昨日の記事でAI生成着物イラストによくある間違いを画像で解説しました。
左前、長襦袢の半襟が左前、おはしょりがない、襟が裾までついている、肩山・袖山に縫い目がある、帯・帯揚げ・帯締めがおかしい、抜衣紋ができておらず襦袢が着物の上に出ている、などの
着付けだけでなく着物じたいがおかしい絵が多いのが特徴です。
現実に着付けのおかしい人は時々いても、着物はおかしくありません。着物がおかしいのが生成AIの特徴です。
振袖、黒留袖、色留袖、訪問着、浴衣の描き分けもできません。プロンプトに書いても正確に反映されません。
私がFireflyで生成した結果からましなものを選びました。
振袖
黒留袖
本物の黒留袖
本物の色留袖
本物の訪問着
プロンプトをきちんと書いても黒留袖に紋が出ませんし、振袖と留袖、訪問着の違いも出せません。振袖の半襟が左前、帯揚げがない、浴衣の袖山に縫い目があるのも間違いです。
海外では洋服と同じ左前、肩山、袖山に縫い目のある着物が着られており、その画像もあるため正確にできません。
着物については特に生成AIには頼れません。
着物は高価ですから、成人式や結婚式でしか着ない、全く着ない人もいます。私自身成人式は親の金で振袖を着ることに反発して出席もしませんでした。着物にこだわる人を「着物警察」と皮肉りたい気持ちもわからないではありません。
しかしプロは必要があれば何でも描かなければなりません。女性漫画で結婚式の絵を描くことは避けられません。ですから着物の資料も集めて使っています。
仕事で関われば間違いは許されません。
着なくても構いませんし、嫌いでも構いません。しかしそれなら着物に関わる仕事を選ばず、着物の絵を売らなければ良いと思います。間違いのある絵を売れば、気づかない人が買って年賀状等に使って恥をかくことになります。後からお金を返せといわれることもあるかもしれません。
ネットにある画像が間違いだらけになり、画像検索が使い物にならなくなる弊害もあります。
クリーンで間違いがなければ使い道はあります。
しかしユーザーに知識がなければプロンプトを正確に書けませんし、生成結果が正しいかどうかもわかりません。
努力せずに生成AIに頼っても優位には立てません。