんに小さい声で「ごめんなさいね」って言ったのちょっと笑っちゃった。
 
岡安さん、やっぱりいいなぁニコニコ
 
そして審理が始まる。。。
 
亀矢さん本人と山下弁護士は無罪を主張。
 
検察官の橋本さん、とてもキリッとしててかっこよかった。
 
全然関係ないんだけど、提出された証拠を裁判長と裁判官が書類やり取りしながらみんなが見るところ、なんか『ダヴィンチの最後の晩餐みたいだなー』とか思ったり。
 
裁判長の「起訴されているという時点で99%有罪の印象があると思うけど、それは捨ててください」っていうのはとてもよく分かるんだけど、実際はなかなか難しいよね。
 
1日目が終わって、みんなの感想。
 
当たり前だけど、みんなそれぞれ意見があって。
 
FAXの内容についての指摘はなるほどなと思ったり。
 
私は冤罪だって分かって観てるわけなんだけど、これが何も知らない状態だったら、検察からの印象操作にだいぶ染まってしまいそう。
 
中村さん、前に出てきて疑問点を挙げて、みんなに注目されてることに気付いて「ハッ!」ってなったのおもしろかった。
 
その後、山口さん、藤原さん、綱島さんで何の仕事をしてるのかとか話すところ。
 
藤原さんが刑務官やってたと。
 
ああ、この前の場面の浜口刑務官の話もそうだけど、ゼロ番区にここで繋がるのね!
 
市田書記官の話もおもしろかった。
 
25歳年上の人と結婚して、奥さんの連れ子がいること。
 
それを知らない山口さんたちが市田さんの子どもの年齢聞いて「いちばん上が30で…」って答えたの聞いて戸惑うのとか。
 
市田さんほのぼのニコニコ
 
入れ違いで裁判長と中村さんが入ってきての会話。
 
やすしくんの事件の判決について。
 
10年前、やすしくんの事件の判決を出したのは北坂裁判長、当時は記者をしていて、その事件を追っていたのが中村さん。
 
なるほどな……
 
 
 
 
 
そして次の審理。
 
証人が二人出てくるんだけど、これがどちらもリスさんだったニコニコ
 
1人目は現場から走り去る人を見たという近所の住人。
 
橋本さんが何度も同じ質問して、山下さんが誘導尋問だって異議申し立てするけど却下されたの不思議。
 
逆で同じようなことがあったけど、それは通ったし。
 
ここでなんとなく橋本さん寄りな印象を受けた。
 
2人目は亀矢さん行きつけの居酒屋の大将。
 
この大将のクセよ照れ
 
あのヅラ&ピカチュウのTシャツかわいかった(笑)。
 
「もう退廷されていいですよ」って言われてもブツブツ話してて全然出て行こうとしないのとか(笑)。
 
でも、大将が変に亀矢さんとの間に壁を作ったような態度を取ったり、逆に過剰に庇ったりもせず、ほんと普段通りって感じなのよかった。
 
その後『奥田警部補との約束』は本当にあったのかという話に。
 
だけどその会話は記録されてないし、肝心の奥田警部補は亡くなっちゃってるし、何も証拠がないもんね、、、
 
裁判官、裁判員から亀矢さんに質問。
 
FAXの内容の話から動物の話に。
 
牧場に行って妹さんが馬に乗った時の話にはグッときました。
 
あの声の震えとか。
 
亀矢さんと中村さんの会話ぐすん
 
亀矢さんは客席に背を向けて座ってるから表情は見えないんだけど、これで表情見えてたらほんと泣いちゃう。
 
検察の求刑は死刑。
 
弁護側は無罪を主張。
 
 
 
 
 
その後、今西さん、藤原さん、河西さんで話をして。
 
今まで頑なな態度だった今西さんのこと。
 
お兄さんがある事件を起こして、今死刑囚監房にいると。
 
でもお兄さんはずっと無罪を主張してる。
 
だからあんな突っかかるような態度だったのね…
 
そのお兄さんを元看守だった藤原さんは知ってる。
 
ああ、ここもゼロ番区に繋がる。
 
兄がやったんだと自分に言い聞かせてたけど、もしかしたらやってないのかもしれない。
 
藤原さんの「面会に行ってあげてください」っていうのよかった。
 
そして評決へ。
 
最初にひとりひとり意見を。
 
今西さんが聞かれた時、今西さん涙が出てきて何も言えなくて、それを隣で気遣うように見てた河西さんよかった。
 
まずは有罪か無罪かの多数決を。
 
それで有罪に決まったので、次は刑を決める。
 
死刑か無期懲役か。
 
 
 
