あんにょん
こちらのブログはなんとなく続いているので、番号順にお読みいただいた方が入りやすいです
途中からだと なんだこれ?危ない人が書いてるじゃんと驚いちゃうのでよろしくお願いします
楽園への行き方③を書こうと思ったのですが・・先日こんなニュースがありました
寄付キャンペーンにナムジュンがヘルマン・ヘッセの古典「デミアン」を愛蔵品として出品したそうです
~防弾少年団 RM、寄付キャンペーンに1冊の本を出品…“アルバム「WINGS」にインスピレーションを与えた作品”~
アルバム「WINGS」創作にあたり使用したものでしょうね
「デミアン」は「WINGS」に大きく関わるのに、私は読まないままこのブログを書いていたんですよ
やーっと昨年夏に読みました! そうしたらちょうど心理学者ユングを調べていた時期でもあり、「これユングじゃん!」と感じたんです (ユング心理学については~79 宇宙卵と青い花②~~80serendipity編~で書いてます)
しかし今更過ぎて「デミアン」については書きにくくどうしようかと思っていたのですが、今回のニュースで今しかない!と思いましてww 書いちゃいますね!
前にも少し書きましたが、ヘルマン・ヘッセはユングの弟子と関わり影響を受けて書いたものだそう
ユングの描いたマンダラにはアブラクサスや羽の生えた宇宙卵の中の子どもが描かれていました
このユングの絵と同じような文が「デミアン」にもあります
『鳥は卵からむりに出ようとする.卵は世界だ.生まれようとする者は、ひとつの世界を破壊せねばならぬ.鳥は神のもとへ飛んでゆく.その神は、名をアブラクサスという』 (実吉はやお訳:岩波書店)
ナムジュンも#AWAKEで朗読している「デミアン」の一文です
今までにも書いたように、もう一人の自分を理解し破壊し、統合して宇宙卵(世界卵)を割りひとつ上の世界へランクアップするユング的物語なんですね
どうユングっぽいのかピミルも絡めて長々書こうかと思ったらドンピシャでグノーシス主義と絡めて書いている方がいらしたので、興味のある方は覗いてみてください↓←手抜きかw
グノーシス主義とは物質と霊の二元論に特徴がある1世紀に生まれた宗教・思想です ピミル団体との関係も深く、あのマークの真ん中の【G】は、神(GOD)、幾何学(Geometry)、黄金(Gold)、グノーシス(Gnosis)などの意味があります
アブラクサスはエジプト神話ではイシス神の眷属で選ばれしものを天国に連れていくそうですが、グノーシス主義のアイオーン(神)でも悪魔でもあり、時間の神でもあるそうです
グノーシス主義の系譜を示すテンプル騎士団(ピミル関係)の十字はWINGSツアーのマークにも似ており、極秘の紋章はアブラクサスです AWAKEのジンの壁紙と同じですね
ユングはグノーシス主義や錬金術の研究をしていました
そこから影響を受けた「デミアン」は、主人公ジンクレエルが、アニマ(男性から見た心理学的性質で夢の中に現れる想像原型)であるベアトリイチェや、グレートマザーであるエヴァ婦人などと出会い、神でも悪魔でもあるアブラクサスを良く知るオルガン弾きのピストリウスに導かれ、そして鏡に映る自分自身であり理想の自己投影でもあるデミアンと統合し、自己実現を果たし成長していくユング的グノーシス主義的物語のようです
私がその他 気になったところをいくつかあげると、カインとアベルについてのデミアンの説明と、主人公が現実のような不思議な夢を良く見ることが夢見のようであることや、オルガン弾きのピストリウスはシュガと重なるところです
旧約聖書でのカインはアダムとイブの長男で弟のアベルを妬み殺してしまいます
カインは楽園の東の僻地に追放されますが、ヤハウェ(旧約聖書の神)はカインを守るため殺されないように刻印をつけます
なんだかこの話って、エジプト神話でいうところの、弟オシリス(シュガ)を妬み殺してしまう兄セト(ジン)が、殺されることなく、ラー神によって僻地に追放される話にも似てますね
(一説によるとグノーシス主義は次元は違うがカインとアベルの弟であるセトを、エジプト神話のセトと同一視していたそうです)
一般的には悪人としてのカインをデミアンは違った解釈をします
『消印のようなものが本当についていたわけじゃない。つまり見慣れているより以上の、才気と勇気が宿っている、というようなことなのさ。一般の人というものは、いつだって自分につごういいものを望むんだ。カインの子孫をこわがって、ありのままのものとしてでなく、反対のものとして説明したんだ。気味の悪い種族はつごうがわるいことなんでね、みんなはこの種族にあだ名をつけたり、伝説をくっつけたりして、恐怖の埋め合わせをしようとしたんだ。(デミアンの言葉)』 <第2章 カイン 抜粋>
なんだか本当は汚名をきせられただけで悪者でないと主張するカインがピミル団体の話みたいにも感じましたよ
また、オルガン弾きのピストリウスに誘われ話を聞き、焔を見ているうち、ジンクレエルは焔の中に鷹やヘビを見、やがて自分自身の内心の色々な性向に気づき、自我感情が高まっていきます
その曲は「ブックステフウデのパッサカリア」です↓
『すべての対話はぼくの自己形成を助けてくれた。どの対話の中からも、ぼくは頭を、前よりもいくらか高く自由にもたげて行って、ぼくの黄色い鳥は、こなごなになった世界の殻の中から、突き出したのである。
たびたびぼくらは、たがいに自分の見た夢を、語り合ったこともある。ピストリウスは、そういう夢を判断するのがうまかった。(ジンクレイルの言葉)』 <第5章 鳥が卵からむりにでようとする 抜粋>
焔で導いてくれるピストリウスの話は、焔で浄化してくれるシュガみたいじゃないですか!?
