前回のブログは眠くなりませんでした?
難解な本はいくら省略してもなかなか難しいですよね
残念ながら今回は前回の続きなんですキリッ
せっかくBighit公式ショップから発売された『ユング魂(心)の地図』を読んだので書いちゃいますけど、私は関係があると感じています!
この本の内容と結び付けるBTS STORYは私が今までこじつけてきたりえっぺ説も含むので、初めましての方は順番に読むことをオススメします
(前回同様、抜粋省略等しますが、本の内容は青字です)
『ユング心(魂)の地図』 マレイン・スタイン 入江良平訳
“元型が浮上する時それは「魔術的」と言うよりも、まさに「霊的」と呼ばなければならないような、明らかにヌミノースな性格を持っている。
元型はよく夢や空想形象の中に霊として現れたり、幽霊のように振る舞うことさえある。
そのヌミノースな性質は神秘的であり、心情に対しても効果を及ぼし、自らの目標へとせき立てたり主体を呪縛したりする。
全ての神話、全ての宗教、全ての主義の本質的内容は元型的である。”
ヌミノースって聞きなれない言葉ですが、神や神聖なものを感じた時や、音楽や絵画、舞台などの芸術に触れ、身体の深いところから揺さぶられるような気持ちになったり、木々のざわめきや海の波の音を聞いて深く感動したり、目覚めた時に泣いてしまうほどの夢の中での体験など、何とも説明できない沸きあがってくる感情などをヌミノース体験というそうです
ヌミノース体験は元型が夢などに現れた時にも起こるのだといいます
【元型】とは前にも書いたことがありましたが、代表的なものに、自我(エゴ)・影(シャドウ)・ペルソナ(仮面)・アニマとアニムス・太母と老賢者・自己(Self)などがあります
自我(エゴ)は、意識の中心にあって、人間の行動を調整し現実に適応させます
“自我意識が拒否したものは影になり、自我意識が肯定的に受け入れ協調し、吸収したものは自我の一部またペルソナ(仮面)の一部となる。
影とペルソナは、私たちが自分だと思っている心の内部に存在している。”
影(シャドウ)は、全く気がつかずに、抑圧されているもう一人の自分、分身
今思えば、影は、象徴的に「WINGSショートフィルム」に出てきていましたね
“ペルソナ(仮面)は、他者の顔と出会い、彼らに好かれ、彼らと同じようであるための私達が身につける顔だ。
私たちは自分が他者とあまり異なっていることを望まない。
なぜなら私たちが他者と異なっているところ、それでペルソナ(仮面)が終わり影が始まるところは、私たちを恥じ入らせるからである。
影とペルソナは対であり、自我の両極として心の中に存在している。”
ペルソナ(仮面)は、社会に対応するためのタテマエであり、人は複数の仮面を使い分けています
服装や身の回りのものを通して表現されることが多く、場面にふさわしい格好で仮面を表現しようとします
「Singularity」や「FAKE LOVE」では、仮面そのものが登場しましたが、衣服、靴、帽子、持ち物、箱…など様々なものがペルソナ(仮面)の象徴なんだそうです
ということは…「NOT TODAY」で死者ダンサーたちが脱ぎ捨てる上着や、「Spring Day」でジンテテが脱ぐ上着、海に流れ着き、最後に木にかける靴などは、社会的な表向きの仮面を外して本当の自分と向き合う段階の表現だった?
服の山は多くの人が外した仮面の山だったのか!?
“心理的発達の課題をみれば、それは統合ということであり、統合の鍵は自分自身の受容にある。
通常私たちの理想イメージには属さないような自分自身の部分を完全に受け入れるということだ。
私たちが恥じる個人的な側面は、しばしば根源的に邪悪だと感じられる。
人々が心理療法において、あるいは人生経験を通して成長するとき(成長を通じて葛藤を乗り越え、新しいペルソナ(仮面)を身につけ、そして以前は受容できなかった自己の部分を統合する時)そこにこの過程を認めることができる。”
統合の鍵は仮面(箱も象徴のひとつ)の下にある本当の自分自身を受け入れることなんです
仮面を外し自分自身を見つめ、葛藤を乗り越え、自分の邪悪な面も受け入れることで成長し、新たな仮面を身に着けるんですね
“アニマアニムスは、ペルソナ(仮面)を補足し、自我が心の深みに入り込み、それを経験することを可能にする。
アニマはラテン語で魂、アニムスは霊を意味する。
影は相手に対する関係を通して初めて認められるが、アニマアニムスは異性に対する関係を通じてしか認められない。
影のイメージが恐怖と不安を掻き立てるとすれば、アニマアニムスのイメージは通常興奮を引き起こし、結合への欲求を刺激する。”
アニマは、男性が無意識の中に持っている女性原理(男らしくあるべきという社会的要請によって抑圧された女性的要素)、情緒、感情、恋愛などを司るものです
いわば『魂の女性』で、そのアニマに基づいて、男性は心の中に『理想の女性像』を作り上げます
男性の夢に登場する女性はすべてアニマと考えてもいいようです(アニムスは女性にとっての『心の中の男性』)
神話では、ギリシア神話のアフロディーテもアニマの一例とされています
