まずは一生懸命 | 果しなき流れの果に

果しなき流れの果に

文筆業を生業とする1970年生まれ。好き勝手ばかりしてきた20。人生について考え始めた30代。ここから先、40代は「誰かのために」をキーワードに書き続けます。弱い自分をさらけ出せる事を目標に進化前進。仕事の依頼も随時受け付けます。

 力の源カンパニー、アルバイト研修の打ち上げは、福岡市内のとあるモツ鍋屋だった。
 飲食で客を感動させる男は、歌舞伎で客を感動させる男と出会った。
 たまたま、隣で食事をされていたのは、市川染五郎さん一行。
 偶然それとも必然。それはわからない。
 ただ、ふたりとも、至極自然体だった事が、僕には印象的だった。

「一風堂でアルバイトをしております、河原成美でございます」(成) 

「一風堂さんには、いつもお世話になっております」(染)

「お父さんの代から応援しております」(成)

「ありがとうございます」(染)

 まわりの空気と自然に馴染み、冗談を言い、笑顔を交し合う。

 ちなみに、染五郎さんのお母様は、博多出身である。

 モツ鍋はさらに美味に感じる。

「俺は決して、優秀な男じゃなかった。例えば、音楽や演技で世の中を変えられるような才能は持っていなかった。だから、いまここにいるんだ」
「そんな俺は、たまたま飲食が好きで、たまたまラーメンと出会った。でも、そのたまたま好きで出会ったラーメンで、俺は、世界を感動させたいと思った」

「世界中の人たちに、僕ら日本人、日本を、感じて欲しい。自分の住む街に、一風堂が出来て雰囲気が明るくなった、楽しくなった。そういうシーンに、もっとたくさん出会いたい」

「お客さんに喜ばれる秘策なんてないよ。まずは、一生懸命やることだよ」
~果しなき流れの果に~ 『博多 一風堂』 店主、河原成美・取材記 border=


 今日も情熱をたくさんの感動、感謝、そして「ありがとう」を頂戴した。

 ありがとうございました。 FIN
~果しなき流れの果に~ 『博多 一風堂』 店主、河原成美・取材記 border=
(追伸/ある意味、ふたりを結びつけた男。33歳のバースディケーキをおすそわけした事から始まった)