同じような意味合いで、カトリック教会の伝承では、魂は天国と地獄の中間で「清めの火」によって浄化され、天国に向かうという煉獄(れんごく)があります ダンテの「神曲」でも「天国編」の前には「煉獄編」があります
その絵を見ると、「NOT TODAY」の山にそっくりですね!!
「NOT TODAY」のMVは最初と最後に焔が出ますし煉獄であるのかもしれません
「FIRE」の位置づけも同じように、魂の審査を通過してきた者たちが、焔で浄化され、楽園に行けるのでしょう
「死者の書」は数千年の間で何パターンにもなり、様々な解釈がされています
何冊か読んでみても内容が違っていて、火についての記述が見当たらないものが多かったので、私の「FIRE」編で書いた焔で魂を浄化とはカトリック的な話を取り入れていたんです
しかし、一番bighitが採用してるかもしれないと感じてきた「死者の書」ウォリス・バッジ版を読んだら、焔の浄化らしきシーンが出てきました!
それは「4つの焔(ほのお)の祭り」というものです
この祭は天界の広場で4つの角形の槽(プール 浴槽のようなもの)にアヌビス(ホビ)と4人の神々が火を燃やす祭であり その焔と煙は地上で彷徨う霊たち(カー)まで降りていき、目覚めさせ 彼らのバーを復活させる=死者が 霊として生まれなおす、つまり霊としての復活のための焔と煙のお祭りなのだそうです
「MIC DROP」の煙もこの煙かな?
で「FIRE」を見直したら
地上で彷徨う魂を4つの焔「FIRE」で回復復活させ、「NOT TODAY」などの煉獄も超えて楽園に向かいます
「FIRE」での最後の花火はブラックホール(ワームホール)を生み出す衝突実験のようでもありますし、「MIC DROP」でのメンバーが飛ぶシーンや「REFLECTION」とリンクしているようにも思います
見返してみると、「FIRE」で爆発した後の最後の扉の音は「AWAKE」のジンの部屋の扉の音と同じなんです
「AWAKE」のジンが一人で座る取調室レースタウでの夢見が終わり、戻った寝室の扉の音なんですよね
しばらく出てきてなかったのでお忘れだと思いますが、ウアジェトは別名「焔の偉大なるもの」
コブラとしては悪しきものを退ける手厳しい守護者であり、審判者、ラーの娘でホルスの保護者、炎の化身でもあるんです
煉獄の焔をウアジェトがともすこともあるのかも
そして聞こえる「FIRE」のMV最後の扉が開きます
楽園への聖なる扉はジンの寝室なのでしょうか
寝室でゆりの花びらに火をともした時、魂を浄化して楽園に送っていたのかもしれません
楽園への前には焔の浄化があるということで、「FIRE」冒頭ではシュガが死者と握手してカセットプレーヤーを回して火をつけました
前回までで、カセットプレーヤーも楽園へ行く道具の一つであるとわかりましたよね
シュガはあの死者を楽園に送っていたんですね
「MIC DROP」の燃えながら落ちてくる人々も焔の祭りをした人々で煉獄で焔の浄化を受けた死者たちなのかな
って見直すとスティーブ青木さんデカイな!
古代エジプトの神って巨人説があるんですよ 「FIRE」の影がボーンと大きくなるシーンとか巨人神を表してたのかもしれない
「死者の書」では楽園に行くまでには、7つの門をくぐり、更に21の門をくぐらなければなりません(諸説あり) レースタウから始まり楽園へのハトホル(ジン)の扉までにはたくさんの扉をくぐっていきます
現世と来世を往来するための門なんてものもありますが、BTSのロゴが扉に変わったのもなんとなく納得ですね
このたくさんの扉を開けていく「Spring day」のワンシーンも楽園へのいくつもの門をくぐった表現かな?
楽園に行くためにはユング的に、ジン自身も自分を見つめ、認め、愛さなければならないようですね
どんな展開になるのか楽しみです
※画像、文献お借りしました