一般人の生成AI利用制限 | 牧村しのぶのブログ

牧村しのぶのブログ

漫画家牧村しのぶのブログです。
新刊、配信情報、創作関連の記事を投稿しています。
Xもご覧ください。https://twitter.com/buncho108

生成AIをブログで活用する人も多いようですが、実は一般利用者の使用は個人的、家庭内に制限される見通しです。

 

内閣府が5月28日に発表した「『AI時代の知的財産権検討会』の中間とりまとめ」によると、事業者と一般利用者は別扱いになっており、一般利用者は「AI生成物の使用を個人、家庭内の利用」に制限されます。これはCDの複製は個人、家庭内での利用に限って認められ、不特定多数への配布、販売は禁止されているのと同じと理解できます。著作権法で認められている私的利用のための複製の範囲です。公衆送信(ネットへのアップロード)、DL、商用利用は違法になる可能性が高いということです。

 

図を掲載した記事は「日本経済新聞」有料版(無料登録でも閲覧可能)ですので周知されにくくなっています。

 

元の内閣府のファイルはこちらにあります。

https://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/chitekizaisan2024/0528_ai.pdf

業務外利用者(一般利用者)は「安全性を考慮した適正利用」を求められ、期待される取組事項例に「AI生成物の個人的・家庭内での使用 」と書いてあります(記事の図と同じです)。

 

規制されればブログで他人の著作物を無断利用した生成画像を使うことは制限されますし、文章生成AIの利用も制限されると考えられます。

 

既存の著作物を改変して販売したりクリエイターに嫌がらせしたりする悪用は個人がしているため、個人の利用を制限する方針には賛成します。

ただしネットにコンテンツをアップして広告収入等を得、プロと自称する人が多いため、事業者と個人を分ける明確な基準が必要です。また法規制でなければ効果は期待できません。

 

LoRAを使った模造品の生成販売、嫌がらせが横行しています。
LoRA配布に使われているサイトです。
自分の名前を日本語と英語で検索してみてください。
抗議したクリエイターにさらに嫌がらせを重ね、近親者にも危害を加える、殺害予告を止めない悪質な利用者がいますが、いまだに逮捕もされていません。現行法ではこうした狡猾な脱法利用者を止められません。

 

悪用がどれほど酷いものか何度も書いてきましたが、一部を再度ご紹介します。これらはごく一部にすぎません。SNSでの嫌がらせもありますが、支障がありますので触れません。

 

他人のコンテンツでLoRAを作り

海外サイトで配布。削除要請が通りにくく放置。

イラストを成人向けのLoRAに改変

配布。削除されず放置。

一般女性のLoRAを作り配布。
削除要請受理。規約では性的でない実在人物のLoRA投稿可能。
(問題のある米国のサイトCivitai)

他人の著作物をcc0(著作権放棄)で配布

pixiv、FanBox(有料)等から画像取得、データセット作成。


これらに抗議して声を上げた人は
「反AI」と呼ばれ嫌がらせの的にされます。