 
 
判決の日。
 
判決は死刑。
 
ああーーーーー
 
ここで私は亀矢さんのことしか見てなかったから、中村さんとか今西さんとか、裁判員のみんながどんな表情してたのか見ればよかったと今思ってる。
 
亀矢さんが退廷する時に山下さんが「明日面会に行くから」って言って亀矢さんが頷くの、これもこちらから亀矢さんの表情は見えないんだけど、亀矢さんの頭がほんと「うん」っていう感じで動いたの、それが私はなんだか心にきた。
 
市田さんが電話して「死刑判決でした」って報告するのもなんだかグッとくる。
 
つらい。
 
このあと山下さんと橋本さんが話すところもよかった。
 
 
 
 
 
拘置所に帰る亀矢さんと浜口刑務官。
 
「なんでこんなことが起こるんでしょう。ここまできたら笑えてきますよ」って亀矢さん笑い出すけど、それが痛々しくてつらい。
 
 
 
 
 
このあと?かな?
 
竹中さんが自分の評決が正しかったのかと裁判長に聞くところ。
 
ここもよかった。
 
裁判長がやすしくんの事件のこと言ってるのも。
 
 
 
 
 
そこからナレーションでその後のことを。
 
上告してもまた死刑判決。
 
でも裁判の時から話には出てた防犯カメラの映像を故意に隠してたことが発覚。
 
これ、隠してたの検察って言ったのか警察って言ったのかよく分からなかったんだけど、これが検察だったらさ、前の場面での橋本さんが山下さんに言ったことは嘘じゃんかと思ったり。
(まぁでも奥田さんのあの取り調べのことがあるから、隠してたのは警察だったのかな)
 
それで現在他の事件で服役してる人が真犯人だったと。
 
ここで亀矢さんに希望が見えてよかった。
 
最後はやすしくん。
 
裁判長がやすしくんに無罪判決を言い渡す。
 
やすしくんの刑は執行されたって劇中言ってたし、これは北坂裁判長が『そうすればよかった』っていう空想のワンシーンっていうことだよね?
 
リスプロ、そしてナナプロでも『ゼロ番区』って何度か上演されているけど。
 
ゼロ番区の初演が20年前ということだし、設定年齢と実際の年齢の差の問題とかいろいろあるんだろうけど、私は“リスさんの”やすしくんが見たかったので。
 
今回は後ろ姿だけ、やすしくんとしてのセリフもなかったけど、リスさんのやすしくんが見られて本当に嬉しかったです。
 
あの水色のジャージと野球帽。
 
リスさんのやすしくんは『ぼくはだれ』でしか私は見てないからなぁ。
 
リスさんぐすん
 
 
 
 
 
『ぼくはだれ』で浜谷さん、知束さん、塚原先生が演じてきた亀矢さん。
 
浜谷さんの亀矢さんは私見てないんだけども。
 
知束さんのも実際見に行ったわけではなく、DVDで見たんだけども。
 
その亀矢さんを今回はシャルさんが。
 
前もブログかTwitterに書いたかもしれないけど、シャルさんって今までほんわりと優しい役が多かったような印象。
 
それこそ『ぼくはだれ』では山下弁護士の役だったし、あと『しがらみ』のじゅんちゃんとかさ。
 
それが『イキザマ3』の団長さんとか『ほしぞらのしたで』の張さんとか、幅にほんと驚く。
 
そして今回の亀矢さん。
 
シャルさんとてもよかったぐすん
 
何か話している時の表情をあまり見られなかったのはちょっと残念だったけど、でもあの後ろ姿と声だけで魅せるというのはすごいよ。
 
とても真摯なのが伝わってきたし、だからこそ希望が破れてしまって泣き笑いみたいになっちゃったのがつらい。
 
 
 
 
 
それと気になるのはやっぱり岡安さんの中村さん。
 
やすしくんへの判決について、裁判長を責めるようなことを言ってた中村さん。
 
申し訳ないけど『ゼロ番区』がうろ覚えで(汗)、やすしくんへの判決は中村さんの言う通り裁判長が自分の出世のためにそうしたのか、何かの圧力があったのか分からないけど。
(来月確認してきます)
 
