川淵日本サッカー協会最高顧問は、なでしこジャパンの将来について楽観的な見通しを持っていないようだ。
経済セミナー4・5号での取材に次のように答えている。
「欧州でも人気選手は結婚すると家庭に入ってしまうので、女子サッカーの先行きはそんなに明るくないと、この前、オフト元日本大京監督も言っていた。子供を産んでサッカーを続けたのは、日本では宮本ともみだけです」
「まだ女子サッカーの歴史は浅いので、これからサッカーを続けられる環境をどうつくり出すかという問題がありますね。今、ヨーロッパでも相当力を入れてやっているので、大きくかわっていく可能性がある。」
「宮本ともみはできたんだから(中略)彼女は子供とベビーシッターを連れてヨーロッパ遠征へ行きましたから。その成功例をみて、我も我もと後に続く選手が出てくればいいと思います。」
日本代表クラスでさえも出産後の現役続行が難しい環境があることに触れた後、女子サッカー選手特有の育成環境の問題点を挙げている。
「小学校では男の子と一緒になれるわけですね。(中略)中学校に入るとサッカー部がないからほとんどがやめてしまって(中略)今の問題は中学校にサッカー部をどうつくるかです(中略)いちばん伸びる中学時代に女子サッカー人工を減らさないことが重要ですね。サッカー部がないと、運動能力の高い子はほかの狭義にいってしまうのです。」
「中学校年代にサッカー部がないため、発展が阻害されている。これを僕は、「暗黒の世代」と言っているのですが、多大な損失です。問題意識をずっと持っているのですが、なかなか解決策が見つからない」
米国では、サッカーはむしろ(アメフトに比べると)女性向きのスポーツと捉えられているため、日本の中学生のようなハンデはないのかもしれない。スポーツのような特殊な才能を求められる分野は子供の頃からの積み重ねがモノを言う。
しかし、2011年のWCと2012年の五輪で大活躍をしながらも、トップが依然危機意識を持ち続けていることは素晴らしいことだと思う。
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