完成前に公開すれば盗まれる | 牧村しのぶのブログ

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昭和の昔レスリー・チャンに嵌まって香港映画を見ていました。

レスリーの似顔絵(仕事絵)が商業誌に載ったこともあります。

当時の映画情報誌で香港映画には脚本がないという記事を読んで驚きました。俳優は当日指示されて演技する独特の撮影方法だという話でした。パクリが常態化し、脚本が盗まれるからです。

今確認のために検索してみると、いくつか記事がありました。

翻訳家の方が香港で、当日朝台本を渡され日本語に翻訳する仕事をしたそうです。これは確かな話です。理由は他社にパクられてしまうからです。

 

イラストも漫画も、日本でもパクられることはあっても例外で、無法者はパクリ検証スレで厳しく批判されるため抑えられていました。むしろ似ているだけで炎上するのが気の毒なほどでした。

日本はルールを守る国民の多い国だと思っていました。

 

しかし今は生成AIで二次創作と自称して特定の作家に似せた生成物を自分の名前で公開して販売する人が増えました。成人向けに改変する規約違反も横行しています。作家が削除要請しても無視する悪質な利用者もいます。

完成前の途中経過をDLしてAIで先に完成させ、オリジナルとして公開する極めて悪質な利用者もいます。被害側にすれば、全ての利用者を疑って自衛する他ありません。


香港映画ではありませんが、完成前に公開すると盗まれる恐れがあります。人間は製作に時間がかかるため、投稿の間隔があいてしまいますが、完成品を予告なくガードの固い場に投稿する以外自衛する方法がありません。

しかしそれではSNSに慣れ親しんだ人々に見てもらえる機会が減り、創作文化そのものが衰える恐れもあります。

せめてAIを利用したことを明示する義務と学習拒否権を明確に法で定め、違反者には厳しい罰則を与えて創作を守るべきだと思います。