【言志四録を詠み解く引き寄せ短歌シリーズ】第96回です。
佐藤一斎の《言志四録》の《言志録》からご紹介します。
【書き下し文】
『性(せい)は同(おな)じゅうして質(しつ)は異(い)なり。質の異なるは教(きょう)の由(よ)って設(もう)くる所(ところ)なり。性(せい)の同じきは、教(きょう)の由(よ)って立(た)つ所(ところ)なり。』
《 言志録 99 》
【訳文】
「人間は本性は同一であり、気質が異なる。気質の異なるところが教育の必要な理由であり、本性が同じであるところが、教育の効果がある理由である。」
参考文献:講談社学術文庫《言志四録(一)言志録》
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そもそも人間の本質は同じで、異なるところは気質であり、能力や性格などです。
この気質は一人ひとり異なるものであり、これは個性だといえるでしょう。
今回の一節は教育の理由と効果について説いていますが、教育は個性を伸ばすためにあるものです。
そして、人間の本性が同じであるところが教育の効果がある理由であると説いています。
この人間の本性とは、向上心ということになるでしょうか。
向上心とはより良く生きるために自分の個性や能力を発揮するためのものです。
そして、この自分自身を発揮するうえでは、人生を楽しんで生きることがとても重要です。
こうした意味から、向上心にはある種の楽しさがないと持続しません。
子どもの教育はそれぞれの個性を尊重することが大前提であり、そのうえで知的好奇心を育むことが一番の目的でしょう。
そして、成長していく過程で自分自身の意志や力でその個性を伸ばしていけるように補助するのが教育の大事な役割なのだと思います。
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楽しんで
生きていくのが
本性を
活かし個性を
育んでいく
見つけたよ
自分自身が
好きなこと
いつしか夢中で
取り組んでたよ
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教育は子どもの能力が劣っているから行うのではない
知的好奇心を育み個性をおおいに伸ばしていくためもの
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本日も
ご覧いただき
ありがとう
ございます
【R050513】