絵を使わせれば裸にされる | 牧村しのぶのブログ

牧村しのぶのブログ

漫画家牧村しのぶのブログです。
新刊、配信情報、創作関連の記事を投稿しています。
Xもご覧ください。https://twitter.com/buncho108

昨日の記事でも書きましたが、生成AIユーザー対象のアンケートでは、男性がほぼ7割、30代40代が多数、Stable Diffusion利用者がほぼ7割と多く、ジャンルは女の子がほぼ6割、センシティブ(アダルト)が4割近くいます。センシティブではない健全タグにも水着、胸元を見せるなど着衣のエロが含まれます。

 

ネットで見る投稿は女の子のエッチなイラストが多いという印象と一致します。Stable Diffusionを使う人が多数派ですが、私の絵もデータセットに入っているため無関係とはいえません。

直接生成に寄与しているかどうかは個別にデータを開示してもらわないとわかりませんが、データセットに入っている人は、特に女性の絵なら使われる可能性があるということです。

 

性表現も含めた規制にはずっと反対しています。漫画では服装はキャラクター、心理を表現する重要な要素で、時間をかけて考えながら描いています。服装や容貌を外部から規制されれば人間を描けなくなります。囚人服やコルセットのように服を着せることによる抑圧や搾取もあります。脱ぐことが解放になることもあります。それを表現する自由を守りたいと思います。

 

しかし生成AIのデータセットに無許諾で絵を入れられ、不本意な形で使われたくありません。推進側は新しい創造に期待するようですが、現実には中年男性ユーザーが多く、ポルノを作れるStabe Diffusion利用者が多く、センシティブな女の子の絵を作る人が多く、むしろ旧態依然です。

 

ただ絵を見るだけなら、嫌いな絵は見なければ良いですみます。

しかしデータとして他人に使われるとなると別問題です。

 

人気のあるイラストレーターがセンシティブな絵を作られ、規約違反だと批判され自作ではないと弁明しています。それ以前にも公式の絵を裸体化された成人向けを作られたイラストレーターがやめてほしいと訴えています。ファンから指摘があって気づく場合もありますが、海外にも利用者がいますから、知らない場合もあると思います。

 

日本ではモデルを特定できない絵は児童ポルノとみなされませんし、よほど誇張しなければわいせつ物ともされません。

国家権力に守られてセンシティブな絵を作る人が多い中で、絵を素材として無条件に提供することを公益として強要されているのが現状です。それに異議を申し立てれば反AIと叩かれます。

 

絵をデータとして使わせればどこかで誰かに裸にされる、どんな歪な変形を加えられるかわからない、どこで晒しものにされるかわからない、嫌がらせをされるかもしれない恐怖と不安がずっとあります。

それだけでも非常にストレスになっています。

安心して絵を公開することも販売することもできません。

見てくれる人を信用することもできなくなっています。

依頼されれば断るような広告にも使われたくありません。

誤解を受けるような政治利用もされたくありません。

一応保護ツールを使っていますが、消すこともできるため充分ではありません。

 

日本では学習段階では海賊版の利用まで認めていますが、外国製を使う現実の利用者が何をしているか見てほしいと思います。

 

権利者の意思を尊重する法規制を求めます。