ブログ 全体目次

 先日、TVの「博士ちゃん」で、葉加瀬太郎さんが音楽についていろいろ解説してくれていて、久々に音楽教師として楽しんで見た。

 そこで「音階」「君が代」についても解説しておられたのだが、音階については、アラビア音階の解説を中心に以前ブログに書いたことがある。

 

 実は「君が代」についても、教務主任時代に職員向けに書いたことがあるのだが、ブログではまだ載せたことがなかった。なぜかというと、一部の社会科教師を中心に君が代は教員の中でいろいろ思いを持っておられる人が存在するからだ。

 しかし、「博士ちゃん」であんなにしっかりと解説しているのだし、現役教師を引退した今なら書いてもいいかなと、以下に当時書いたものを載せようと思う。

 (コメントに文句が来ても返信はいたしませんのであしからず。)

 

   ◆   ◆   ◆

 

 バンコク日本人学校に赴任して1年目、27歳のとき。(※今から37年前です。)

 2月に入って卒業式の練習のため、音楽の授業で「君が代」を練習していたときのことだ。二人の先輩教師が、授業まっ最中の音楽室に飛び込んできた(二人とも社会科教師)
「なんで、この歌を教えているんだ!」
「この歌がどんな歌か知っているのか!」

 入って来た途端、いきなり子どもたちの前で立て続けに怒鳴られた。

 若干27才の5年目教員の僕は、何がなんだかわからず、でも、今一番大切なのは、子どもたちに動揺を与えないこと、先生同士がぶつかっている場面を見せないことだと思い、とにかく外へ出て頂き、別の場で話を聞かせてもらうことと、とりあえず今は練習をやめることを約束して引き揚げてもらった。


 管理教育で有名だった僕の市では、生徒の時も教師になってからも、いわゆる「君が代問題」を実感したことなどなかったのだが、音楽教師として一応知識はもっていた。

 僕自身はあまり興味のない問題ではあったが(ごめんなさい)“神聖な僕の音楽室”に怒鳴り込んできた2名の教師への怒りを根底に、派遣先のバンコクでは、国歌や国王賛歌が流れるとみんな直立不動になるほど重んじられている国家感への敬意とそれがない日本への恥ずかしさなど、いろいろ思いを巡らせながら、今後どうしていこうかと考えた。そして、二人の先輩に立ち向かうにあたって、君が代問題の背景を一夜漬けで勉強し直した。


 翌日、二人の先輩を前に、君が代問題に理解を示しながら、こう宣言した。
「僕らはこれだけの歴史を、問題を知っているから、今こうして議論し合えるんです。ここで、子どもに君が代を教えず、歌わせずに済ましたら、それは、日本が昔、国民にしてきたことと同じことをすることになります。だから、僕は今後も君が代を教え、歌わせます。ただし、今、こういう問題を君が代が持っているということも同時に教え、家でも話題にさせ、一人前になってから歌うか歌わないか自分自身で判断しろと言うことにします。」と。
 二人の先輩教師は、不承不承、僕の言い分をのみ、僕はまた、君が代を教えることとなった。

 

 君が代は「不起立騒動」なども昔はよくあったし、僕の尊敬する先生で歌わないっていう方も実際におられた。

 はっきり言って僕自身は君が代に対して、アメリカみたいにもう少しかっこいい歌にならないかな等と不謹慎なことを思ってる人間だ(ごめんなさい)

 しかし、真っ白で純粋な子どもたちの前で、自らの“主義・主張”を優先するのだけは間違ってると思うのだ。

P.S. 当時書いたこの職員向けのコメントには、実は続きがあるのです。ネット記事に載ってたある議員さんが卒業式の来賓挨拶で不起立教員に向けたびっくりするような言動<2012年3月12日掲載記事>と、その後の本人のブログコメントを引用した、少々生々しい内容なのでカットします。(※興味のある人は個人的に連絡をください。)