死刑判決からの、真犯人見つかって無罪。
 
それを知った時の裁判員のみんなの想いは如何に。
 
評決の時に中村さんは「無罪だと思う」って言ってたし、有罪って決まっても量刑は死刑じゃなく無期懲役の方に手を挙げてたけど。
 
でも傍から見たら「無罪だったのに死刑判決を出したのか」って思う人だっているでしょうよ。
 
いくら中村さんが最初から無罪だと思ってて評議の時にそう主張していても、一生そのことは言えないんだからね。
 
皮肉にも裁判長と同じ立場になるという。
 
 
 
 
 
 
 
 
私も数年前に裁判員やったので、いろいろ思い出しながら観ました。
 
私の場合は殺人事件ではなかったし、被告は罪を認めていたんだけど。
 
今回の舞台のような内容だったらほんと怖い。
 
いや、本人が罪を認めていたって、その量刑を決めることもほんと怖いんだけど。
 
上にも書いたけど、無罪を主張していても、やっぱり起訴されてるっていう時点で怪しいって思っちゃうもんね。
 
証拠もだけど、検察側と弁護側から受ける印象で軸がぶれてしまいそうな怖さ。
 
犯罪や裁判がまったく関係なくたって、第三者として当事者双方の話を聞いて感じ方とか印象が変わるなんてこと、日常生活でも多々あることだと思うよ。
 
あるいは自分の目から見たことを話して『え、そういう風に捉える?』とか。
 
最後の場面で亀矢さんが浜口刑務官に言ってたけど、ほんと境界線は曖昧だと思う。
 
有罪か無罪かの境界線もそうだけど。
 
いつ自分がそうなるか。
 
「カッとなって」っていうのがもしかしたらあるかもしれないし、亀矢さんみたいなことも可能性はゼロじゃない。
 
今は監視社会というか、至る所にカメラがあるけど、その証拠を故意に隠されたらもうどうしようもない。
 
被害者になる可能性だってある。
 
それからこれは舞台観ても思ったし、私自身裁判員やってる時も思ったんだけど。
 
まったく知らない他人の人生を決めるという話し合いの中で、休憩の時とか合間に「今日お昼ごはんはこれを食べに行きましょう」とか「今度飲みましょう」ってふと日常の会話をする時。
 
裁判の間、普通に家に帰ることとか、好きなものを食べるとか。
 
そのことに違和感というか、なんともいえない気持ちに。
 
被告人は何の自由もないのに。
 
まぁ、それはそうなんだけど。
 
私たちの日常が、なんて自由なのかというね。
 
ここもある意味『境界線』なのよね。
 
うまく言えないもやもや
 
 
 
 
 
 
 
 
いやはや、いろいろと考えさせられる舞台でした。
 
シャルさんが本当に良かった。
 
素敵です。キラキラ
 
 
 
 
 
 
 
 
亀矢被告人
横関健悟
 
山下弁護士
伊原 農
 
橋本検察官
株元英彰
 
北坂裁判長
生津 徹
 
井関裁判官
真壁勇樹
 
竹中裁判官
河津未来
 
山口裁判員(裁判員①)
清水拓蔵
 
今西裁判員(裁判員②)
山田朝華
 
藤原裁判員(裁判員③)
朝枝知紘
 
中村裁判員(裁判員④)
岡安泰樹
 
綱島裁判員(裁判員⑤)
高森由里子
 
河西裁判員(裁判員⑥)
永吉悠人
 
市田書記官
中尾太一
 
浜口刑務官
村井崇記
 
片山・恵村証人
松本 匠
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
赤坂見附から劇場に行く間に、赤坂青野っていう和菓子屋さんがある。
 
10番出口を左に出てすぐのところ。
 
本店は違う場所だけど。
 
ここのお菓子、スティーブ・ジョブズが好きだったんだって。
 
渥美清さんも。
 
ということで、帰りに赤坂もちを買って帰ったよ。
 
豆大福も買おうと思ってたけど、売り切れだったアセアセ
 
 
 
 
信玄餅みたい。
 
 
 
 
ってか、この食べ方↑は間違ってるのねタラー
 
信玄餅もだけど、包んである風呂敷みたいな包装紙に中身をあけて食べるのが正しい食べ方なんだそう。
 
きな粉がすごく余るな…って思ったんだけど、そっか、包装紙にあけてお餅にまんべんなくまぶせばいいのかもぐもぐ
 
今日はそうやって食べてみます。
 
お餅にクルミが入ってておいしかったです。