「やるべきことがあるから俺たちは幸せなんだ」
稀代のメジャーリーガー・イチローと、ロック界のカリスマ・矢沢永吉。それぞれの世界で頂点を極めたふたりは、自身の人生を振り返りつつ、仕事へのこだわり・人生に対する考え・夢を持つ事の大切さ…など、様々なテーマについて深く熱く語り合います!
2006年3月民放BSにて放送された特別番組を、単行本では番組編集段階でカットされた部分も含め、ノーカットで掲載!ふたりが初めての対談で発した言葉のひとつひとつ――それはまさに『哲学』。この対談から意気投合したふたりの、筋の通しかた。人生のヒントとなる熱いメッセージの数々が散りばめられた、すべての日本人必読の一冊です!!

●やっぱり、音楽好きなんですよ。やっぱり、いいステージしたいんです。ステージ立って、客がアンコールで盛り上がったときに、純粋に「今日、サイコー」って思ってる自分がいるわけですよ。【矢沢永吉】

●僕は必要だと思ってるんです、自分に重荷を課すということは。ひょっとしたら32歳の僕にとっては、まだ早いことなのかもしれないですけど。でも、人生のいろんな節目節目で、僕はそれが必要だと思ってるんですね。【イチロー】

 

✨イチローが矢沢永吉に語った夢

収録は矢沢が所有する都内一等地のビル(レコーディングスタジオなども完備)にイチローが招かれる形で行われ、終始和やかなムードで進められた。対談では、イチローが矢沢に夢を語る場面があった。イチローの夢とは、「50歳まで現役バリバリでプレイする」というもの。おそらく、矢沢が50歳を超えてもなお第一線で活躍する人物であるため、この話題を持ちかけたのだろう。

矢沢にこの夢を持つのはなぜかと尋ねられたイチローは、設備や道具などが昔と比べて格段に進化しているにもかかわらず、選手の寿命だけが昔と同じはおかしい。大半の選手は40歳で引退するという固定観念を変えたいと語っている。

二人に共通する想いとは?


しかし一方の矢沢も、30歳くらいのときには「俺、50歳まで歌うぞ」と周囲に言っていたという。
というもの、当時は「50歳過ぎて、まさか武道館でマイク蹴飛ばしてちゃいけねえだろう」という固定観念があった。だからこそ、それに抗って「いや、俺はやるよ」というモチベーションに変わったとイチローに語っている。

イチローと矢沢、フィールドは違えど、第一線で戦い続けることで「固定観念を変えたい」という共通の想いを持っていたことが分かるだろう。

イチローと矢沢は似ている?


互いが似ていることを、矢沢自身も感じたのだろうか。対談では矢沢が、「イチローさん、ヤザワの若いときに似てますよ」と称した場面もあった。

その理由を矢沢は次のように語っている。


「イチローさんがさっきから言ってることって、やっぱり筋、通してるしね。(略)ちゃんとポリシーとして持ってらっしゃるし」
「僕が『なめられたくない』って言ったじゃないですか。形こそ違うけれど、イチローさんにもその気持ちがあるんですよ」

矢沢はそういった意地や気概を持っている人間は、苦しい状況でも踏ん張れる。だからイチローも本当に現役で50歳までプレーできると思うと語った。