アフロディーテは別名ヴィーナス、美と愛の女神ということで、エジプト神話のハトホルと同一視されています
太母(グレートマザー)は母なる存在で、アニマと被りますが、聖母マリアもグレートマザーです
他にも、迷路、渦巻き、月、地下世界などもグレートマザーの象徴なのだそうです
地下=〈地母グレートマザー〉の胎内にある冥界に死者たちを迎え、死者が〈胎児〉に戻り、再生することができるという意味合いもかねています ~唐草図鑑母なるもの~
そういう意味では、地下から迷路、月、渦巻き(ワームホール)を通過して楽園に向かい復活再生する物語とこじつけられなくもない
また、ギリシア神話のヘラや、エジプト神話のイシス やヌトもグレートマザーの例にあげられます
私のエジプト神話説では、イシスはホルス(グク)の母親でもありましたね
マイナスのマザーを払拭し、素晴らしい太母像として創造力豊かに育んでいくことが目標なのだそうです
老賢者(オールド・ワイズ・マン)は、学校の先生、校長、警察官、仙人などの権威ある男性の姿をとって成長の導き手となりますが、老人とは逆に永遠の少年の姿をとることもあるそうです
象徴としては、先の尖った高峰や雷、空を羽ばたき飛ぶ大鷲のイメージだったり、冥界の王(オシリス=シュガ!)などがあります
他にもトリックスターという破壊と創造の元型もあります
イメージとしてはピエロ、ルシファーなどです
“ユングは自己(self)が最高位の元型として考える。まずは聖書の伝承、ついでグノーシス主義や錬金術と自己の多くの象徴的表現を論じた。
私たちの誰もが自分自身の内に神のイメージ(自己の刻印)を担っているのだ。
自己象徴の出現は心が統一される必要があることを意味する。
自己イメージとしては円や四角や星型といった幾何学的構造はいたるところに見られる。
その他の自己イメージとしては、宝石、ダイヤモンドやサファイアのように高価で稀な石だ。
さらにその他の自己の表現には、城、教会、容器やコンテナ、そしてもちろん車輪などを含む。
特に車輪は中心を持ち外に放射状に広がるスポークを付け外輪で終わる。”
自己(self)は、ユング心理学のゴールに位置するもので、安定と調和を担い、心が分裂したり危機的な状況に陥る時に、自己(self)の機能が働きだし、イメージとなって表れます
霊的で治癒的な性格を持つ魂(神イメージ)の心の象徴が自己(self)です
本文にもあるように、聖書の他、私が今まで触れてきたグノーシス主義や錬金術も絡め、ゴールの自己が神のイメージなんですね!
自己(self)の象徴イメージは丸、四角、十字などの幾何学模様や、三次元の二重ピラミッド、マンダラなど
幾何学模様は時々出ていましたね
私も神聖幾何学のフラワーオブライフと結びつけていました
自己の象徴は他にも、ブッダ、夢、宇宙人、錬金術師、両性具有、蓮の花、ヘビ、太陽 …
山や湖、木や花で表されることもある
容器、コンテナ、球体も自己(self)の象徴 え、コンテナも!?
“あらゆる文化において 英雄(HERO) 及びヒロインのイメージが理想として掲げられる。
英雄(HERO)は自我発達を成し遂げたものの理想的イメージであり男性はこれを模倣し賞賛すべしとされる。例えばペルソナ(仮面)と影(シャドウ)とか、自我(エゴ)とアニマの葛藤に直面するという課題に取り組むことで人が得るもの、それは「勇気」である。
それは心の二つの基本要素(意識と無意識)の間の衝突から生じる発達過程である。”
仮面を外し、自分の中の元型と向き合い、葛藤し受け入れて愛し、自我発達をした自己は勇気を手にし、神、英雄のイメージになる
英雄=HEROです
愛と勇気を持つヒーロー…といえばアンパンマンですよね⁉だからアンパンマンだったの⁉
「嬉しいんだ 生きる喜び たとえ胸の傷が痛んでも 何のために生まれて何をして生きるのか 恐れないで 愛と勇気だけが友達さ みんなの夢守るため」
深い!アンパンマン深いぞ!
先日のMAMAのアンパンマンを歌う前の1シーンを振り返りましょう!↓
アルバムジャケットデザインでグラミーノミネートされたHusky Foxの記事では
『「LOVE YOURSELF」アルバムシリーズは、愛のときめき、偽りの愛が向き合う別れの痛み、それによって自分を愛することがすべての愛の鍵というメッセージで展開され、ミュージックビデオのみ披露した「起Wonder」の画像では花が咲く前の芽を、「承Her」は満開の花、「轉Tear」は散る花びら、「結Answer」は花びらが落ち残された花びらをハートに形象化した。
「花びらが落ちて残ったのは最終的に自己への愛と自尊心」という表現である。』
やはりユング的に感じてしまう
先日発表してくれたジミンの「約束」での中の君は、僕のことであり、自分自身への歌だということでした
ナムジュンから「君の光も闇も全部お前というのを知って欲しい それを認めず許可してしまうともう本当に価値がない(Vappの自動翻訳がちょっと微妙)」というアドバイスがあったそうです 若干ユング寄りに誘導された感()
(動画お借りしました)
(ユング「魂の地図」はあと少し…文字制限で次回に持ち越し~)
※文献、画像等お借りしました