イラストレーターに対して、人間も学習して描いているから生成AIも学習して生成して良いという人がいます。まともに反論すると術中に嵌まります。確かに絵を描く人は過去の多くの絵を見ています。しかし写真は違います。
私はLAION-5Bを何度も様々な単語で検索して、出てくる画像のほとんどが写真でイラストは一部であることを確認しています。漫画、イラスト、と指定しなければ写真で撮影できるものは写真が出てきます。撮影できない幽霊や妖怪ならイラストや合成写真が出てきますが、基本的には画像生成は写真に依存しています。
問題になるディープフェイクも写真から作られています。
写真はカメラで撮影するものです。カメラには脳はありません。
過去の写真を学習して新たな写真を作ることはありません。またその写真の二次創作もしません。出来上がった写真を後から人間が加工した作品はありますが、イラストとして評価されます。
フォトコンテストではトリミングや色調・コントラストの調整等の加工にも制限があり、RAW(原版)の提出を求められることもあります。
写真は被写体を写すもので、過去のデータから生成するものではありません。写真に似た画像を生成AIで出力することは可能でも生成された画像は事実の記録という写真固有の価値を失います。それはディープフェイクです。
生成AIは写真に寄与せず、写真が一方的に搾取されます。
時間と費用をかけて撮影したオーロラの写真と、生成AIで作ったオーロラの画像がストックサイトで競合するのは不当です。
AI使用を隠す僭称もあります。
日本写真家協会が声明を出し権利の保護を求めています。
またクリエイターに直接嫌がらせをする人もいます。
被害を受けているイラストレーターの方の投稿です。
投稿後、メールがたくさん届いており返信が遅れております。殺されるかもしれないです。 pic.twitter.com/ufhvMKlWch
— 裏方 (@urct) January 10, 2024
ルールを守って製作されている二次創作(二次的著作物)を生成AIによるコンテンツの無断利用と同一視しないでください。
まして嫌がらせは絶対に許されることではありません。
追記
人間の脳の学習とAIの学習の違いについてはメルボルン大学の研究者の論文をご参照ください。