桜雨……[No.3678] | 近江の物語を君に捧ぐ

近江の物語を君に捧ぐ

近江を舞台に、近江に生きる人を主人公にした小説をひたすら書き続けている近江人、木村泰崇のブログ。

昨日の夕方、

私のふるさとの村から

彦根の街を通り

琵琶湖へと流れ着く

芹川に沿って

車を少し走らせた。















彦根の

JRと近江鉄道の線路の近くの

上芹橋という橋の辺りの

両岸の桜並木が

実に素晴らしい❗❗


私は

彦根城の桜よりも

この芹川の桜のほうが

好きである。











桜を見上げていたら

風に吹かれ

花びらが

いっぱい

私の体に

降ってきた。


まさに

それは

桜雨………


桜雨という言葉は

あるのだろうか?

家に帰り

スマホで調べてみたら、

桜雨という言葉は

桜の時期に降る雨に

使う言葉で、

風に舞う桜の花びらに

使う言葉ではないとのこと。

(使うとしたなら、

桜吹雪とか)


けれども、

私は

降り落ちてくる

桜の花びらを見ながら、

桜雨という言葉が

一番ふさわしいように

思った。



若い頃は

桜の短歌というと、

やはり

在原業平の

「世の中にたえて桜のなかりせば

 春の心はのどけからまし」

岡本かの子の

「桜ばないのち一ぱい咲くからに

 生命をかけてわが眺めたり」

の2首が好きだった。


しかし、

50代後半くらいから、

崇徳院の

「花は根に鳥は古巣に帰るなり

 春のとまりを知る人ぞなき」

の1首が

最も好きである。