非常時に栄養面から優先したい支援 | 栄養士堀口泰子〜食からつくる元気と幸せのかたち〜

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健康的で美味しく食べる食事術を伝えています。

離乳食から介護予防まで様々な食育活動のなかで、健康に役立つお米の食べ方を紹介。

競技競技力向上ための心と体の成長に注力

スポーツ栄養豆知識、簡単レシピ、お仕事キロクを載せています

能登半島地震により、犠牲となられた方々にお悔やみを申し上げるとともに
被災されたすべての皆様に心よりお見舞い申し上げます。

寒さの中で不安な時間をお過ごしの方々のことを想うと胸が張り裂けそうです。

栄養士としてお伝えしておきたい

栄養面からの支援物資の優先順位



①水
飲水だけでなく、衛生上必要な水

☆非常用保存水は非常食を調理する水量も含めて
アルファ米を戻すには水が必要です。
乾パンやビスケットも水分がないと飲み込みにくい
普段は食品に含まれる水分からも補給ができていますが、非常時は特に水分不足に陥りやすい。
また、薬を服用されている方がいる場合、そのための飲水も加味する必要があります。
高齢者や持病のある方、被災地で水ではなく、お茶が配布される場合もあるでしょう。
ベビーには液体ミルクは届いているのかな。
衛生管理に水が必要なベビーや医療用品を使用している方想定以上に必要になるはずです。

②炭水化物、脂質
まず優先すべきはエネルギーの確保
体温維持、生命維持のためにはたんぱく質よりも先に必要
温かいおにぎりが食べられると一番良いのですが、、
○非常用缶入りパン(乾パンでなく柔らかいもの)
製パン会社さんがいち早く動いていましたね。
少量でエネルギー補給ができるチョコ入りや、栄養補給できるレーズン入りタイプがあるといいな。
水が必要なくて食べられるもので飲み込みやすいものは1つ必ずあった方がよいです。
「飲むおにぎり」なども賞味期限は1年と短いですがよいかも。

○非常用きな粉餅(水で戻すタイプ)
お湯を沸かさなくても冷たい水でも戻しやすい
あんこや安倍川味もありますが、たんぱく質と食物繊維をとれるのできな粉推しですが
非常時に少しでも気分が晴れるように家族が好きな味が良いです。

③たんぱく質
サバ水煮缶、やきとり缶詰、高野豆腐、水煮大豆缶

④ビタミン、ミネラル
被災から2〜3週間経つと欠乏が出てきます
感染症予防や災害による持病等、健康状態悪化を
防ぐための配慮が必要になります。
二次避難が始まっていますが、被災者の皆さんに
1日も早く物資が届きますように。

○缶入り野菜ジュースや非常用野菜スープ
栄養補給の意味もありますが、アルファ米やカップ麺をお湯を使わずに戻すのにも使えます。
水の復旧が読めない場合は調理する水の代わりに野菜ジュースを優先的に使います。
湯を沸かせなくても水よりもアルファ米が食べやすい。


○インスタント、フリーズドライ味噌汁
乾燥野菜が多く入っているタイプを野菜ジュースと一緒に使えます。
湯を沸かす環境ができた時に温かい汁物は用意したい。
サプリメントの利用について
利用、活用の前には必ず医師や管理栄養士などが介入してどんな栄養素が不足しているか、サプリメントの導入が本当に必要なのかを精査する必要があります。 
また、被災者には持病や薬の服用で飲み合わせや制限の指導を受けている方、アンチドーピングに配慮が必要なアスリートもいるかもしれません。
栄養強化が必要な場面であっても、サプリメントをやみくもに使用すべきではありません。

その他

カセットコンロ、ガス、電気が使えるようになったら

インスタント食品や、缶詰め、非常用食品に
切り干し大根、乾燥わかめ、高野豆腐などの乾物
冷蔵の要らない野菜をプラスしてみそ汁や雑炊を
作ると栄養のバランスが整いやすくなります。
暑い中調理時間を短くしたい場合はインスタントみそ汁を乾物で具沢山にするだけでも、体調を崩しやすい中で少しでも助けになるはずです。
一刻も早く救助の手が届くことをお祈り申し上げます。