デジコミができるまで | 牧村しのぶのブログ

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2011年に初めて配信を始めました。担当編集者の企画で、出版社を通した商業配信です。
その時に、自分で自由に配信した方がいい、あなたならできる、という励ましをいただきました。
しかし到底できるとは思えず、1年ほどたってからようやくデジコミ修行にかかりました。
紙の出版が凋落し、配信は伸びてきており、デジコミに切り替えないと仕事がないと思ったからです。
過去の作品も自分で編集して配信したいと思いました。しかし漫画のタイトルページは編集者が
漫画家の絵を素材として作ったものです。著作権が全て漫画家にはあるわけではありません。
そこで表紙用のカラーイラストからデジタルで始め、できた絵を使って配信しました。
https://www.shinobumakimura.org/e-book/
次にモノクロで漫画を描き下ろしたいと思いましたが、当時使っていた安いタブレットでは、思うように
線画が描けず、諦めかけました。聞くところでは、液晶タブレットがあれば、紙に近い感触で描けるはずです。
しかし価格が高く、踏み切れませんでした。じりじりと苛立ちながらネットショップをチェックしているうちに、
定価より安いアウトレット品を見つけて手に入れることができました。箱に傷があり、液晶にも汚れがついて
いましたが、その汚れはふき取ることができ、問題なく使えました。
そして液タブ修行に進んだのですが、今度はスタイラスペンが扱いにくく、フエルト芯を使ってみて初めて
紙に近い感触で描くことができるようになりました。
そしてようやく自由制作したデジコミをイラストサイトに投稿しました。
(全部は投稿していません。)
https://www.pixiv.net/member_illust.php?id=12406329&type=manga
何点か習作を上げてから、デジコミ推奨、デジコミでないとできない作業を含む仕事を受注できるように
なりました。仕事そのものは、紙から配信に移行して増えてきており、以前からお話はありました。
紙の雑誌とは色々条件が異なりますが、コストを切り下げて時間を短縮することで、何とか仕事になります。
その効率が悪いと、受注できません。1作のページ数が雑誌より少ないのが普通ですし、また雑誌のように
最初から高い原稿料を支払うという話は聞きません。原稿料より後から印税で稼ぐものです。
何人もアシスタントを入れて描いてもらう、という原稿料を当てにした体制ではできません。
後は自分の力と工夫次第だと思います。
描いた作品は夏以降に配信されます。順次告知いたします。
しかしデジコミもまだまだ効率が悪く、改善しないといけない課題が山積みです。
地味な下積みで夏が終わります。