力の源カンパニー、アルバイト研修の打ち上げは、福岡市内のとあるモツ鍋屋だった。
飲食で客を感動させる男は、歌舞伎で客を感動させる男と出会った。
たまたま、隣で食事をされていたのは、市川染五郎さん一行。
偶然それとも必然。それはわからない。
ただ、ふたりとも、至極自然体だった事が、僕には印象的だった。
「一風堂でアルバイトをしております、河原成美でございます」(成)
「一風堂さんには、いつもお世話になっております」(染)
「お父さんの代から応援しております」(成)
「ありがとうございます」(染)
まわりの空気と自然に馴染み、冗談を言い、笑顔を交し合う。
ちなみに、染五郎さんのお母様は、博多出身である。
モツ鍋はさらに美味に感じる。
「俺は決して、優秀な男じゃなかった。例えば、音楽や演技で世の中を変えられるような才能は持っていなかった。だから、いまここにいるんだ」
「そんな俺は、たまたま飲食が好きで、たまたまラーメンと出会った。でも、そのたまたま好きで出会ったラーメンで、俺は、世界を感動させたいと思った」
「世界中の人たちに、僕ら日本人、日本を、感じて欲しい。自分の住む街に、一風堂が出来て雰囲気が明るくなった、楽しくなった。そういうシーンに、もっとたくさん出会いたい」
「お客さんに喜ばれる秘策なんてないよ。まずは、一生懸命やることだよ」
今日も情熱をたくさんの感動、感謝、そして「ありがとう」を頂戴した。
ありがとうございました。 FIN
(追伸/ある意味、ふたりを結びつけた男。33歳のバースディケーキをおすそわけした事から始まった)