正直なところ、前回の日本旅行の時、もう日本に来るのはこれが最後だろうと思っていて、
正直なところ、今回も日本よりヨーロッパに行きたかったんですが、日本好きの主人に負けて、
バケーション先を日本にしたんです。
この二週間の滞在で、考えること、思うことがありました。
今まで私のブログを読んで頂いてきている方達は、私の日本への思いへの変化が、
これからの私の文章から、感じられるのではないかと思います。
今回初めて、主人と二人だけの気ままな旅行で、居酒屋に行ったり、温泉に行ったりと、
楽しめたということもあるでしょうし、
高校の同級生達に、私が日本に帰って来ていることが伝わり、
集まってくれたり、電話を入れてくれたりした “男子” や “女子” がいて、
30年以上も音信不通の私なのに、会いたいと思ってくれる人達が日本にいるということが、
とても嬉しかったというのもあるでしょうし、
そして、すっかり年をとり、丸くなった親の姿も、合わさるのでしょうが...
私には、日本に帰る度に会う友達が二人います。
一人は回顧録に書いている、前夫が亡くなった後、行き場がなく途方に暮れていた時、
二歳だった息子と私を、当時彼女が住んでいた小さなロンドンのアパートに迎えてくれた
高校時代の親友。
あの時の恩を一生忘れないと心に誓ち、お土産を抱え、必ず会いに行きます。
そして、もう一人は、26年前に満開の桜の下で、泣きながらお別れをした当時の親友です。
会えば、昨日まで一緒にいたかのように、盛り上がるのですが、
「楽しかった。 ありがとね。」 という連絡と、「帰るよ。」 というメールの間は、
全く連絡なしの私でした。
お互い子育てで忙しかったし、そんな友情もいいと思っていたんです。
今回、「帰るよ。」 とメールを入れた時、
桜の下でお別れをした彼女から、「話したいことがある。」 と返事がありました。
文面から、相当苦しいことがあったことが感じられたので、
会ってすぐに、ドキドキしながら、恐る恐る、何があったのか訊くと、
ご主人が一年前に肺ガンで、突然亡くなったことを話してくれました。
一年経っていても、「○○くんが亡くなったの。」 という言葉をはっきり言えない彼女に、
どれだけ今でも苦しんでいるのか感じられ...
この一年をどれだけ苦しんできたのか、私には手に取るようにわかり...
私がもし知っていたとしても、何もしてあげられたわけではないことがわかっているのですが、
知らずにいたことが申し訳なく...
私が日本に、気持ちまで不在でいた間に、友が苦しんでいたことが申し訳なく...
涙がぽろぽろ、ぽろぽろ...
そんなことを考えている時、ある友人がフェイスブックに、
大好きな小説 『ALCHEMIST』 (日本語のタイトルは 『夢を追う少年...』 だったか?)
のブラジル人の作家、PAULO COELHOの言葉を載せていて、
後悔の気持ちを胸に朝目覚めるには、人生は短過ぎる
だから、あなたのことを考えて接してくれる人達のことを愛し、
そうでない人達のことは忘れてしまいなさい
全ての出来事には理由があるということを信じなさい
もしチャンスがあるなら、掴みなさい
もしそれがあなたの人生を変えるのなら、なるがままにさせなさい
人生は楽とは誰も言ってない
価値があるに違いないと保障しているだけ
“もしそれがあなたの人生を変えるなら、なるがままにさせなさい”
という部分が胸に響き、
私は、これからなるがまま、意地を張らず、素直な心で、
日本に対する自分の気持ちを変えていこうと思ったのです。
今まで私の携帯電話のコンタクトには、日本人の名は一人もなかったのですが、
日本で流行っている様子のLINEを作って、彼女とも繋がり、
さっき、“おやすみ。 SWEET DREAM。” と送ったところです。