今のこんなアメリカ、見たことがありません。
私はアメリカ在住が24年目になりますが、こんなの初めてのことです。
私はフットボールのことはよくわかりませんが、主人が観てたスポーツニュースで、
重要な試合前かなんかの記者会見で、監督が自分のキャリアの中でこんなに注目を浴びるインタビューはないと、
自分の栄誉的な話ではなく、涙を浮かべて、先週の小学校乱射事件について語り、
このままではいけない、何とかしてほしいと、政治家に訴えていました。
名の知れた若いビデオゲーム評論家は、敵を撃つ戦争やゾンビのゲームをプレイする気になれないと語っていました。
昨夜、主人と、事件が理由で公開が一週間伸ばされたトム・クルーズの映画を観に行ったのですが、
拳銃の的が子供に向けれらるシーンに、“No!” と声を漏らしたは、私だけではありませんでした。
この国は、他人の子でも子供を可愛がり、大切にします。
子供を守る法律はとても厳しく、
通学路でのスピード違反は高額の罰金額だし、未成年との性関係は一生がダメになるほどの刑だし、
DCFという子供を守る警察みたいな政府の部があり、親でも厳しく取り締まります。
ご主人がブラジル航空のお偉いさんで、子供達を連れていろんな国に駐在したことがある知人が、
アメリカ人ほど、子供の心、精神、健康、安全を重視する人達は他にはない...
子供にはパラダイスのようなところだ... と昔、言っていました。
そんな子供好きのアメリカですから、今回の事件ほど国全体を悲しみに沈ませた事件はないように思います。
私も他の人と同様、9/11の後はテレビの前に釘付けとなり、どういうことなのか理解しようとし、
この前の映画館でなどの乱射事件は、犯人について知りたく、ニュースや記事を追いました。
でも、今回は、事件の後はテレビをつけませんでした。
将来への希望に満ちた笑顔の子供達の写真、胸をかきむしるような痛みに堪える親達の映像、観たくなく、
最低限の必要な事情を知り、オバマ大統領の涙のスピーチを観て、
それ以上は野次馬的な興味心のようで、不謹慎な気がしたのです。
テレビも観ず、会話にも出さず、自分で心の中で悔やみ、悼みました。
そんな人が多かったようです。
今回は、犯人もたった20歳の青年で、
学校側も先生達も精一杯子供達を守り、非の打ち所がなく、怒りを向けることができません。
向けれているのは、拳銃に関するの法律です。
NRA(全米ライフル協会)の政治上のパワーはものすごく、NRAを敵に回すと選挙に勝てないと言われます。
いくら国民が同意しても、NRAがあるため、アメリカは他の国のように拳銃を制限する法律が作れません。
自己を守るという憲法があるからと拳銃保持が認められ、戦争の武器のようなパワフルな銃ですら買えるんです。
こんなアメリカは初めてのことです。
だからこそ、NRAですら敵に回し、法律が作られるような気がします。 そう信じたいです。