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 先回、保護者の座席表について書きました。今回はクラスの席替え方法について。


 リーダーを生かすために班活動を活性化するために果ては団結したクラスづくりのために席替え=班づくりをします。

 意図のない席替えは、教師の怠慢。「いろいろな子と友だちにするためにくじで」という担任もいるかもしれませんが、そういう意図なら“偶然”に期待せず、それこそそういう意図をもって席替えを工夫すべきです。
 以下、一つの方法です。もちろんこれをまねずとも、「意図をもって工夫する」という点を参考にしてもらえたらうれしいです。

 毎週行う班長会で、生徒と学級の諸問題を話し合いながら、席替えの時期を判断します。そろそろかなと思ったら、班長会にかけ了承を得ます。その後、クラスの生徒に席替えを行うことを発表し、1週間後に班長を立候補で募ること、また5名の班長の立候補が出なければその1週間後に延期することを明言します。生徒は責任ある班長を誰にするのか、自分たちの中で考えます。6名以上の立候補が出た場合、班長としての「意志表明」をしたあと多数決で選びます。


 班長が決まったら、その帰りに臨時班長会。班員を班長が選びます。その際、教師側は、同小学校出身者は2名まで、現在の同じ班も2名まで、などの“攪拌条件”を出します。班長は好きな子をとりたいのだけれど、攪拌条件を考えるとそうもいきません。また次のようなとり方をすることで、ますます好きな子だけを集めることはできなくなります。


 まず一人目は、異性を選ばせます。自分が頼りにできる子、ものが言える子、副班長をまかせられる子など考えるように促して。最初にこれをすることで、単に好きな子を選べばいいという意識を排除することにもなります。そして同性。次に異性、というように、順番に選んでいきます。その都度、攪拌条件に反していないか班長会で確認をしていきます。重なった場合は、その子が自分の班になぜ必要か主張させるなどして班長会全体で考えます。


 このやり方で注意しなければならないのは、どうしても選ぶ際に順番ができ、最後に選ばれる子もいるということ。これに関する考え方をきちんと指導しなければ、このやり方は成り立ちません。そこで、

「今回は君たちが班長だったから、そしてたいへんな攪拌条件があったから、たまたまこの子たちが最後になった。でもこの子たちにしたら最後ってのは気分のいいものじゃないし、もしかして別の子が班長をしたら、君ら自身が最後に選ばれるかもしれない。誰を最後に選んだとか、どういう順番に選んだとかは、もうこの時点からは関係ない。これから班長をやるにあたって、皆公平に考えていくことが、一番大切だよ」

と語りながら、この考え方をしっかり認識させ自覚させます。この会議で、この言葉で、班長のリーダーとしての自覚を、さらに高めるのです。


 班長にはその後、5つの班の班位置を選ばせ、翌日までに班員の座る位置を決めてくるように指示します。もちろん男女交互席。そこでも、授業がうまくいくためには、給食時など会話が弾むためには、などのペアや位置を考えるよう言っておきます。翌日給食後に、班と班との境に来る席の子の人間関係を、班長会で確認します。
 その後、正式決定をし、帰りの会で発表。翌週より新しい班の動きが始まります。班長は、それまでに、給食や清掃の分担、班ノート(※別の機会に紹介します)所信表明の記述、班ができてからの班掲示の案など、いろいろなことを考えておくよう指導します。全てリーダーとしての自覚を促す手だてです。

 こうして動き出した班を、教師は日々の生活だけでなく班長会でも見守り支えながら、自分が普段見えない場面での生徒の動きも知ることができるのです。生徒が、クラスが、大きく成長していくこと、まちがいなしです。