こんな事まで説明しないとわからないの⁉️(普通級に通うASD児の親御さん) | 言語聴覚士(ST)のつぶやき

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小児のST(言語聴覚士)をしています。
訓練方法などはあまり書く予定はなく、訓練室での出来事を書いています
※個人情報がわからない様に書いています。

発達が凸凹のお子さんの言語訓練をしています。
小児ST(言語聴覚士)歴、十年と少しです。


普通級に通う小学校4年生のお子さん。
グループ訓練に通われていました。

その子のお母さんからお聞きしたのですが。。。

学校で、電車に乗って、大きな公園(地元ではかなり有名)に遠足に行ってきたそうです。

後日、授業で、遠足のことを作文に書きましょう!と言われ、
時間内に作文を書き、提出しました。


返却後の作文をお母さんが見ると・・・


まず、電車に乗った事が書かれていて・・・・

    

  ・・・・以上、終わり


要するに、電車に乗った事や、車窓の景色を詳しく書いてあり、それで、遠足の作文終了となっていたのです。

※その子は大の電車好き。印象に残ったのが電車だった。


お母さんは、

「電車に乗る事も遠足のうちだけど、

 遠足の目的地の公園のことも書かないといけないんだよ❗️」

と冷静になって伝えたそうです。


お母さん、時々、

なんでこんな事まで説明しなきゃいけないんだろう、

と投げ出したくなるそうです。

※時々殺意さえ湧くそうです(ここだけの話)


知的に遅れのない軽いASD(自閉スペクトラム)のお子さんをお持ちの親御さんは大変です。

こんな事が日常茶飯事だからです。


私の子どももASD(自閉スペクトラム)ですが、ガッツリ知的障害入っています。

現在では、日常的な会話は出来ていて、

小さい頃は本当に大変でしたが、大人になった今では、とても落ち着き、

さまざまな人達に手助けしていただきながら、さまざまなサービスを受けて生きています。


でも、知的に遅れがないASDの子は、手帳を持っておらず、セーフティネットからこぼれがちです。

精神障害の方の手帳を持っている子もいますが、何も持っていない子も多いです。

親御さんの悩み、心配は尽きません。


今はとにかく、

「〇〇ちゃんの言っている事はわかるけど、一般的にはこうなんです。」

「多くの人はこのように考えるから、覚えておいて!」

と、1つ1つコツコツ覚えてもらうしかありません。

いろんなことをインプットしてもらい、その蓄積したデータベースから将来、


「僕はこう思うけど、みんなは多分こう思ってる」とか、

「今のはチョッとまずかったかな?」


と、自分なりにうまくいく方略を身につけていって欲しいです。


一般の障害については、軽度になればなる程、親御さんの負担が減るのだけれど、

小学校以降のASD(自閉スペクトラム)に関しては軽いASDのほうが

親御さんの負担は大きくなる気がします。

※あくまでも、私の個人的な考えです。